第九話『新しいメンバーは歌って能力を強化する 即ち追放ものあるあるな方です』
翌朝、私達は宿を出てギルドに到着し、中に入ったけどなんか雰囲気が違う・・・?
アリッサ「・・・なんだか騒がしいわね」
ライオス「そうだね、何かあったのかな・・・」
私達はギルドのカウンターに向かう。
受付嬢「あっライオスさん、アリッサさん、それとミクさん、実はライオスさん達にお願いがありまして・・・」
ライオス「なんだい?」
受付嬢「ほらこっちから出て・・・」
受付嬢がカウンター内部でなにかやりとりして一女性が姿を現した。
といっても背が低く、私は大体165センチぐらいで彼女は150センチぐらいはあって赤髪のポニーテールで白いポンチョを纏ってる。
余談だけどアリッサさんは170センチでライオスさんは185センチぐらい。
美久「えっと・・・どちら様ですか?」
受付嬢「この方は『ルカ』さんでして、彼女は冒険者なんですが・・・」
アリッサ「何か問題でも?」
受付嬢「彼女はやや西の町の『アメルト』で冒険者として活動してたのですが1カ月前にパーティを追放されたそうでして・・・」
ライオス「それで僕達を頼った理由は?」
受付嬢「彼女のスキルなんですが『バード』というスキルでして彼女の歌声を聴くと能力が向上するんです」
美久「歌・・・!?」
ライオス「それはまた聞いたことないスキルだね」
受付嬢「それでここからが本題なのですが・・・あなた達のパーティに彼女を加えて欲しいんです」
アリッサ「パーティって・・・私達の?」
受付嬢「はい、美久さんの『ビート』のスキルは音が関係してますし、もしかしたら彼女のスキルは良い相乗効果をもたらすかと」
ライオス「なるほど・・・確かにその発想は良いかもしれないね」
アリッサ「そうね、まずは数回クエストを受けてから判断しましょ」
受付嬢「わかりました、それではルカさん」
ルカ「はい!皆さんよろしくお願いしましゅっ!」
美久「よろしくね、えっと・・・年齢いくつ?私は23歳だけど・・・」
ルカ「私は21です、よろしくお願いします」
アリッサ「ミクって23歳だったの・・・?私は25だけども・・・」
ライオス「そうだったんだ・・・僕は26歳だよ」
ルカ「皆さん、年上だったんですね・・・」
美久「んじゃまぁルカちゃんって呼んでもいい?」
ルカ「はい!大丈夫です、私も皆様のことをさん付けで呼びますね」
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私達はクエストボードに来た。
ライオス「さてと・・・ルカの技量を測るならどの依頼を受けようか・・・」
美久「んー・・・これとかどう?『グリーンウルフ討伐』!」
アリッサ「そうね、これならルカのスキルを試せれそうね」
ライオス「よし、この依頼を受けよう」
そうして私達はクエストの申請を受付嬢に出してグリーンウルフが生息する森に向かった。
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グリーンウルフが生息する森にやってきた私達は私のスキルについて説明してた。
ルカ「えっと・・・ミクさんの『鼓動のビート』と言うので敵の攻撃の動きがビートのテンポに動いていってビートに合わせて動くと攻撃力が上がっていくと・・・」
美久「そゆこと、まぁ実際にやってみないとわかんないと思うからその時がきたらよろしくね」
ルカ「はいっ!頑張ります!」
アリッサ「さて・・・」
アリッサさんが杖をクルッと回し、地面にトンと軽く叩いた。
アリッサ「ここから右に5体、どうやらボーンラビットの死体を食い荒らしてるようね」
ライオス「油断せず行こう」
美久「りょーかい」
ルカ「はいっ!」
私達は周囲を警戒しながら進んでいくと・・・
ガサガサッ!!
ライオス「・・・っ!来るぞ!」
美久「ルカちゃん見ててっ!ライオスさん!なるべく攻撃を避けて行きましょ!」
ルカにそう言って私は籠手とバックガードのリギッドメタルを変形させて盾っぽくして鼓動のビートを響かせる。
ルカ「わぁ・・・!」
ガサガサッ!!
グリーンウルフ「ガルァッ!!」
現れたグリーンウルフは私に飛び掛かってくるけど私は盾を構え、攻撃を弾き返すとシンセの和音が鳴り響いた。
そうして私とライオスさんは防戦一方になりながらグリーンウルフの攻撃をかわしていく。
ルカ「・・・♩~♪~♬~・・・」
ルカちゃんがビートのベース音に合わせるように歌い始めた。
美久「おぉー!?力が・・・!!」
ルカちゃんの歌声が私達の身体に染み渡り、力が溢れていく感覚がする。
ライオス「なるほど・・・これが君のスキルかっ!」
私は籠手を変形して剣状に変え、グリーンウルフを斬りつける。
美久「ていっ!はっ!やぁっ!」
ルカ「~♪~♬・・・♪~」
アリッサ「なんだか良い感じね」
ライオス「・・・よしっ!これで決めるよ!!」
そう言って私達はグリーンウルフに攻撃を仕掛けていき、あっという間ってほどじゃ無いけどグリーンウルフを倒した。
美久「ふぅっ・・・凄いねルカちゃんっ!」
ルカ「はいっ!ありがとうございます!」
ライオス「いやぁっ!ミクのビートに合わせて戦うのも相変わらず良いけどルカの歌声が合わさって更に良い感じになったよ!」
アリッサ「そうね、これは良いパーティになりそうね」
ルカ「えへ・・・なんだか照れます・・・」
美久「んじゃまぁクエストも終わったし帰ろっか」
そうして私達はギルドに帰った。
受付嬢「あっお帰りなさい!グリーンウルフの肉は納品して貰いますね!」
美久「はーい」
そうしてルカちゃんとの戦いの指導が続いていく日々が続いていった。
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そしてルカちゃんがクエストを受けるようになってから1週間が経過していたある日のこと・・・
ライオス「『アメルト』で突然変異のモンスターが現れた・・・?」
受付嬢「はい、規模はそんなに大きくはないのですが念には念を入れてということで・・・」
美久「アメルトってルカちゃんの前のパーティを追い出されたのがいるんだよね・・・?」
ルカ「はい・・・ですが私はもう気にしてないんですけど・・・」
ライオス「まぁ行くだけ行ってみよう、それにアメルトなら行ったことあるし」
アリッサ「そうね、それじゃ早速行きましょうか」
そうして私達はアメルトに向かった。