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プロローグ
広く暗い、コンピューターとモニターがたくさんある部屋に男はいた。
「・・・・・」
男は黙ってモニターを見つめる。
モニターには何も映し出されていない。
一方、コンピューターには大量のデータが映し出さていた。
コンピューターはぴろろろと音を立てて、
「検査結果、無反応」と機械の声で話す。
それを何回、何十回、何百回、何千回と男は聞いた。
(・・・・)
「無反応」と聞くたび、男はがっかりした表情を見せる。
(やはり、今年も無理か・・・)
男はあきらめかけていた。しかし、
「ピピピ。検体番号3759、検査結果、一致。
X-プログラム、第一段階成功。」
コンピューターがそういった瞬間、男はコンピューターの方を向いた。
「ついに、来たか・・・」
男はキーボードに触れながら、いう。
かちゃかちゃとコードを打ち込む。
「認証完了。実行期間一年。検体番号3759を主軸とし、X-プログラム第二段階へと移行します」
コンピューターは無感情の声で言う。
男は立ち上がる。
なにかの企てが成功したときに浮かべる笑みをしながら。
「今度こそ。僕の手で世界を救う」