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SS 返り討ちのロブント

 ※推奨読了話数164話くらいです。


 Q.ロブントってだれ?

 A.アンデッドの大陸にある廃村で、屋根の上からジンに矢を放って不意打ちをしたが、指の間で矢を挟んで受け止められた。そしてその後トーンの下敷きになって捕まり、情報を抜かれてトーンに生命力を吸われて倒された人物。


 俺の名はロブント。ゼーテス王国カラスス支部の、Bランク冒険者だ。


 役割は斥候をしており、それなりの実力を持っている。


 だがBランクの中では、下の方だろう。長年冒険者を続けて、何とかBランクになった感じだ。


 才能があれば二十代、下手をすれば十代でBランクという者もいる。今年で三十四歳の俺の才能は、中途半端と言わざるを得ない。


 もちろんBランクになれただけで、才能はある方だろう。だが、上を見ればきりがない。


 最近それを、間近に感じる出来事があったばっかりだ。このアンデッドが溢れる大陸を国の依頼で調査に来たが、才能ある若者が思ったよりも多かったのである。


 それと珍しいことに、この大陸では無数の小規模国境門があり、いくつもの大陸と繋がっているようだった。


 狙いは当然、この大陸から領土を奪うための情報収集や、お宝の奪取だろう。


 つまり俺たちとは、競争相手になる。いや、敵と言っても過言ではない。油断すれば、やられるだろう。


 だから見つければ、こちらから先手を打った方がいい。


 するとそんな時だった。俺は斥候として先行し、廃村の一つへと様子見に来ると、とある人物を見つける。


 そいつはモンスターを従えていることから、テイマーかサモナーだと思われた。


 こいつはついている。どちらにしても、本人が弱点であることには変わりない。そして俺は斥候であり、気配を断つのに長けている。


 何より今は俺一人だし、戦利品は独り占めできるというのもあった。


 故に俺は迷うことなく、屋根の上から矢を放ったのである。


 は? 嘘だろ?


 だが驚くことに、そいつは矢を指の間に挟んで難なく受け止めた。あり得ない。化け物かよ。


 しかしそう思った直後だった。俺は真上から何かに押しつぶされて、意識を失ってしまう。


 次に目が覚めた場所は、どこかの建物の中だった。椅子に座らされており、縛られている。最悪の状況だった。


 どうにかして、逃げ出さなければいけない。このままだと、用が済めば殺される可能性が高かった。


 しかし幸い相手は俺から情報を得たいみたいであり、チャンスはある。


 また質問だけで拷問されもしなかったので、もしかしたらこいつは甘いやつなのかもしれない。


 なので俺は質問に対して嘘を交えながら、脱出の機会をうかがう。逆にこちらからも質問をしてみるが、これには失敗してしまった。質問をするのは、やめた方がいいだろう。


 それからもいくつか質問をされるが、途中からはほとんどデタラメを吐いた。だが不思議なことに、こいつは俺を疑う様子がない。


 どうにも不気味だ。嫌な予感がする。


 するとその予感は、最悪なことに的中してしまう。質問が終わったと思った直後、俺の背後に何かが現れる。


 そして体に木の根のようなものが、絡みついてきた。


 まずいまずいまずいまずい!!


 必死に暴れて抜け出そうとするが、どうにもならない。体から、何かが奪われていく。


「ひぃ!? くそがっ! やっぱりこうなるのかよ!」


 この大陸で誰かに捕まれば、命はない。それは分かっていた。分かっていたのに、自分なら助かるかもしれないと、そう安易に考えていた。


 しかし現実は非情にも、俺の命を簡単に奪っていく。


 ああ、こんな調査依頼、受けるんじゃなかった……。


 そうして俺の命は、その場で尽きるのだった。


 記念SSは、以上になります。

 何も問題が無ければ、明日から第十二章の連載をスタートします。


 また新作も同じ時間に公開予定なので、よろしければそちらもご覧ください。


 <m(__)m>

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