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三十三話

 

 ―――――その様な状況でも、尚文露店主がいる場所は違った。


 鬼獣「ソルジャー」、「インベイダー」、「イントゥルーダー」で構成されて

いる群れが進軍する前方に、尚文露店主は立ち塞がっていた。

 この緊迫したこの状況下で、アロハシャツと短ズボン、頭に麦藁帽子、黒い

サングラスという格好は、異質感が半端ない。

 さらに、右手には『フラガラッハ』という長剣を握っているが、それでも異質感が半端ない。

 尚文露店主は、ペタペタとサンダルを鳴らしながら滑るように二歩、三歩と

ゆったりと進む。

 黒いサングラスで隠れてわからないが、その瞳は強固な意思によって瞳に敵愾心

 の炎が燈っている。

「ソルジャー」、「インベイダー」、「イントゥルーダー」の鬼獣群は、

 尚文露店主を見て何か感じているのか奇声を発して立ち停まっているが、いつでも飛び掛かろうと構えている。

「手加減は抜きだ」

 尚文露店主は、静かにそう告げながら四歩目にして―――――床を蹴り鬼獣の群れに斬り込んでいく。

 尚文露店主と鬼獣の距離は十分離れていたが、尚文露店主はその距離を一瞬で

 縮めた。

 それは、誰の眼でも追えないほどの速度だった。

 聖剣『フラガラッハ』切っ先が、一体(匹?)の「イントゥルーダー」に

めり込んでいた。

 貫かれた「イントゥルーダー」は口から、緑色の液体を吐く。

 尚文露店主は、ふわり、と後退して液体を避けた。

「イントゥルーダー」が前のめりで倒れようとする寸前に、尚文露店主は

 すぐに動いていた。

 超高速からの眼にも留まらぬ斬撃の連打が、鬼獣群に浴びせられる。

 誰に影響されたのか、それとも誰かに教わったのか、それはわからない。

 斬り落とし、突き入れ、横薙ぎに、絶妙に横蹴りも織り交ぜる。

 それらはまさに一陣の烈風の様に鬼獣群に襲いかかった。




 従来型鬼獣「ソルジャー」、猟犬型鬼獣「インベイダー」、

 中型鬼獣「イントゥルーダー」は、巧みに身体を動かし、電光の如き攻めを

踊るように躱そうとする。

 だが、正確に斬り払われ、体重たっぷりの廻し蹴りが剣舞もかくやの速度で蹴り込まれては、路上に転倒させられていく。

 尚文露店主は、鬼獣に休む暇すら与えないのか、さらにその攻撃の速度を増す。

 鬼獣群はそれを捌こうと足掻く様に動くが、まったく通用していない。

 尚文露店主が生み出す衝撃波は、付近に転がっている空薬莢などを飛ばす。

 この場にいる住民達は、その異様な光景を歯をガチガチと鳴らしながら見守る事しかできない。




「な・・・なんだよ・・・あの露店主は・・・」

 AK-47を持っている男性住民が呻く様に、誰ともなしに告げる。

「あれは人間なのか・・・? 動きが人間じゃねぇよ・・・・」

 RPG7を担いでいた男性住民が震える声で応えた。

 この場にいる全ての住民の眼には、派手なアロハシャッが鬼獣群に

 飛び込んで、剣撃剣舞をしている様にも見えた。

 野性の直感か、ちらほらと逃げ惑う鬼獣の姿も出始めた。

 だが、尚文露店主はまったく容赦無く、我先にとぶつかり会い、転げながら

 逃げようとする鬼獣にも剣撃を浴びせる。

「――――――これが全人類からの応答だ。 『相手になってやる かかってこい』」

 従来型鬼獣「ソルジャー」に聖剣『フラガラッハ』で突き刺しながら、尚文露店主が短く告げた。






 

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