一〇五話
その川の下流にある河原付近一帯では、「ソルジャー」と防衛側の頭上に120mm迫撃砲 RTの
砲弾が次々と降り注ぎ、轟音と共に両陣営を吹き飛ばす
そんな阿鼻叫喚状況でも、十七地区住民側は迫りくる「ソルジャー」向けて銃火器類を浴びせ続ける
数万という規模で渡河中の「ソルジャー」に、ステアーTMP、KAC 6x35mm PDWと言った
銃火器類で 武装した十七地区住民が、鬼の様な形相を浮かべつつ、狙いをつけ引金を絞り
なら突撃をする
各銃器が唸り声を発し、「ソルジャー」は金切声を発してのた打ち回る
その十メートルほど東でも、幾つものXM312が「ソルジャー」に狙いをつけて
重々しい唸り声をあげている
そして空薬莢が乱舞していた
「これだけの激戦だぞ!! なんでこっちに増援が来ないんだ!!」
XM312の引き金を絞っている男性住民が罵り声をあげる
「増援の代わりに砲弾は飛んできているけどな!!」
H&K MP5の引き金を絞っている男性住民は、嫌悪感の混ざった眼差しで大声で応えた
その視線の先では、120mm迫撃砲 RTの砲弾が「ソルジャー」の頭上に飛来して落下していた
次々に爆発した迫撃砲弾の破片が「ソルジャー」の身体をへし折り引き千切る
「糞糞糞!! こうなったら徹底的に駆逐してやらぁぁぁ!!!」
XM312の引き金を絞っている男性住民は、憤怒の表情を浮かべながら引金を絞り続ける
「おいっ、お前ら!! 弾薬は少し節約しろ!!
今、無線連絡で各地区から増援と弾薬を満載した特急列車が鬼獣群に突っ込んで
修羅場っているらしいぞ!!」
フランキ・スパス15を持っていた男性住民が走り寄りながら大声で伝えてきた
『嘘だろ!?』
XM312の引き金を絞っている男性住民とH&K MP5の引き金を絞っている男性住民が
同時に叫び返した
十七地区内の路線を無数の鬼獣が横ぎっていた
枕木の上や線路上に蹲っている鬼獣もいるため、遠くから見れば鳥が止まっている
様に見える
そんな所を緊急特急列車が通過しようとしていた
運転手は、最初置き石かと一瞬青ざめた。
ブレーキをかけるが間に合う距離ではなく、車両に軽い衝撃が走った
この世界の全ての電車は鬼獣対策された頑丈な作りになっている。
そして、その製造しているのは手野グループだ。
数百程度なら傷一つつける事はできない
緊急特急列車が湾曲した見通しの悪い場所を通過しようとした時――――
運転手は我が眼を疑った
カーブを曲がった途端に線路が消えたため、何か錯覚を起こしたのかと運転手は思った
運転手は、警笛を鳴らし非常ブレーキをかけた
ブレーキで止まる距離ではなかったが、そうする方法しかなかった
列車は甲高い号泣に似た摩擦音をたてて、消えた路線に向かい車体を震わせながら突っ走った
そこに到着する前に、運転手は路線を覆っているのが無数の「ソルジャー」や
「インベイダー」の集団であることがわかっていた
路線も枕木も砕石も何も見えなかった
その周囲が全て鬼獣一色で、路線は埋没していた
数百程度なら傷一つつける事はできないが、数万規模となれば想定外だ
運転手は引きつる表情で、車内アナウンスをした
「ご搭乗のお客様にご連絡です!!
『衝撃に備えろ』!!」




