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第十四話・1『因果応報な猛者を運ぶお仕事というわけではなかった』(前編)

ライオス「誘拐事件・・・!?」

それは数日後のある時に知らされた。

わざわざギルドマスターのフェンさんがその事を知らせてくれた。

フェン「あぁ、さらわれる者には共通点がある」

美久「共通点・・・?」

フェン「《堕ちた英雄》と呼ばれる者だ」

ライオス&アリッサ「・・・!?」

美久「・・・なにそれ?」

フェン「《堕ちた英雄》・・・前はかなりの実力を持っていたが突然その才能が枯れて悪事を働く者を指す・・・」

美久「才能が枯れる・・・それって?」

フェン「大抵がかつてのパーティーの荷物持ちがクビになった途端堕ちるらしい・・・まぁ他にもいろいろあるがな」

アリッサ「目撃証言は?」

フェン「最近現れた魔族の女がその《堕ちた英雄》を攫って行ったという情報がある」

ライオス「魔族の女・・・?まさかハティオか?」

フェン「女つったろ」

ライオス「あっそでした・・・」

フェン「でだ、おとり捜査としてこの町の牢に《堕ちた英雄》の『ディズロ・アスター』がいるんだがこいつを帝都へ輸送する、その護衛を頼みたい」

美久「デスロ・・・?」

ライオス「巨大なハンマーで戦果を上げてたけど仲間の魔道士を追放したら持てなくなって地位が陥落、報復の暗殺を仕掛けて逆に捕まったっていう人だね」

アリッサ「別名『虚飾のストレングス』ね」

フェン「まぁそんなとこだな」

美久「んでその護衛を私達にやらせると」

フェン「あぁ、それと万一に備えて他の者も呼んでる、そいつとも協力してくれ」

***

そして準備を済ませて私達はディズロを輸送してる馬車の前へと来た。

すんごい強固な馬車だなぁ・・・

?「久しぶりね、皆さん」

ライオス「っ!『ベルナ』さん!?」

美久「・・・どなた?」

アリッサ「帝都の中でもかなりの実力者よ、でもなんでベルナさんが?」

ベルナ「ユーちゃん・・・ユージンからの依頼なのよ、ディズロを帝都へ輸送するから護衛に加わってくれって」

ライオス「なるほどねぇ・・・」

そんなわけで馬車の中に入り、出発していった。


私は馬車の中の檻にいるディズロを見る。

グロッキーな表情で横たわって痩せ細ってる・・・

美久「この人が逆恨みで捕まった英雄の一人なんだね・・・」

ベルナ「そ、因果応報で捕まったって感じね、かつては筋肉も中々どうして立派だったのにねぇ」

美久「そんなに・・・そういやかつてでかいハンマーを振り回してたんだっけ」

そんな会話をしてると・・・

御者「っ!!」

シュバッ!!

突然御者の人が何かに気づき、大きくジャンプした。

ズダンズダンッ!

そんで両手からなんか放った・・・いやこれ銃弾!?

んでその銃弾で飛んできた矢を相殺してった・・・!?

ライオス「来たかっ!!」

ライオスさんの言葉と共に私達は馬車から出る。

アリッサ「敵の狙いはディズロの強奪・・・」

ベルナ「ならここで叩くまでね」

そういいつつ戦闘態勢をとる。

てか今の撃ったのって・・・

私がそう思ってると御者の人は深々と被ってる帽子を取ってマントを脱ぎ捨てた。

美久「やっぱし今の銃撃はデルタさんだったの!」

デルタ「話は後だ」

ヒュヒュヒュンッ!!

矢がどんどん飛んでくるがデルタさんがピストルで撃っていって撃ち落としてく。

てかやっぱしポーズとったりジャンプしたりしてるなぁ、なんでそんな事を・・・

そして矢が無くなったのかシンと静まった。

ルカ「矢が来なくなった?」

アリッサ「ミク、ビートを刻んで」

美久「あっうん」

私は鼓動のビートを大きく鳴らした。

アリッサさんが杖を上に掲げ、私の鼓動のビートに会わせてくるくるっと回して地面に叩きつけると心地よいハープの和音が響き渡る・・・

アリッサさんが杖で大きな茂みに方向を指し示すとデルタさんもピストルで狙いをつけるように構えた。

アリッサ「3拍後に放つわよ」

デルタ「・・・」

デルタさんは頷いて狙いを定めてる。

そして3拍後・・・

ピシャアァン!!

アリッサさんが杖を上に掲げてそこからハープの和音が鳴り響いて雷が降り注ぐ。

ドドドドドドド・・・

するとでっかい盾がすんごい足音を鳴らしながら突進してきた。

デルタさんが盾に向けて乱射をするが盾はビクともせずに突き進む。

美久「あれが親玉!?」

アリッサ「みたいね」

そして盾は止まらず馬車へ突っ込んでくる。

ベルナ「イノシシみたいに突っ込まなくてもいいでしょ」

そう言いながらベルナさんが鞭っぽいのを取り出して構える。

ビュンッ!!

ベルナさんが鞭を振るって盾に巻き付けて右へ引っ張ると盾が止まった。

声「オアラァッ!!」

盾から声がして逆らうように鞭ごと引っ張られるがベルナさんはひょいっと巻き付けるのを止めて鞭を手放し、そしてその顔があらわになる。

5本も頭に角が生えたムキムキの男性が出てきた。

ライオス「新手の魔族か・・・」

魔族な男「・・・『虚飾のストレングス』をよこせ」

ベルナ「なんで?」

魔族な男「教えん!!」

その言葉と共に盾の端っこを持ってぶん回してきた。

ベルナ「んもう教えてくれたっていーじゃないのー」

ベルナさんは余裕そうに鞭でいなしてく。

アリッサ「もう一人いるって事は分かってるのよ」

声「ちぇっ、ばれちゃあ仕方ないね」

そう言いながら大きい蝙蝠の翼をはためかせながら魔族の女の子が現れた。

年齢的に10代前半かも、にしてもでっかい翼だぁ・・・

魔族少女「上からどーしてもって頼まれてるのよ、大人しく渡してくれる?」

ライオス「理由を聞いてその結果で決める、もっとも僕達の一存ではどうにもならないけど」

魔族少女「んじゃだめですな、教えられない理由だから」

そう言って手にしてる矢を浮かばせていくと思ったらその矢が何百本も分裂していった・・・!?

美久「多っ!?」

魔族少女「つべこべ言わずによこしんしゃいっ!!」

シュババババババババババッ!!

そしてライオスさんとアリッサさんの方に矢が雨のように降って来たがデルタさんは慌てず騒がずピストルで矢を打ち落としていった。

魔族少女「うぅー!あたしと似たようなスキル使ってー!!」

魔族な女「まぁ落ち着きなさい」

美久「っ!?」

あの時の魔族の女性がいつの間にか上空で浮かんでる・・・!?

魔族な男「二人だけで充分だと言ったはずだ!」

魔族少女「そーだそーだー!」

魔族な女「万一に備えろと上の命令なの」

美久「上の・・・?」

魔族な女「まぁいい、《堕ちた英雄》、渡してもらおう!!」

そう言って大剣を構える。

美久「やるしかない・・・!」

私は拳を握りしめ、戦闘態勢をとって鼓動のビートを高鳴らせていく。

ベルナ「へぇーそれがミクちゃんのスキルなのね、ルカちゃんと一緒にあの魔族のおっさんとアマをぶっ飛ばしましょ!」

デルタ「ライオス、アリッサ、俺らであのガキを相手するぞ」

美久「OK!!」

ルカ「はいっ・・・♪~♬~♩~」

ライオス「了解した!」

アリッサ「分かったわ」

魔族な男「誰がおっさんだっ!」

魔族な女「アマって言うなっ!」

魔族少女「ガキじゃないやい!」

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