第13話:ロンドン
「どこだよ、ここ」
そうつぶやきながら、ミリアが出て行ったドアのドアノブに手をかけて、ドアを開けた。
太陽の光がまぶしい、
一瞬何も見えなかったが目が慣れていくにつれ見えてくる光景に驚いた。
大きな時計台、しゃれた感じの町並み、いきかっている多くの外国人。
そこは、ロンドンの町並みだった。
その光景を目にして唖然として立っているヒロシ。
「だから言ったでしょ」
と自慢げな顔でミリアがヒロシの横に立った。
ヒロシは口をパクパクさせながら、
「いつのまに、ロンドンに着いたんだ?」
と訊いた、ミリアは少し眉間にしわを寄せて、ため息をつくと、
「だから、あの道を通った時だよ」
そう説明して、近くにあった売店に行ってしまった。
あの道は、かなり短かったぞ、そんな、便利な物があるなら、
飛行機なんてもう用なしじゃないか・・・。
そんな事を考えていると、急に、ビリッとした感覚が、頬にはしった。
「アツッ!!」
思わず叫んで、その感覚があった、方を振り向いた。
するとミリアが二つ紙コップを持って立っていた。ミリアはその反応を見て、
「アハハ」
と笑うと、手に持っていた紙コップを差し出して、
「はい、コーヒー」
とコップをひとつヒロシに持たせて、空いていたベンチに座った。
ヒロシもその隣に座る、手に持っているコーヒーが冷たい風で冷えた手には、温かい。
ミリアは、一生懸命冷ましながらちびちびと飲んでいる。
「こんなに、ゆっくりしてていいのか?」
ヒロシがミリアにそう訊くと、ミリアはにっこりと笑い、
「来れば、分かるから」
と言って。また、コーヒーを飲み始めた。ヒロシは、
「フーン」
とコーヒーを口に含んで、ゆっくり飲み込んだ。
しばらくの間、ゆったりとした時間を過ごした。
行き交う人々は忙しそうに、歩いている。
この前まで、俺はあんな風に歩いてたんだよな。
と、ヒロシが思っていると、首筋にチリッとした感覚が走った。
「来たね」
ミリアが立ち上がって、コップをベンチに置いた。
そしてウィッチトゥールを取り出して、ミストを張った。
さっきまで、せわしなく動いていた人たちは、動かなくなり、色が抜けていった。
「よし、行くよ」
ミリアは歩き出した、ヒロシは残ったコーヒーを急いで飲み干した。
「アチッ」
口の中がビリビリしている。ミリアはあきれた顔をして、
「何やってんの」
とため息混じりに言った。
なぜか、今のミリアはとても楽しそうだ。すると、
「ガアァァァァァァ」
地鳴りのような声とともに建物が崩れる音が響いた、
ミリアはその音がした方向を向き、
「こっちだね」
やっぱり、楽しそうに見える、
そして、ミリアの目がオレンジ色に輝き、背中から赤い羽根が生えてきた。
「それも、インストールの力なのか?」
ヒロシが首をかしげながら、質問した。ミリアは自慢げな表情をして、
「そう、私、特有のね」
そう言って、翼を少し動かした。するとミリアの体がふわりと浮き、
「じゃあ、お先」
と笑って、飛んでいった。
「おい、ズリィぞ」
ヒロシがあわてて追いかける。
必死に追いかけるが、飛んでいるミリアには追いつけるはずが無い。
ミリアの後を追って、何度か道を曲がると、
またガラガラと建物が崩れる音がして、大きな土ぼこりの中に、大きな影が見えた。
「ガアァァァァ」
また地鳴りのような叫び声が聞えた。
その影は、この前にミリアが倒したシガールによく似ていた。
しかし、体中に棘のような物があった。
ミリアはその影に近づくと、
青い光を放ちその影の周りを旋回しながら小さな青い弾で攻撃を始めた。
すると、シガールはズルズルとビルをなぎ倒しながら動き出した。
しかし、シガールはミリアに向かって進んではいないようだった。
ヒロシがやっとシガールの近くづけた。
「デケェー」
そのシガールは山のように大きく、てっぺんはよく見えなかった。
しばらく、眺めていると、
「ズガガガガガガガ」
と、大きな発砲音がした、
上を見上げるとシガールの背中の棘がミサイルのようにミリアに向かって、
飛んでいった。
ミリアはその棘を銃で撃ったり、銃身ではじいたりしながらかわした。
すると、シガールの口が青く光りだして、
「キイィィィィィィィィ」
とためられ、ビームが放たれた。
しかし、そのビームはミリアがいる方向とは逆の方向に飛んでいった。
「ワッ、キャー」
すると、ビームが飛んでいった、
誰もいないはずだった方向から女の子の悲鳴が聞こえた。
「誰の声だ?」
ヒロシが、その声がした方向を目をこらして見ると、
小さな黒い影が、フワフワと浮いていた。
その影は、人の形をしていて手足をバタつかせながら必死にシガールから逃げていた。
「たっ、助けてーな」
と叫んでいる。
その黒い影は、シガールのビームをぎりぎりのところでかわしながら、
逃げているが、そこまで早く無い。
「なんだあれ・・・」
ヒロシが首をかしげながらその影を眺めていた。
ミリアはその間にもシガールを攻撃し続けている。
シガールは、だんだん動きが遅くなってきた、
「俺も何かやんなきゃな」
ヒロシがそうつぶやいて空間から剣を取り出した。
しかし、ミリアはとどめに、銃に力をため巨大な弾を作った。
そして、シガールの棘を全てかわし終えて、ミリアはシガールに銃口を向けた。
「トドメ!!」
ミリアがそう叫び、作った巨大な弾を放った。
シガールは、その弾が当たる瞬間、口から逃げようしていた、
人影に向かって放った。
その影は直前まで気づかず、かわしきれそうになった。
「キャー」
悲鳴を上げて体をちぢこませる。
ヒロシがとっさに剣を思い切り振った、
すると剣撃が、ビームに向って飛んでいき、ビームとぶつかり爆発した。
そして、巨大なシガールは、ミリアの攻撃をくらって消えていった。
今回なんもしなかったな・・・。
ヒロシはそう考えて爆発したところを見た。
するとあの人影が煙から落ちてきた。
「無事だったか・・・」
ヒロシはそうつぶやいて、人影の落下地点に走った。
そして、ポテッと地面に落ちた、ヒロシがその落ちてきた影に駆け寄った。
そこには、手の平くらいの小さな女の子が倒れていた
「大丈夫か?」
そういって、手に乗せる。
気を失っているのかまったく動かない。
作:どうも、作者ッス
ヒロ:全く、常識無視してるよな
ミリ:まあ、小説だから
ヒロ:まあ、そうなんだけどさ・・・
作:そうそう
ヒロ:なんか、不におちねぇなぁ
作:気にすんなって
ヒロ:・・・分かったよ
マー:そんなこと気にしちゃだめだよ
ヒロ:おわっ、どっから出てくんだよ
マー:まぁ、いろいろとね。
作:全くだな
マー:あっ、次回からこのコーナーもらうから
作:なっ、
マー:じゃっ、そういうことで。
作:おっ、おい
マー:じゃあ、お楽しみに
作:うぉーーい!!
ヒロ:マーシャ相変わらず、すごいな