八十一話
激戦が続く17地区へ向かうのは、戦車や人の他に航空機もだ。
14地区内にある飛行場では、航空機が離発着を繰り返している。
そのほとんどが漫画・アニメ・ゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどった
ステッカーを貼り付けたり、塗装を行うなどして装飾している。
「急げ急げっ!! ぐすぐすしてやがると、それだけ17地区の前線は崩壊するぞっ!」
AK47突撃銃を負い革で背負っている中年男性が、格納庫にいる全員に聞こえるように告げた。
手には書類を持っており、ペンで印を付けている。
作業員達は、大型長距離輸送機C-17 グローブマスターIIIに詰めるだけの物資を積み込んでいた。
これらの物資を目標の場所にて、空中投下を行うのだ。
現在、この飛行場には220機ほどのC-17 グローブマスターIIIが駐機しており、全てフル活動中だ。
ほどなくして、がっしりとした身体つきの男性作業員一人、中年男性の近くに来て報告をする。
「指示通り、貨物を全て積み込みました」
男性作業員が静かに告げる。
「作業はこれで終わりじゃないぞ。まもなく次の便が戻ってくる。
その便には、ハンヴィー高機動多用途車を10両を載せろ。先方からのご注文だ」
身体つきの男性作業員一人が何処か呆れた表情を浮かべる。
「17地区の前線では何が行われているんですか? 今日だけでハンヴィー高機動多用途車を
204両も送り届けてますよ。あれですか、怪獣大戦争でもあるんですか」
男性作業員一人が尋ねる。
「詳しい事は知らないが、防衛線を3線突破されつつあるらしい」
中年男性が短く応える。
「えー・・・その・・・・」
よく響く、低い声で男性作業員が尋ねた。
その表情は、蒼白くなっている。
「前線が崩壊するのを防ぎたげれば、一生懸命働けということだ」
中年男性が短く応えながら、書類に印をつけている。
「・・・その前線を防ぐためには、ライトノベル的な書籍も必要なんでしょうか」
男性作業員一人が尋ねる
「あー、あれか・・・依頼主からの要求だ」
中年男性が応える。
「・・・後味が悪くて有名な書籍を何処で役に立てるんでしょうね」
男性作業員が困惑した表情を浮かべながら尋ねる。
「なんだ、その口ぶりから察すると、その書籍を読んだことあるのか?」
中年男性が書類から、男性作業員に視線を向けて応える。
「ええ、まぁ・・・。13冊ほど発売していますが、あの「ミステリアス・トリニティ」は、
結構有名ですよ」
男性作業員が応える。
「後味が悪くてか?」
中年男性が、再び書類に視線を向けてながら尋ねる。
「それもあります。
ファンでは知られていますが、作者の駒米たもはロサンゼルス奪還作戦に参加した、日本決死隊の
一人ですから。まあ、だからなのか、登場人物の9割もあんな・・・」
男性作業員が応えるが、最後の方は言葉を濁している。
「・・・ロス帰りか。 かなりの修羅場を経験した事だろうな」
中年男性が何か納得したような口調で告げた。
この話に出てきた「ミステリアス・トリニティ」は、交流させて頂いている
駒米たも先生の作品、「犯人は僕でした 」で登場している作品です。
快く許可していただいて、ありかどうございました。




