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八十二話



17地区内では狂乱怒涛が渦巻いていた。

地区住民や増援の他地区住民は、至る所の建物で籠城しながらありとあらゆる重火器類で応戦を繰り返している。

鬼獣群はひるんで停まるどころか停まる所か、逆に誘われる様に進撃していた。

17地区内の半分の道路や川が鬼獣群で満ち溢れていた。

鬼獣群の総数は不明。

地区内全域に広がりすぎて見当がつかなかった。

17地区内の各町内会から無線で、応援と弾薬類の補充の要望が飛び交っていた。

すでに沈黙した町内会も数十か所ある。




17地区内へ応援に駆け付けている他地区の住民は、憤怒の表情で貌を歪めた。

鬼獣群に迫撃砲の他に重機関銃が吼え続け、雷鳴の様な銃撃と霧の如く立ち込める硝煙が立ち込めた。

至る所で鬼獣に向けて、戦闘の火蓋が切られている。

激しい土煙で煙幕が張られる様になった所から、従来型鬼獣『ソルジャー』 猟犬型鬼獣『インベイダー』 中型鬼獣『イントゥルーダー』で構成している鬼獣群が金切り声をあげながら向かってきた。

隊列を乱さず、銃弾や砲弾で吹き飛ばされた仲間の死骸を乗り越え、慌てた風もなく迫ってくる。




「まるで軍団だ! それも完全に総率をとれてやがるっ!! 」

AUG A2の引き金を絞っている痩せた男性が罵る様に叫ぶ。

「群れは個性を喪失させる。本能を失うことから群れの構成要因が始まるんだ。

自己保存を失えばこうなるんだ―――――――――深夜テレビ番の鬼獣対策討論会で出演していた、

何処かの学者が言っていた受け売りだが」

L86 LSWの弾倉を取り換えていた、金髪で筋肉質の男性が、それに応えた。

「くそっ、いまちょっと博識だなぁと感心したのに、テレビの受け売りかよっ」

痩せた男性が短く告げた。








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