表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/112

二十八話

 

 彼も、V-22 オスプレイの大編隊を良く眺めると、確かに漫画・アニメ・ゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けたり、塗装を行っているのが見えた。

「(そいえば、今来店している客の車両にも痛車の様な塗装を行っているな)」

 彼は、そんなことをふっと思った。




 露店の近くで駐輪している、M1126ストライカーICV、M1127ストライカーRV、

 M2重機関銃やM134D ミニガンを搭載したハンヴィーといった車両の幾つかに、

 痛車よろしく派手な塗装を行なっている車両が存在している。

 また、それらの車両には鬼獣との交戦で引っ掛かられた様な傷がついている。

 それらの付近では、露店で購入した重火器類の他に、ドックフードやキャット

 フードを詰み込んでいる客達の姿があった。

 特に、味が壊滅的な軍事レーション類を購入した客達は、悲壮感が漂っている。




「さっさと、車両に戻れよっ!! 出発するぞっ!!」

 運転席に座っている男性住民が苛ついた口調で告げる。

「畜生っ、鬼獣どもが!! 調子に乗りやがって!!」

 ベネリ M4 スーペル90の点検を終えた男性住民が罵るように応える。

「おいっ、マジで急行だっ!! 先に急行した救援部隊の一部が、鬼獣群の猛攻撃を受けて、連絡も途絶したとか言っているぞっ!?

 ――――――それと、石沢っ、「俺には関係ないな」てきな表情で、露店で買った板チョコを食べようとするなぁっ!! それも臨時レーションだぞっ」

 助手席に座っていた男性住民が耳に差し込んでいるイヤホンから聴こえてくる

 通信を傍受しながら、今、まさに板のチョコレートを食べようとする寸前の

男性住民に指を差して叫ぶ。

 しかし、その間にも通信からは、魂が削られるような絶叫や、鬼気迫る救援

要請が流れている。

 その中には、恋人や妻、母の名を叫び絶叫しているのも混じっており、 これを聞くだけで、17地区の最前線では凄まじい死闘が展開している事が理解できる。





 別のM134D ミニガンを搭載したハンヴィーでは、二人組の男性住民が話し合っていた。

「これは一体どうしたことだ?」

 露店商でドックフードとキャットフードの買い出しを頼んだ男性住民は、

 それとは違う商品を購入してきた男性住民に尋ねていた。

「どうしました? 何か不手際でも」

 とっさに意味が図りがたく、その男性住民が応えた。

「塩じゃないか」

 何処か困惑した表情を浮かべながら、男性住民は塩の入った袋を見て尋ねる。




「当然でしょう、ドックフードとキャットフード売り切れていたんですから」

 呆れ声で、買い出しを請け負った男性住民が応える。

 実際、混雑していた露店での買い出しは苦労していた。

 人混みをかき分けて、銃器類の弾薬を買い、露店店員との値引き交渉を行うの

 には、想像絶する精神が必要だった。

 露店店員との値引き交渉はしたくはなかったが、その男性住民は我慢して

 行なった。

 それだけで、かなりハンヴィーには弾薬を詰める事は出来た。

 むしろ、この程度のことを我慢せずに増援に行くとなれば、命知らずにもほどが

 ある。




「山口」

 塩の入った袋を見て尋ねた男性住民が告げた。

「誰が山口ですか、野口ですよ」

 塩を買ってきた男性住民が、むすっとした表情を浮かべて応える。

「珈琲を買ってきてくれ、ここの露店で」

 塩の入った袋を見て尋ねた男性住民が告げる。

「そんなのは売ってませんよ、豆や板チョコ程度なら売ってますけど」

 野口と応えた男性住民が、溜息を吐いて応える。

「そうか、肝心な物は売ってないんだな・・・・。そうそう、山口、お前、

 狙撃手としてなかなか見所がありそうだな、いい狙撃手なれる、見直したぞ」

 塩の入った袋を見て尋ねた男性住民が笑みを浮かべながら告げた。




「野口です・・・・、狙撃の技術なんて小学生から習うものじゃないですか、

 それに俺は、狙撃手になるつもりで闘っているんじゃないですよ」

 野口と応えた男性住民が、少し不機嫌な声で応える。

「じゃあ、何のために闘っているんだ?」

 塩の入った袋を見て尋ねた男性住民が告げる。

「人類の平穏のためにきまっているじゃないですか!」

 むきになって、野口と応えた男性住民が応えた。

「そんなに肩の力を入れて闘うもんじゃない、気楽に気楽に、ほれ、塩味のポテチ食べるか」

 塩の入った袋を見て尋ねた男性住民が肩をすくめながら告げ、塩味のポテチを見せる。




「気楽になんかできませんよっ、人類の平穏は俺達の闘いににかかっていると言っても過言じゃないんですから」

 野口と応えた男性住民は、ポテチについては無視をしながら応える。

「だから、あの日本国内未発売の狙撃銃をやるっといっているだろう?」

 塩の入った袋を見て尋ねた男性住民が、やれやれとした表情を浮かべながら

 告げる。

「俺は、自分の力を確かめたいんです」

 野口と応えた男性住民が静かな口調で応える。




「俺は日本国内未発売の狙撃銃しかやらんぞ? 中古品でも日本国内産のでもない未発売の狙撃銃だ、あ、決してこの露店には持ち込むなよ、ここの露店主は、

 国内未発売の銃を見つけたら、問答無用で奪って魔改造して返してくるからな」

 塩の入った袋を見て尋ねた男性住民が、苦々しい表情を浮かべながら告げる。

「何でですか? 俺は自分の力量に対する技術を知りたいだけなんですよ」

 食い下がる様に、野口と応えた男性住民が応えるが、あえて魔改造については

 聞かない。




「俺がそうしたいからさ、それにお前の狙撃手としての技術を錆びさせるにはもったいない」

 塩の入った袋を見て尋ねた男性住民が、野口と応えた男性住民の瞳を

 見つめながら告げた。

 困ったやつだな・・そう言いたげな眼だ。

「栗本さんは、国内のファーストコンタクト……四国攻防戦の経験者なんですよね?」

 野口と応えた男性住民が、しばらく考えてからそう応える。

「くだらないな」

 栗本と言われた男性住民は、露骨に嫌な表情を浮かべて告げた。




「四国攻防戦の経験者なんですよね?」

 語気を強めて、野口と応えた男性住民が応える。

「肩書きではそうなってるな、でも、何にも役には立たないが」

 ため息をつきながら、栗本と言われた男性住民が応える。

「それなら、栗本さんの傍で闘いたいです、四国攻防戦を経験された人と

 闘える事は、幸運以外の何者でもありませんから。

 四国攻防戦を生き抜いた技術は何たるかを精一杯盗ませてもらいたいと

 思います。

 なんといっても、北海道、四国、九州、沖縄の攻防戦を実体験された人は、

 俺達の世代では憧れですから」

 野口と応えた男性住民が告げた。




「経験者ねぇ……まぁ、うん、好きにしたらいいさ」

 栗本と言われた男性住民は頭をガリガリと掻いて答えた。

「ありがとうございます、誠心誠意、全力投球で頑張ります!」

 野口と応えた男性住民が深々と礼をしながら告げる。

「まぁ、ほどほどにな。頑張りすぎてもろくなことがないぞ、特に今回のこの

 闘いは長くなるかもしれないからな」

 栗本と言われた男性住民は告げながら、ポテチの袋を開けて食べる。

「それでも、頑張ります」

 野口と応えた男性住民が応えた。

「なら、さっさと急ごう、戦友達が闘っている場所にな」

 苦笑いしながら、栗本と言われた男性住民は告げた。


この二十八話は、一部を交流させて頂いているしゅれねこ先生の作品「あなたの未練 お聴きします」の二話を、ご許可を頂いて参考させて頂きました。

本当にありがとうございました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ