SS セヴァンの追想
※推奨読了話数069話までくらい。
Q.セヴァンって誰?
A.ハパンナ子爵に仕えている執事。ジンがハパンナダンジョンを攻略した時の転移陣で移動した先で、最初に出会った初老の男性。
私の名前はセヴァン。旦那様であるハパンナ子爵の元で、執事をしております。
と言いましても、半ば引退しているようなものでございますが。
私は見た目こそ初老ですが、実際はそれ以上に歳をとっているのです。
なのでハパンナ子爵の好意により、ダンジョン踏破者が現れる場所を任されておりました。
ここは仕事量も少なく、踏破者もほとんど現れません。
年をとった私でも、余裕をもって管理することができます。
加えてダンジョンを踏破しそうな冒険者の情報は、事前に送られてくるので、焦る必要はありません。ですので、今回の出来事には大変驚きました。
踏破者が現れると鳴る魔道具から、知らせが届いたのです。事前情報はありませんでしたが、こういう事もあるでしょう。
そう思いながら、私は踏破者の方々の元へと向かいました。ですが驚くことに、そこに実際にいたのは、少年がたった一人だけだったのです。
けれどもここにいるという事は、ダンジョンを踏破した者に間違いございません。なので私は細心の注意払いつつ、対応させていただきました。
幸いにもジン様と名乗られた少年に、ハパンナ子爵と会って頂くことを了承してもらいます。
ただ一日待ってほしいとのことで、少々不安ではございました。ですがそれも、杞憂で終わります。
その後約束通り、ジン様には旦那様とお会いして頂きました。
あの時見たグレートキャタピラーには、私も大変驚いた次第です。
私も多少は心得がございますので、このモンスターを倒すのがどれほど大変なのか、十分に承知しております。
ですので単独でグレートキャタピラーを討伐したジン様は、この領、いえ国でも上位の実力者でしょう。
実際、あのディーバ兵士長をモンスターバトルで打ち負かしたそうです。
強いと思っていたとはいえ、この事実に驚きを隠せません。それほど、ディーバ兵士長の実力は有名でした。
まだまだお若い事も相まって、ジン様の将来が私自身、気になって仕方がございません。
加えてジン様は旦那様のご子息であるリード様を初めとして、リーナ様やルーナ様とも交友を深められました。
これほどの実力者と交流を深めることは、ハパンナ子爵家にとっても有益な事でしょう。
特にリーナ様は、ジン様に気があるご様子。
旦那様もジン様を気に入っておられるので、お二人が結ばれる可能性もございますでしょう。
時として貴族家は、優秀なサモナーやテイマーの平民を受け入れることがございます。
ジン様であれば、問題はないでしょう。私自身も、大賛成でございます。
リード様との仲も良好なので、ジン様がリーナ様と結ばれれば、きっと良い結果になるでしょう。
ジン様との出会いが、ハパンナ子爵家にどのような影響を与えるのか、とても楽しみでございます。
加えて私は半ば引退しておりましたが、しばらく本邸で復帰することになりました。
旦那様より、ジン様が困っていればお手を貸すようにと、申しつけられております。
私自身ジン様がこれから何を成すのか大変興味があったので、喜んでお受けいたしました。
また直近での楽しみは、やはりオブール杯の二次予選でしょうか。
私も旦那様のお付きで、観戦することができることでしょう。リード様も参加なさるので、大変楽しみです。
更にはそこへ、ジン様もご出場なさるようでした。なので願わくば、ジン様とリード様の試合が是非見たいところです。
執事を引退する前にジン様と出会えたことは、私にとってはとても幸運なことでした。
枯れていた気持ちが蘇るというのは、正にこのことでしょう。
さて、思いにふけるのもこの辺にして、今日も一日、執事として精一杯勤めさせていただきます。




