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チートすぎる件について

 私はミロに案内されて魔道馬車に乗り込む。

 白い布で覆われた入口に進むと目の前の光景に絶句する。


 な、何だこれ?


 目の前にはホテルの一室の様な空間が広がっていた。

 奥にベットが設置してありその横にはサイドテーブル、その頭上の壁には大きなモニターが貼り付けてある。

 逆サイドには扉が付いていて中を覗くと現実世界にある様なオシュレット付き便座…これってトイレだ!


 えっ?これどうなってるの?


 『カスミ様、大丈夫でしょうか?』


 焦った様に私の顔を覗き込むミロに向かって叫ぶ


 「ってかこれ何?馬車じゃなくてキャンピングカーみたいじゃない?」


 私は興奮し捲し立てるように叫ぶとミロがニヤニヤしながら誇らしげに微笑む。


 『カスミ様、その通りでございます。

こちらの魔道馬車はキャンピングカー仕様となっておりまして、快適な旅を推奨されております。』


 「キャンピングカー仕様?これってどんどん設備が増えてく感じ?」

 

 『はい、ご明察通りでございます。

こちらの魔道馬車は走行距離によってレベルがアップしていきます。』


 それって凄いチートじゃない?

だって魔道馬車で旅をすればどんどんレベルアップするじゃん!


 「今は最低限の設置って事だよね?

いずれはキッチンとかお風呂とか設置できるんでしょ?」


 『はい、最終的には客室も設置できるようになりますので交通手段としてご使用も出来ます。』


 はい?客室??

動くホテルみたいな事?まぁ、その内理解できる様になるのかな…

もう私の頭脳は情報多々でパンク気味だわ


 ふとサイドテーブルに置いてあるタブレットに気がついて手に取る。

徐に電源ボタンを押すと現実世界の時にあった様なアプリが入っていた。


 「ねぇ、ミロ?このアプリって何?

Am◯zonみたいな通販サイトに見えるんだけど…」


私はタブレットを慣れた様に動かすと以前使っていたAm◯zonみたいに購入出来る商品が写真付きで表示される。


 今、購入出来そうなのはクロワッサンとメロンパンとカフェオレに水、塩と胡椒だな


 『はい、こちらは通販サイトに繋がりまして商品をご購入出来ます。

以前のカスミ様の貯金額が既にチャージされております。

47万円分のチャージ金額分の残金としてご使用出来ます。』


 はぁ?通販サイト??

やっぱりチートじゃん!!衣食住が既に手に入ってるし!

こうして異世界珍道中の旅が始まった。


 

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