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第十四話・2『因果応報な猛者を運ぶお仕事というわけではなかった』(後編)

私は魔族な男に向かっていき、ビートに合わせてラッシュを叩き込む。

魔族な男「っ!」

しかし魔族の男は大盾で防いでくる。

美久「にしても・・・」

あの魔族の男焼けてるような臭いがしてるけどアリッサさんの雷に耐えたって事なのかな・・・なんちゅうタフさだよ・・・

魔族な男「ぬおうらぁっ!!」

ドゴンッ!!

美久「あだっ!?」

突然大盾をフルスイングしてきて私はぶっ飛ばされた。

ルカ「っ!ミクさん!!」

魔族な女「よそ見をしている暇があるの?」

ベルナ「あーらそう言って補助する人を狙うってのはよくある手腕ね」

魔族な女「っ!」

ベルナさんが鞭を振るう。

風切り音と共にグラスハープの音色が鳴り響く。

美久「まだいけるよっ!ルカちゃん歌い続けてっ!」

ルカ「はいっ!」

私は鼓動のビートを高鳴らせながら魔族の男へと走ってく。

魔族な男「っ!」

大盾で防御してくるけど私は横へステップして籠手をハエたたきっぽい形に変形して背中に叩き込む。

バシイィッ!

魔族な男「うごおおぉっ!?」

おー効いてるっ!

前世の動画アニメに鞭のようなので肌に叩き込むと滅茶苦茶痛いってのがあったけどこんな感じなんだ・・・

美久「まだまだ行くよ!」

私は籠手と具足を交互にぶん回して攻撃していく。

******

ライオス「ぬぅ・・・」

魔族少女「ほーらほーらー」

ライオスさんが魔族の少女に接近しようにも相殺し合う弾丸と矢で近づけない。

デルタ「・・・しぶといガキだな」

魔族少女「れっきとした大人じゃいっ!」

ズダンッ!

魔族少女の油断を誘って喋らしてその隙にアリッサさんが雷を放っても

纏うように飛んでる矢が避雷針のように相殺していく。

魔族少女「もう、面倒くさいなぁー」

そう言って右手を上に向けたかと思うと大量の矢が舞い上がっていく。

ライオス「・・・!?」

アリッサ「まさかっ・・・!」

ヒュヒュヒュン・・・!!

そして何千本もの矢が一斉に降り注ぐ!

ビュオオオ!!

うあっ!いきなり突風!?

放たれた矢が風で全部逸れてった・・・!?

声「なんとか間に合ったってとこかなー」

その声まさか・・・!?

ルトゥニ「大抵の人は久しぶりねー」

ルトゥニが5メートルぐらいはありそうなドラゴンに変身してやって来た。

そんでその背中には前にシキガミを操って暴れさせてたローツとラーネが乗ってた。

ローツ「手助けしたいー?」

ラーネ「なら檻にいるディズロをちょうだい」

魔族な男「ぬうっ・・・!?」

魔族少女「新手ぇ・・・!?どうしよう・・・」

魔族な女「ッ・・・クソッタレ!!」

その言葉と共に魔族の女は懐からなんか取り出して地面に叩き割るとそこから煙が立ち込めた。

ライオス「煙玉!?」

アリッサ「しまったっ!」

全員煙で包まれて魔族の連中が見えなくなった。

魔族な男の声「チッ・・・」

魔族少女の声「どーすんのこれで失敗5回目だよぉっ!」

魔族な女の声「馬鹿っ声出すな!位置がバレるっ!」

******

煙が晴れた頃には、魔族の連中はいなくなってた。

アリッサ「逃がしたね・・・」

ベルナ「まぁ奪われなかっただけでも良しとしましょう」

ライオス「それもそうだな」

デルタ「それでお前は・・・」

デルタさんがピストルでルトゥニに狙いをすます。

声「あー待った待った、敵対すんのは」

その声と共にルトゥニの尻尾に近い背中からユージンさんが降りてきた。

ベルナ「あっユーちゃんっ?どう言うつもり?」

ユージン「実を言うと取引をしてたんだ、ディズロを渡す代わりに『ヴェンジャンス』氏の目的を見せてくれってね」

ルトゥニ「そゆこと、ちなみにローツ君とラーネちゃんは万一の為の付き添いね」

ユージン「それで・・・ヴェンジャンス氏の目的、君達も知りたいかい?」

・・・・・

ライオスさんは私達を呼んで私達だけで会話する。

ライオス「・・・どうする?」

美久「確かヴェンジャンスって人の目的って『報復を防ぐ』なんだっけ?」

ルカ「そう言ってたんですか・・・」

アリッサ「私はどちらでもいい、どうすんのライオス?」

ライオス「僕は知りたい、ミクとルカはどう?」

美久「・・・私は気になるからついてくよ」

ルカ「私も行きますっ」

アリッサ「満場一致ね」

ベルナ「じゃあたしも行こうかな、ユーちゃんの態度なら問題なさげだし」

デルタ「・・・俺も行こう」

美久「わぁっ立ち聞きしないで下さいよぉっ」


そして私達はドラゴンになってるルトゥニが馬車ごと掴んで運ばれてった。

******

馬車ごと降ろされた場所は古代遺跡の跡地だった。

ルトゥニ「はーい到着ー」

そしてルトゥニは地面の石畳の一部をグイッと持ち上げてどかすと地下へ降りる階段が現れた。

ライオス「こんな所があったのか・・・」

アリッサ「ヴェンジャンスって者はこの中に・・・?」

階段を下っていくと広い空間が広がっててその中心には大きな機械の装置が置かれてる。

そして何より目を引くのは黒髪のオールバックなおっさん・・・いやむしろおじさんって呼んだ方がいい感じの人だ・・・

おじさん「やぁ、よく来てくれ・・・」

ローツ&ラーネ「ヴェン様ー♪」

ローツとラーネが親戚のおじさんが来たようなリアクションで駆けてく。

おじさん「あちょっと、自己紹介してるのに・・・まぁいいけど」

ライオス「あんたが・・・ヴェンジャンスか」

ヴェン「そうだ、私がヴェンジャンスだ、まぁ長いし部下たちもヴェン様って呼んでるからヴェンって呼んでくれ」

ベルナ「それじゃあ《堕ちた英雄》を回収する理由について教えてくれる?」

ヴェン「まぁ聞くよりも見た方が早いからついてきなさい、実際ユージン君も見てみたいそうだし」

ユージン「まぁねぇ・・・」


ヴェンはくるっと回って歩き出したので私達もついて行ってしばらく歩くとその両脇には大きな球体がいくつもあった。

ライオス「これは一体・・・?」

アリッサ「でも・・・この中は・・・」

そう、その中には赤ちゃんが浮いて入っていた。

皆一様に安らかな表情をしていたり時には嬉しそうに微笑んでいる。

ヴェン「この子達は・・・皆かつての《堕ちた英雄》だよ」

大抵の人々「っ・・・!?」

ヴェンの言葉に私達は絶句し、言葉を失う。

ヴェン「この者は皆追放した者によって逆に失脚が目立ち、そして復讐をしようと企てた者達だ・・・だが私はそれを事前に察知し、こうして復讐を果たした夢を見続けて安らかに眠りにつかせているんだ、再び望みの地位や栄光を手に入れて森羅万象から喝采を浴びる夢を・・・寿命が尽きるまでね」

各々球体の前に向かって調べてみる・・・

ライオス「球体の前に刻まれてる名前・・・『ゴレグ・レドリック』!?別名【ヴェノマニアの蠅】って呼ばれてた悪徳領主じゃないか・・・!?」

アリッサ「こっちは『ピリナ・アルデ』・・・聖女って名乗ってたけど実際は魅了魔法で王族を誑かしてた女・・・別名【聖女に化けたサキュバス】ね・・・」

ベルナ「あらぁこっちは『ゴルフィス・ロギア』・・・不正に奴隷を買い漁る上にその血肉を食っていった性癖の奴だわ、別名【異質なるコンチータ】ね」

デルタ「『リュウナ・ルムア』・・・人間以外の種族を異常なまでに毛嫌いしていた女王じゃないか・・・!?噂ではダークエルフの姿にしたら発狂して自身の全身の皮を剥いだとか・・・」

私にゃよくわからんが大罪人が赤ちゃんになって夢を見てるって訳ねぇ・・・皆幸せそうに眠っていて時折きゃっきゃと笑ってる。

てかユージンさんは手元にモニターを出してるけど多分赤ちゃんになってる《堕ちた英雄》の記憶を覗いてるんだろうねぇ。

ユージン「うはぁ・・・こっちは・・・んーなんともチープな夢だこと・・・」

ヴェン「さて・・・ミク君、ユージン君、デルタ君、話をしたいからこっちへ」

美久「・・・?」

私達はヴェンに呼ばれてその球体から離れた位置へ来た。

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