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銀髪の猫はなにを願う キャラクター&設定ガイド  作者: 熊猫


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第5話 ギルドと制度について

挿絵(By みてみん)

ここでは、『銀髪の猫はなにを願う』に登場する冒険者ギルドの仕組みと、第三部序盤の舞台となるギルドについてまとめています。


この物語においてギルドは、依頼を受けるための場所であるだけではありません。

冒険者としての立ち位置を知り、実力差を思い知り、時には制度そのものに支えられたり、逆に壁を感じたりする場所でもあります。


特にファナのような存在にとっては、制度そのものだけでなく、

「誰がその制度を運用するか」

も大きな意味を持っています。


蒼鷹の庵(そうようのいおり)


第三部序盤で関わるギルド拠点の名は、

蒼鷹の庵

です。


山間の交易路にある小都市に所在する、木造二階建ての小規模ギルドで、

酒場兼談話室、依頼掲示板、訓練スペース、事務室などを備えています。


規模そのものは大きくありませんが、面倒見がよく、

「冒険者の入り口」

として高く評価されている拠点です。

仮登録制度が活発で、孤児や避難民の受け入れにも比較的積極的です。


支部の紋章は、

羽を広げた蒼い鷹。

名前には、

「どこかへ飛び立つ若き者たちが羽を休める庵」

という意味が込められています。


■ ギルド拠点の規模について


冒険者ギルドには、規模によっていくつかの階層があります。


中央本部(★★★)

全体を統括する機関。各地の規定や方針を定め、国家級・禁忌級の依頼も扱います。

大拠点ギルド(★★)

首都や大都市にある大規模拠点。高ランク冒険者が多く、訓練・研究・教育制度も充実しています。

標準ギルド支部(★)

中規模都市や交易都市に置かれる一般的な支部。多くの冒険者にとって中心的な拠点です。

小拠点ギルド(☆)

村や辺境の街、小都市に置かれる小規模拠点。新人や仮登録者の育成、低難度依頼が中心になります。


蒼鷹の庵は、このうち

小拠点ギルド(☆)

にあたります。


小拠点ギルドは設備や制度が簡易なぶん、融通が利きやすく、人情味が表に出やすいのが特徴です。

一方で、職員個人の価値観が現場に影響しやすいという面もあります。


■ 蒼鷹の庵の主な職員

ザルド・ベルトラン


ギルド長。

元Aランク冒険者で、負傷によって引退後、支部長に就任しました。

筋肉質で大柄、短く刈られた灰髪と鋭い目を持つ豪放磊落な人物です。


情に厚く、努力する若者にはとことん手を貸すタイプで、才能だけでなく**「伸びる者の痛み」**を見抜く目を持っています。


「強くなる奴はな、だいたい泣いてんだよ。悔しくてな」


ミリア・フェンロー


受付・事務担当。

眼鏡をかけた穏やかな女性で、柔らかな茶髪を後ろで束ねています。

物腰はやわらかく、誰に対しても平等に接する人物です。


仮登録者の成績管理や報告書整理も担当しており、表には出にくい部分でギルドを支えています。


「不安なのは、頑張ってる証拠ですよ。……ええ、大丈夫です」


ゲイル・ロッサ


訓練担当。

若くして引退した元冒険者で、前衛・近接戦の指導を得意としています。

陽焼けした肌と赤いバンダナ、明るい笑顔が印象的な兄貴肌の人物です。


訓練には厳しいですが、そのぶん熱心で、若手の成長を真剣に見ています。


「尻尾が揺れてるうちはまだ余裕ありだなー。さ、もう一回いこうか!」


ヴァイル・グレアス


受付兼補佐職員。

黒髪を後ろで束ねた長身の男性で、表面上は丁寧で冷静な人物です。


ただし内面には、獣人や亜人への偏見を持っています。

本人はそれを差別ではなく「規律」や「統計に基づく現実認識」と捉えていますが、実際には獣人に対して評価が厳しくなりがちです。


「私は差別をしていません。ただ、統計に基づいた現実を申し上げているだけです」


リリアナ・コーエン


中堅職員・教育係。

明るく面倒見のよい女性で、赤茶の巻き髪をゆるくまとめています。

仮登録者や新人の相談役として人気が高く、差別や制度の壁を嫌う人物です。


信条は、

「誰がどこから来たかではなく、どう生きようとするかが大事」

というもの。

ファナのような存在にとっては、とても大きな意味を持つ立場の人でもあります。


「ちゃんと見てる人は、いるからね。あんたの頑張りも、傷も、全部」


■ 職員同士の空気


蒼鷹の庵は温かい拠点ではありますが、全員が同じ考え方をしているわけではありません。


特に、リリアナはヴァイルの偏見に気づいており、職場でしばしば対立しています。

一方でヴァイルは、リリアナを「情に流される」と見て苦手としています。


ザルドはその両方を見たうえで、すぐに片方を排除するのではなく、最終的には行動で判断する立場を取っています。

そのため、このギルドは制度上は平等でも、現場では価値観のぶつかり合いが起こりうる場所でもあります。


■ パーティー制度について


冒険者にとってパーティーとは、共同で依頼を遂行するための小規模な協力集団を指します。

原則として2〜6名で構成されます。


パーティーの種類

一時パーティー

依頼ごとに編成され、達成後に解散するもの

登録パーティー

正式にギルドへ届け出た固定チーム

仮登録パーティー

仮登録冒険者を中心に組まれる、訓練・試験用チーム

登録パーティーの要件

メンバー全員がFランク以上の正式冒険者であること

最低3件以上の共同依頼達成実績があること

リーダーを1名選出すること

面談と書類手続きを終えていること


登録パーティーは任意で名称登録も可能ですが、不適切な名称や重複は認められません。

変更には全員の署名と再申請が必要になります。


■ 仮登録者の特例参加


仮登録者も、条件つきでパーティーに参加できます。


正式冒険者がリーダーを務めること

仮登録者は最大2名まで

対象依頼は育成・訓練目的に限る

事故時の責任は正式登録者側が負う


このあたりの制度からも、ギルドが単に戦力を集めるだけではなく、育成と安全を両立させようとしていることが分かります。


■ 多種族構成について


制度上、種族差別は禁止されています。

また、初回登録時には文化や背景の違いを確認する面談が行われることもあります。


夜目や気配感知など、種族特性は戦術評価に加味される場合があります。

ただし、制度が整っていても、実際の運用にあたる人間の価値観まで完全に同じではありません。

この差が、現場での扱いに影響することもあります。


■ パーティー評価ランク


登録パーティーには、個人ランクとは別に評価がつく場合があります。


D:新規・低評価

C:標準

B:安定

A:高評価

S:最高評価・模範パーティー


これは成功率、評判、協調性などをもとに変動し、

訓練施設の予約利用、共有倉庫の使用、遠征支援金制度、掲示板での推薦表示などにも関わってきます。


■ 義務と責任


パーティーには自由だけでなく責任もあります。


リーダーは依頼中の統括と報告責任を負う

金銭や人間関係の問題は原則として当事者で解決する

深刻な場合のみギルドが仲裁に入る


また、内部暴力、裏切り、依頼放棄などは重大違反とされ、

警告、一時停止、登録抹消といった処分の対象になります。

悪質な場合には、追放や治安組織への通報もありえます。


■ 仮登録制度について


蒼鷹の庵のような小拠点ギルドでは、仮登録制度が活発です。


この制度は、冒険者志望者が正式登録に向けて訓練と試験を受けるための段階的支援制度です。

安全と育成を両立させることを目的としています。


仮登録者の条件

拠点規模によって年齢制限は異なる

(小拠点では15歳前後から可)

心身に一定の健康と判断能力があること

紹介者、またはギルド面談を経て受理されること

活動制限

危険度の高い依頼(原則Cランク以上)には参加不可

戦闘依頼への単独参加は不可

正式冒険者の監督下での同行が推奨される

・昇格試験

├戦闘試験

├探索試験

└実地依頼試験


この三つのうち、任意の二種に合格すればFランクへ昇格可能です。

ただし、残る一種はEランク以上への昇格時に必要になります。


支援制度

訓練担当職員や上位冒険者による指導

簡易装備、治療薬の支給

安全区域での訓練機会

成績優秀者への推薦制度


仮登録者は正式冒険者ではありませんが、ギルド規律の遵守は必須です。

誠実さ、報告、協調性なども昇格判断に影響し、問題行動は即時登録破棄の対象になります。


■ 特例推薦昇格制度


この世界のギルドには、通常の試験や手続きを一部免除し、審査を経てランク昇格を認める

特例推薦昇格制度

があります。


これは恒常的な制度ではなく、あくまで例外措置として運用されるものです。


適用条件


以下のすべてを満たした者に限られます。


王家、軍、魔導院などの公的機関からの推薦があること

通常任務を超えた貢献が認められること

ギルド本部または地域支部の承認を受けること


推薦があっても、自動で昇格するわけではありません。

必ず審査があり、面談、実績提出、報告書の照合などが行われる場合もあります。

不正推薦や誇張報告が発覚した場合は処分対象になります。


原則として、F〜Cランク帯での昇格に用いられる制度ですが、Bランク以上になるとさらに厳しい審査が必要になります。


■ まとめ


蒼鷹の庵は、小規模ながらも人情味があり、若い冒険者たちの入り口として機能するギルドです。

一方で、現場には職員ごとの価値観の違いや偏見も存在しており、制度そのものよりも**「誰がそれをどう運用するか」**が大きな意味を持ちます。


また、仮登録制度やパーティー制度を見ると、この世界の冒険者という仕事が、

ただ危険な依頼をこなすだけのものではなく、

訓練、責任、信頼、生き残るための仕組みの上に成り立っていることも分かります。


本編を読む時にギルドの描写が出てきたら、

それが単なる背景ではなく、

キャラクターたちの立場や現実を映す場所でもある、と思ってもらえると見え方が変わるはずです。

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