表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

384/469

SS ボーボス・ノキン

※推奨読了話数136話までくらい。


Q.ボーボス・ノキンって誰?

A.ダークエルフであり、Cランクパーティ破壊の拳のリーダー。拳で戦う能筋の戦士。コボルト集落の殲滅依頼では、全体のリーダーをしていた。

 ボーボス・ノキンは、筋骨隆々で巨漢のダークエルフである。破壊の拳というCランクパーティのリーダーでもあり、Bランクも間近とも噂されていた。


 粗暴な雰囲気を纏わせているが、意外と面倒見がいい。周囲の低ランク冒険者たちからの、信頼も厚かった。


 故にコボルト殲滅の依頼では、他の冒険者たちを率いる役目となる。結果として依頼は無事に終わり、コボルトを殲滅できた。


 その中でボーボスは、ジンというDランク冒険者に注目をしていたのである。どうやらサモナーのようであり、ジン自身の腕も確かだった。


 今はDランクだが、今後確実に上へと駆け上がっていく。それを予感したボーボスは、依頼が終わった後で声をかけようと考えていたのである。


 また破壊の拳はBランクに上がるのは目前だが、メンバーの補充もしたかったからだ。


 冒険者パーティは通常四人前後が一般的だが、六人というところも結構な数が存在している。特に高ランクになると、四人から六人へと増やすパーティも珍しくはない。


 Bランクに上がれば報酬も一気に増えるので、六人でも十分やっていけるからだ。むしろ人数が増えても、一人当たりの報酬は多くなる。


 またAランクに上がるには、人数が多い方がなにかと有利だった。少人数でAランクに上がれるのは、本当の天才や天運に恵まれた者たちだけである。


 なので例え才能に恵まれていても、ほとんどの者は上がれてもBランクまでだった。


 ボーボスも初めの頃は自分の才能に自信を持っていたが、ここまで冒険者を続けると嫌でもわかる。このままでは、Bランクで終わってしまうと。そう、考えていたのだ。


 故に才能に溢れる若者であるジンに、目をつけたのは当然の流れだった。


 またボーボスは、Aランクになることを夢見ている。なので率いるパーティに、新たな風を巻き起こす若き才能を探していたのだ。


 けれどもそんな時に限って、事件が起きてそれもうやむやになる。独立と戦争の空気、そして、ボンバーという襲撃者の存在。


 もはやAランクを目指す云々(うんぬん)の話では、無くなってしまった。


 だが幸いにもその襲撃者であるボンバーは倒されて、ボーボスも無事に生き残る。けれども、多くの上位冒険者たちが殺されてしまった。


 AランクとBランクを狙い撃ちにされていたことから、最初からそのつもりだったことが伺える。ボーボスはCランクであったために、難を逃れたのだ。


 その結果として、奇しくもこのラクールで上位のパーティになってしまう。またギルドマスターによって、その直後にBランクパーティへのランクアップ、昇級することをお願いされた。


 ランクアップ間近だったとはいえ、まだ微妙に貢献度が足りなかったのにもかかわらずである。


 どうやらギルドマスターが、アレコレ手を回したようだった。昇格試験も、同様に合格していた事になっていたのである。


 ちなみに冒険者ギルドは創造神の手によって誕生した組織とされているので、実はギルドマスターとしても危ない橋を渡っていた。


 下手をすれば、天罰で消滅していた可能性もあったのである。過去に不正をしたギルドマスターが、何人もこれで消滅していた。


 しかし上位冒険者が軒並み殺されてしまった現状、Bランクの補充は必要不可欠だったのである。


 Bランク以上の冒険者でしか、頼めない依頼というものが存在していたからだ。また人々を少しでも、安心させるためというのもある。


 人望と実力のあるボーボスが昇級すれば、それは低ランクの冒険者たちの希望にもなるだろう。


 そうギルドマスターは、考えていたのだ。なのでボーボスに対して、頭を下げてお願いしたのである。


 結果ボーボスはそれを見て、複雑な感情を胸にしながらも、昇格することを受け入れた。そうして破壊の拳は、Bランクパーティになったのである。


 だがBランクパーティになったことで、破壊の拳の忙しさは目が回る程になってしまった。余りにも忙しすぎて、ジンに声をかける余裕すらも無くなってしまう。


 故にボーボスはこの忙しさに対して、心の中で後悔をするのだった。安易に、ランクアップを受け入れるんじゃなかったと。


 しかし悪いことばかりではなく、そんなボーボスを見て憧れる者たちが増えていった。そして才能あふれる若者たちが、何人もボーボスの元に集まることになる。


 気がつけば、Aランクも夢では無くなっていた。あとは、ボーボス自身が実力を付けるだけである。


 だがそれも、ボンバーの襲撃を乗り越えたことで、ある意味肝が据わり成長していた。自分の才能を分かっていたようで、ボーボス自身もそれを分かっていなかったのだ。


 結果としてボーボスは、ここから更に強く成長していくことになる。そしてその頃にはジンのことなど、記憶から抜け落ちてしまう。一度共同の依頼を共にしただけなので、それも仕方がなかった。


 それよりも今は忙しく、ある意味とても充実している。目標に向かって走り続けるボーボスの明日は、おそらく明るい。


 ボーボス・ノキンは、筋骨隆々で巨漢のダークエルフである。


 破壊の拳というBランクパーティのリーダーでもあり、Aランクも夢ではないと、そう噂されている人物だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ