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三十四話

 


 鬼獣群の死骸が数百、数千とアスファルトに転がっている。

 それらの全てを尚文露店主が、剣一本で撃退した。

 甘ったるい死臭が立ち込めているため、この光景の目撃者となった17地区

住民、 他地区からの増援住民、そして日本決死隊の隊員達はハンカチを鼻に

押し当てている。

 中には、その臭いに耐えきれず嘔吐しているものも見受けられる。

「1人で殺りやがったよ・・・あの露店主」

 その理解できない光景を見ていた1人の日本決死隊の男性隊員が愕然としながら呟く。


 その尚文露店主は、鬼獣群を一人で一掃したはずにもかかわらず汗一つ流して

 いない。

「まだ来るな」

 尚文露店主は小さく呟く。

「グランド・ゼロ」前の遥か昔―――――

 秘密結社「フリーメイソン」を結成する前から、たった1人で鬼獣との終わり

なき闘いに身を投じていた尚文露店主には、この程度で鬼獣が怯むはずのない事を嫌になるほど理解していた。

 しばらくして、現に第二派の鬼獣群の姿を尚文露店主は視界に捉えた。

 日本決死隊の隊員、17地区住民、他地区からの増援住民達は、第二派の鬼獣群を視界に捉えると、手に持っている重火器類を握り締め、安全装置を外す。




「装填―――――、連続射撃っ!!」

 誰かが叫んだ。

「待てっ!!」

 頭に「大和魂」と書かれた白い鉢巻をしている日本決死隊の男性隊員が告げた。

 片耳に差し込んでいるイヤホンから流れてきた通信を聴いている。

「本部から通信で、攻撃を控えろという命令だっ!!」

 白い鉢巻をしている日本決死隊の男性隊員が険しい表情を浮かべながら告げる。

 その言葉を聞いたこの場にいる全員が、一様に信じられない表情を浮かべた。




 しかし、尚文露店主はその様な些細な出来事よりも、目下、迫りくる第二派の

 鬼獣群を睥睨した。

 そして握っている聖剣『フラガラッハ』に視線を落とす。

「(あと何匹ぶった斬る事が出来るか)」

『フラガラッハ』を一瞥しながら、尚文露店主はそう思った。

 今握っているこの剣が破損すれば、今の時代誰一人製造する事は出来ない。

 製造技術、設計図、創れる人材がすでに途絶えている。

 ――――例え、その三つが揃えていても創り出せる材料そのものがすでに存在

しない。

 その材料があったのは、都市伝説でも名前が挙がる有名な2つの大陸でしか発掘

 できない。

 一つは、太平洋に存在した『ムー大陸』。

 もう一つは、大西洋に存在した『アトランティス大陸』

 都市伝説では、噴火などで沈んだなど言われているが、実際は、鬼獣との闘いの

 影響が大いに関連している。

 どちらの大陸でも、高度な科学文明が栄えてはいたが鬼獣との闘いの末、歴史の彼方へと消えた。

 その2つの大陸から掘り出す事が出来た材料は――――――――。

 金属鉱石『アダマンタイト』と金属鉱石『オリハルコン』だ。


 尚文露店主は、今使っている剣を含めて4本ほど存在していた。

 鬼獣との闘いをする上で、たった4本という数は間違いなく少ないだろう。

 しかし、尚文露店主が持ち出す事が出来たのは、たった4本しか創れない量の

『アダマンタイト』と『オリハルコン』、そして設計図だけだった。


 それらを元に創られたのが、ケルト神話に登場する剣の名を名付けられた

武器だ。

『神剣』フラガラッハ

『王剣』フラガラッハ

『魔剣」フラガラッハ

『聖剣」フラガラッハ

「鬼獣と人類の歴史」を研究している研究家は、これらを『フラガラッハ

 シリーズ』と呼んでいる。




 そしてこれらを制作に成功したのは、後にも先にも―――――1人だけだ。

 ルネサンス期を代表する博学者であり、「飽くなき探究心」と「尽きることの

 ない独創性」を兼ね備えた人物と言われて名高い人物。

「万能人」とと異名で世間で親しまれているレオナルド・ダ・ヴィンチその

一人だけだ。

 その人物も、また秘密結社「フリーメイソン」のメンバーでもあった





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