八十七話
犇めく従来型鬼獣「ソルジャー」中型鬼獣「イントゥルーダー」 猟犬型鬼獣「インベイダー」の
大群とフェルパーモデルの量産型アンドロイドオメガ800の凄まじい死闘を展開している付近には、
漫画・アニメ・ゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けたり、塗装を行うなどして装飾したM1130 ストライカーCVを筆頭に、LAV-25が複数展開していた。
M1130 ストライカーCV内で、フェルパーモデルの量産型アンドロイドオメガ800を大量注文した
男性住民が苛々していた。
「こんなに注文して、どうするの? 」
若干どん引きした表情を浮かべた、女性住民が尋ねる。
「黙れっ! 胸がまったくないお前が説教するには、百億年早いっ!! これ以上説教しやがると
服剥ぎ取って突撃さるぞっ!!」
殺気の籠っている声で怒鳴る様に応える。
もうすでに追加注文をしているためなのか、はたまたま請求額がえげつない事になるためか、それら
いろいろな事を覚悟している様な声だ。
「はいはい・・・それなら、もう注文するのは・・・」
別の女性住民が言ってくる。
「胸がデカいだけのお前も黙れっ!! 注文も糞もあるかっ どいつもこいつも状況わかっているのかっ!?
俺達はここで鬼獣どもを全滅させなきゃどうする事もでねぇんだよっ!!
ここで、ぐちゃぐちゃ言っている時間があるなら、銃火器持って撃って撃って撃ちまくれ!!」
男性住民が凄む様に応える。
「・・・胸がないのは浪漫があるのよ」
胸がまったくないと言われた女性住民が、若干怒りを孕んだ声で言う。
「・・・胸が大きいのは夢が詰まっているのよ、馬鹿なの?」
胸がデカいと言われた女性住民も、何処か殺意のある声で言う。
「馬鹿なのはお前らだっ!! ありすぎるのも無さすぎるのも問題だって言っているんだ!!
これだから、胸のありすぎる女と無さすぎる女は始末に終えねぇんだっ!!
こんな誰でもわかる常識な事をギャーギャー言っている暇があればっ、外に行って鬼獣どもぶっ殺して
来いっ!!」
男性住民は怒鳴りながら、ホルスターからベレッタ 92を素早く抜いて撃鉄を起こす。
銃口が蛇の鎌首の様に動いた。
2人の女性住民は、男性住民が本気で撃ってくる気配を感じ取ったのか何も言わず脱兎のごとく
外に出ていく。
「・・なあ、銃弾は後ろから飛んできたりするんだぞ?」
別の男性住民が、何とも言えない表情を浮かべながら言う。
「ふん、あんな地区の射撃ランキング万年最下位の腕で、俺を後ろから撃とうするには、二百億年
早いわっ 撃てるもんなら撃ってみさらせ・・・返り討ちにしてやる・・」
男性住民は罵り声をあげながら、ベレッタ 92の撃鉄を戻しホルスターに収め、再び無線を使い
注文をはじめる。
「・・・世が世なら、お前は訴えられるぞ」
やれやれとした表情を浮かべながら、そう告げる。
女性に対して言ってはいけない事を平然と言った男性住民は、中指を立てながら注文を続ける。
「・・・無さすぎるのもありすぎるのも問題って言ったが、だったら何が問題じゃないんだ?」
男性住民は気になったためかそう尋ねたが、注文している男性住民に太腿を蹴られ、出口を指さす。
「蹴るなよぉ・・・あれか、空腹なのか? 糞まずいレーションならあるけど食べるか」
蹴られた太腿を触りながら、そう尋ねる。
注文している男性住民は、口パクで「お前も外に出て、闘ってこいっ!!」と言っている。
「・・・猫飯食いながら、カントリーロード聞きたい?」
どうやら、相手には通じていないようだった。




