SS 第四回ネームド会議
※推奨読了話数156話くらいです。
※このSSにはメタ発言、多少のネタバレがあります。
また実際の本編では、この会議は行われていません。
もしも名付けたモンスターたちが会議をしていたら? というお遊びになります。
レフの名前はレフ! この作品のヒロインよ! 今回は連続して、この会議を開くわ! そして今回のメンバーは、少し違うわよ!
まずはようやく進化したことで、今後出番が出てきそうなサンよ! サン・デビルズサーヴァントに進化したの!
「ようやく、ようやく出番が来そうです。でも、僕の性別は、まだ謎のままですね」
骨になっちゃったから、少し怖くなったわ。でも心は、前と変わらない感じよ!
次に紹介するのは、新メンバーのトーンよ! トーンはトレントなの!
「……よろしく」
なんか口数が少なそうな感じね。ここだと喋れるはずなのに、もったいないわ。けど、そういう性格じゃ、仕方がないわね。
さて、次のやつは正直紹介したくないんだけど、一応しておくわ。アロマラビットのアロマよ。どういうわけか、ホーンラビットたちが融合して、一羽になったの。
「どうも皆さま。この度はお呼びいただきありがとうございます。アロマでございます」
あざといっ、あざといわ! 清楚系で売っていくつもりね!
するとそんな時だった。まだ紹介していないのに、そいつが割り込んでくる。
「ガァ。あーしはアンク。もう紹介終わったから、帰ってもいい?」
「だ、ダメに決まっているでしょ!」
「ぴえん」
こいつは最近名前を与えられた、新顔のアンクよ。種族はアサシンクロウね。どうしてか言葉遣いがおかしいやつよ。なんか、次の第五章からそれが加速しそうな予感がするわ!
「今回は、ホブンさんやジョンさんはいないんですね。特にホブンさんがいないわけですし、ぼ、僕がしっかりしないと……」
このメンバーを見て、何故かサンが決意した感じにそう言っていたわ。
なによもうっ! ホブンがいなくたって、大丈夫よ!
「何だかこういうの新鮮ですね。主様のネームド配下内の、女子会というやつですね」
「えっ、僕性別はまだ――」
「そうね。今回は女子会だし、女子っぽいことを話しましょう!」
「ガァ。それなら楽しそうだし、あーしも少しは残るぅ」
サンが何か言いかけたけど、どうでもいいわね。これまでホブン、ジョン、グインとオスばかりだったから、これはこれで楽しそうだわ!
「……自分も、性別は、たぶん、まだ、無」
「あ、トーンさんもそうなんですね! じゃあ性別不詳同士、仲良くしましょう!」
「……是」
あら、どうやらサンとトーンは、二体だけで離れて行ってしまったわ。まあ、仕方がないわね。
「女子会といえば、やっぱり恋バナよね! レフはもちろん、主のことが大好きよ! ふふんっ」
「私も、主様のことをお慕いしております。主様が傷ついたら、癒してあげたいです」
「ガァ。あーしは、まだわかんない。でも、ちょっかい出したくなるんだよね」
むむむ。これはライバルの出現だわ! この作品のヒロインはレフなのよ! でも、ヒロインにはライバルは必要ね!
「主様は、私の丸い尻尾やお耳を触るのがお気に入りのようです。また一羽になってしまったので、私のことを抱きしめながら眠ってくださいます。主様のお布団になるのもよかったですが、こちらの方がより、幸せな気持ちになりますね」
「ガァ。あーしも、羽毛布団ならできるかもぉ?」
ななっ、抱きしめられながら眠るですって! うらやまっ……ふ、ふんっ! れ、レフは唯一無二の枕だもんっ! 負けていないわ!
けど、アロマは要注意ね! ぱっと見清楚系だけど、腹黒いに決まっているわ!
「ふふんっ、レフだって、お腹を枕にしてもらっているもん! それに主が寝返りをした時に、お腹を直で吸ってくれる時だってあるもん! 位置調整をして、なんとかチク――」
「それ以上ハ、いけなイ!」
「あ、ホブンじゃない。どうしたの?」
すると今回は、呼んでもいないはずのホブンが来たわ。
「やはリ俺がいなけれバ、大変なことニなるようダ。これからハ、必ず来るようにしよウ」
「な、なによもう! ホブンがいなくても、大丈夫だってばぁ!」
「……信用できヌ」
「ひ、ひどい!」
別に大変なことになんて、なっていなかったじゃない! ただ女子会をしていただけよ!
「えっと、私もホブンさんがいた方がいいと思います。レフさんは、少々はしたないかと……」
「あーしも、ちょっとドン引きー。エッチなのはダメ! 死刑!」
「なぁ!? れ、レフは別にエッチじゃないわよ! ちょっとセクシーキャットなだけよ!」
なによもうみんなして! 本当は、うらやましいだけでしょ! レフは知っているんだからね!
「俺ハ別ニ、うらやましくハないガ……」
「心を読まないでよ! それにホブンがうらやましがっていたら、それこそドン引きだわ!」
むむむ、何だか旗色が悪いわね。ここは一度、流れを変えた方がいいかも。
「へぇ。トーンさんの樹液って、主さんやフェアリーさんに人気なんですね! 僕も舐めてみたいけど、今は骨なのが残念です」
「……それは、とても、残念」
するとサンの方は、トーンとの会話が盛り上がっているみたいだったわ。なによもう、サンは当初自分がしっかりしなきゃとか言っていたくせに、こっちのことは放置しているじゃない!
でももういいわ! どの道、レフの出番が一番多いもんね!
「そうモ、言っていられないゾ。次章からハ、我々配下たちそれぞれニ、出番があるからナ。それモ、かなり長い間ダ。レフノ天下モ、終わりが近イだろウ」
「ええっ!? そ、そんなぁ!?」
で、でもでも、レフがメインヒロインなのは、変わらないわ! ま、負けないわよ!
「そしテ、もう時間ダ。皆の者、さらばダ」
「え? もうそんな時間? みんなまたね! ばいばい!」