九十二話
その隣では、別の集団が露店従業員に銃器の注文を行っていた
「M60E4を三丁に携帯型スティンガー-RMP ブロックIIを17個、それから・・・」
何やらメモ用紙を見ながら、迷彩服を着込んだ男性客が注文する
「歩兵携行式多目的のFGM-148 ジャベリンを3ケース、露店式改造カスタム型ベレッタ M93R2丁
及び二十発入り弾倉を四十個」
メモ用紙を見ながら注文していた迷彩服を着込んだ男性客の横にいた、ガムを噛んでいる男性客が
口を挟むように注文する
「俺は手野グループが最近売り出した、電子制御照準器付のコブラ・アサルト・キャノン二丁、
C-4を1,000キロ及び電管、起爆装置セット、クレイモア90で」
耳掃除をしていた男性がさらに告げる
「あれ、コブラ・アサルト・キャノンは、コンビニ売り切れか?」
メモ用紙を見ながら注文していた迷彩服を着込んだ男性客が、耳掃除をしている男性客に尋ねた
「考える事一緒だよ。棚に『コブラ・アサルト・キャノンは売り切れました。入荷は明日の12時です』で貼ってあった」
耳掃除をしている男性客が不機嫌な表情で応えた
「未定より良いんじゃね? 普段ならローソンやらファミマやらのコンビニで売っているMk14 EBR やら M16A4とか軒並み品切れかつ未定なんだぜ」
ガムを噛んでいる男性客がそう告げる
「ここに来る前に寄ったコンビニだと、中年おばちゃん集団が『カナダ軍正式銃は置いてない?』
とか尋ねて、店員を困らせたからな」
メモ用紙を見ていた男性客が応える
「・・・特定の軍隊が正式採用している銃器って、ローソンとかに売っているのか? というか、そもそも、なんでカナダ軍正式銃?」
耳掃除をしている男性客が尋ねる
「なんでも中年おばちゃんが観ているテレビドラマの主人公が、その銃器を愛用しているらしいぞ」
ガムを噛んでいる男性客が応えた
「あと小学生集団がFN FNP を大量に爆買いして、それが原因で店内で他の客と揉めて店内で格闘戦
に発展したぞ」
メモ用紙を見ていた男性客が告げる
「・・・それでお前ら、待ち合わせ場所に遅れたのか」
心当たりがあったのか、耳掃除をしている男性客が応えた
『そういう事』
ガムを噛んでいる男性客とメモ用紙を見ていた男性客が同時に応えた
「ご注文品は、合計で18円になります」
3人の男性客が話している間に、注文を受けた露店従業員が商品を持ってきて金額を告げた
男性客達が、一斉に視線をカウンターの上に向けた
そこには確かに注文した商品が置かれていた
「俺が金払っておくから、さっさと運べ」
メモ用紙を見ていた男性客が、そう告げながら代金を払う
「へいへい」
ガムを噛んでいる男性客がそう告げながら運び始める
「こらこら、携帯型スティンガー-RMPを1個とベレッタ M93R2一丁じゃなくて、もっと運びな
さい」
耳掃除をしている男性客が呆れた声で告げる
「いやさ、俺さ、箸より重たいものは持ったことなくて」
ガムを噛んでいる男性客がおどけるように応える
「お前は何処のお嬢様だ」
代金を払っていた男性客が呆れ気味の表情を浮かべながら告げた
コブラ・アサルト・キャノンは、映画「ロボコップ」の一作目に登場した武器(W