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369 目覚め

 お待たせしました。

 第十一章の連載を開始いたします。


 目が覚めると、俺はベッドに寝かされていた。どうやらここは、城のダンジョンで過ごしていた客室のようである。


 すると目覚めるのと同時に、脳内にアナウンスが流れてきた。



 『転移者を十二名殺害したことにより、600ポイント獲得しました』

『神授スキル【二重取り】が発動しました。追加で600ポイント獲得します』



 まず聞こえてきたのは、俺が眠っている間に配下たちが倒した転移者のポイントのようである。


 十二名とは驚きだが、おそらく数百年眠ってたらもっと多かったと思うので、その点には安心した。


 おそらく眠っていた期間は、数年程度で済んでいるような気がする。


 ちなみに森羅万象の天敵の称号効果により、もらえたポイントは転移者一人あたり、50ポイントになっていた。これまで二倍だったものが、五倍になった形である。


 また所持ポイントは、これで2,590から3,790へと激増した。もはやどのようにして消費をするべきなのか、別の意味で悩みそうな量である。


 そしてアナウンスはこれだけではなく、続けて脳内に響いてきた。



『転移者初の信者数十万人を達成いたしました。称号【神聖なる存在】を獲得します』

『神授スキル【二重取り】が発動しました。称号【神聖なる存在】を獲得します』

『称号が複数重複しているため、称号が統合されました。称号【神聖なる存在】は、称号【神域の存在+】に進化しました』



 どうやらこれが眠っている間に達成したという、信者数十万人についてのアナウンスのようである。


 また十万人達成時の称号が、すでに持っている神聖なる存在だったみたいだ。


 確か神聖なる存在には『あなたは×××へと近づき、条件の一つを満たした』という項目があったはずである。おそらくこの×××は、神候補のことだったのだろう。


 俺の場合二重取りで先取りする形になったが、本来はこの十万人達成の時に得るのが通常の方法だったみたいである。


 加えて俺は、既に神聖なる存在を所持していた。それにより二重取りで三つ集まった結果、【神域の存在+】になったようだ。これはかなり、強力な称号のような気がする。


 俺はその効果が気になったが、アナウンスが待ってくれるはずもなく、次の内容を知らせてきた。



『神候補の条件を満たしました。称号【神候補】を獲得します』

『神授スキル【二重取り】が発動――エラー。この称号には発動できません』



 すると初めて二重取りが発動されなかったことに、俺は驚く。だが【神候補】というのは、それだけ特別なものなのだろう。


 神候補になったら別の場所に行く必要があるみたいなので、二重取りの重複進化は流石に適用されないみたいである。


 もし重複進化していたら、それこそ候補が外れて【神】になっていたかもしれない。


 なのでこの部分については、仕方がないと納得することにした。


 そしてこれにてアナウンスは終了のようであり、追加で何か聞こえてくることは無い。


 なのでとりあえず俺は、まずベッドから上半身を起こす。するとベッドの上に、見たことのある白い球体が一つあった。


 これは以前ブラッドが消滅した時に手に入れたことのある、神授石だよな? もしかしてこれが、創造神が最後に言っていた授けてくれた恩恵なのかもしれない。


 俺はそう思いながら白い球体、神授石を手に取った。その瞬間また二重取りが発動して、球体が二つに増える。


「おおっ」


 これには思わず、俺も声が出た。ブラッドの時の物は二重取りが発動しなかったが、今回は授けると言われていただけに二重取りの条件を満たしていたようである。


 加えて仮にこの神授石を使用すれば、そのときにも二重取りが発動したはずだ。


 だとすれば実質、四回神授スキルを強化することができる。これは、かなりありがたい物だ。


 一回目のときも願いに沿った強化がされたので、使用する前に色々と考える必要があるだろう。


 なので俺は、この二つの神授石を一旦ストレージへと収納した。


 そして次に気になっていた称号の効果を、確認し始める。



 名称:神域の存在+

 効果

 ・神名を得た状態であれば、以下の効果が発動する。

【光癒聖神神滅属性適性】【光聖属性無効】

【神属性耐性(中)】【神滅属性耐性(小)】

【神力生成(中)】【創神力生成(微)】

【神属性スキル習得】【神の威光】

【魔力自動回復(大)】【消費魔力減少(大)】

【スキル取得補正(大)】

【スキル容量コスト減少(大)】 

・神名を得た状態であれば、信者に対して以下の効果を得る。

【信仰スキル『サーヴァントカード』付与】

【信仰スキルの徴収・抹消・封印】

【信者鑑定】【心の声】【神託】【天罰】

【加護付与】【カード付与・徴収・抹消・封印】

 ・信者の数と捧げられる信仰により、神力の自然回復量と上限が上昇する。



 称号にしては、かなりの情報量だった。加えてその内容は、相当なものである。


 創神力が(微)とはいえ、生成できるようになり、神属性スキルも習得できるみたいだった。


 詳しいことはまだ分からないが、これが凄いことなのは間違いないだろう。


 また地味に光聖属性無効も、勇者や聖女と戦う場合には、無類の強さを発揮すると思われる。


 他にも気になる部分はあるが、あとは信者に加護が付与できるようになったり、信仰スキルとは別でカードも与えられるようになったみたいだ。


 これまではカードを渡す際には、ある程度秘密を話す必要があった。しかしこれによって、対象が信者であればそうした手間はいらなくなる。これはこれで、ありがたい。


 そう思いながら、次に神候補の称号効果を確認してみた。



 名称:神候補

 効果

 ・神候補の権利を得る。

 ・その魂は保護されており、あらゆる魂への干渉を無効化する。

 ・創造神ルートディアスとのコンタクトを可能にする。



 神域の存在+と比べたらシンプルな内容だが、転移者にとってこの称号が、一つの到達点であることは間違いない。


 称号を得たときに転移者初という部分が無かった事から、条件を満たせば他の者も獲得できるのだろう。


 また俺よりも先にこの称号を得たものがいたとは、考えづらい。確か創造神が、転移者の中で初めて神候補の条件を満たしたと、直接言っていたからだ。


 故にこの称号は、元々そうした称号なのだろう。初の獲得者でも、それは変わらないみたいだ。


 俺はそう思いながらも、次に効果について意識を向ける。


 そしておそらくこの魂の干渉を無効化するは、たぶん真の効果を使ったカード召喚術でも、問答無用で無効化される気がする。


 だとしたら、魂へ干渉するタイプの神授スキルを所持した転移者と戦う場合には、とても相性が良いだろう。この効果だけでも、当たりだと言える。


 ただ無効化の対象は全てとは書かれていないので、もしかしたら神滅属性とかであれば、魂を消滅させることも可能かもしれない。


 今後神滅属性を使用する転移者とも遭遇するかもしれないし、その点には注意しようと思う。


 あとは創造神ルートディアスとのコンタクトを可能にするについてだが、これは無暗(むやみ)に使わない方がいいだろう。


 使うとすれば、全ての属性の魔王を倒した後になる気がする。少なくとも、俺からコンタクトを取るのは控えることにしよう。


 そして俺は最後に、一度自分のステータスを確認することにした。するとそこで、俺はある変化を目にすることになる。


____________________


 名称:ジン

 神名:召喚と混沌の神【ジンジフレ】

 種族:デミゴッド

 年齢:20

 性別:男

 種族特性

【状態異常耐性(特大)】【属性耐性(特大)】

【身体能力上昇(特大)】【魔力上昇(特大)】

【全属性適性】【全装備適性】【全種族特攻】

【再生】【病気無効】


 神授スキル

【二重取り】【カード召喚術】 


 エクストラ

【ストレージ】【鑑定】

【言語理解】【偽装】【直感】


 スキル

【超級生活魔法】【カオスアーマー】

【軍団行動】【軍団指揮】【超級鑑定妨害】

【全感共有】【以心伝心+】【召喚転移】

【自然魔力回復速度上昇(大)】

【精神耐性(中】【生命感知】

【セイントカノン】【魔法制御】

【消費魔力減少(中)】【魔封じ耐性(中)】

【魔力操作上昇(中)】【絶隠密】


 称号

【神授滅師】【森羅万象の天敵】

【真の効果の名手】【神滅属性の名手】

【神域の存在+】【神候補】


 ポイント:3,790


____________________


「んんん? 召喚と混沌の神(・・・・・・・)、ジンジフレ? 」


 どうやら眠っている間に、俺の神名に謎の名称が足されたようだった。


 召喚はまだ分かる。けど、混沌って何だ? 闇冥属性を使うからか? それとも、カオスアーマーが原因か?


 何となく、というかたぶん間違いなく、信者とかが関係している気がする。だとすればこれについては、後で分かるかもしれない。


 それと今更だが、神候補になる前でも、普通に神名を名付ける事ができたんだよな。その点が少し引っ掛かる。


 だがもしかしたら神候補の先にあるものと、この世界での神はまた別ものなのかもしれない。


 まあこれについても、いつか分かると思われる。今は気にしても、仕方がないだろう。


 それよりも、俺の年齢が15歳から20歳に変わっている事の方が、重要だ。つまり俺が眠っていた期間が、これでおよそ五年という事が判明した。


 数ヶ月ほどの誤差はあるかもしれないが、単純に五年ほどなのは間違いない。


 当初は数百年眠っている事も覚悟していたが、これは嬉しい誤算である。


 すると俺がこうして、ステータスを確認している時だった。何かが高速で近づいてくると、部屋のドアを破壊して入ってくる。


「にゃぁあん!」

「おお、レフ!」


 俺にそう鳴きながら飛びついてきたのは、相棒的な存在である、レフだった。当然俺は飛び込んでくるレフを受け止めて、抱きかかえる。


 またその後に続いて、ぞろぞろと配下たちが集まってくるのだった。


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インフレがすごい! こっからどうなるのか楽しみです
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