SS ジョンを売った少年のその後
※推奨読了話数042話までくらい。
Q.ジョンを売った少年って誰?
A.ジンに救助されたけど救助費を支払えず、結果としてジョンを売った少年です。
救助費の支払いで、俺はジョンを失った。
それなのに金銭が足りず、結局ギルドに借金をすることになる。どうして俺が、こんな目に遭わなければいけないんだ。
くそっ、モン無し冒険者どもが現れなければ、ギルドマスターに呼び出されることもなかったのに。
いや、ギルドマスターが気が付いたから、モン無しどもが来たんだったか。
くそ、くそくそくそ。さいあくだ。
それに、モンスターをすべて失ってしまった。スライムすらいない。だからどうにかして、モンスターをテイムしなければ。
俺はそう思い、近場の森に来た。当然ここは、安全な森だ。危険な森に入れば、今度こそ命はない。
それに俺は、戦闘能力が皆無である。なのでジョンを手に入れたときは、本当に運がよかったんだ。
それだけに、売ったことを今更後悔してしまう。ジョンがいた方が、借金額が増えても早く返済できたかもしれない。
実際今必死にスライムをテイムしようとしているが、全く使役できなかった。
くそっ。スライムのくせに! おとなしく使役されろよ! それに他のテイマーからは笑われるし、最悪だ!
誰も俺のことを、助けてはくれない。どいつもこいつも、薄情だ!
それでもモン無し扱いされるのは嫌なので、俺は必死にテイムし続けた。
「や、やった。やったぞ!」
そして俺は何とか、スライムのテイムに成功する。
よ、よし。ここからスライムを増やしていって、もう一度グリーンキャタピラーをテイムするぞ!
けれどもここからは、全く上手く行かなかった。グリーンキャタピラーどころか、新たなスライムすらテイムできない。
後から気が付いたことだが、このテイムに成功したスライムは、スライムの中でもザコだったようだ。
結局借金の利息を返済する為に、肉体労働のバイトをするはめになった。
くそくそくそ。こんなはずじゃ……。だけど、諦めない。俺は諦めないぞ!
それからも、俺は森でテイムに励んだ。しかしどうやっても、上手く行かない。また借金返済のために、バイトで稼ぐ日々。
だが気が付けば、俺はジョンがいた頃よりも、バイトの方が稼げるようになっていた。
お、俺は、最強のテイマーになって、国の代表になるんだ! な、なるんだ……。
その思いを胸に、俺は諦めずに森へと通う。だが次第に森へと通う日よりも、バイトの日が増えていく。
気が付けば、バイトだけで借金を返済し終わっていた。そしてバイト先からは、バイトではなく、このまま本格的に雇われないかと言われる。
もちろん、給料も上がるようだ。俺は、夢と現実の岐路に立たされる。
もう、いいか。
俺には、テイマーの才能がなかったのかもしれない。そうして俺は、就職をした。
けれども休みの日は趣味として、森へと挑む。当然成果は0だが、それでもよかった。
また働いて分かったことは、モン無しとかテイマーとかは、関係ないということだ。
先輩にはモン無し、いやテイムスキルを持たない人もいる。
だが俺より仕事はできるし、分からないことは教えてくれた。俺の態度が最初の頃悪くても、教えてくれたんだ。
自分がどれだけガキだったのか、分かってきた。今思えば、あの冒険者たちに酷いことを言っていたことを自覚する。
再会することがあれば、一度謝ろう。そして売ってしまったとはいえ、ジョンを助けてくれたジンさんに、もう一度お礼が言いたい。
俺は最近そんな事を思いながら、日々の生活を送っている。
さて、今日も頑張って働こう。
この世界での成人は15歳であり、ジョンを売った少年はちょうど15歳くらいでした。
テイマーの才能は無かったみたいですが、仕事ではそれなりの才能を発揮した感じです。
ちなみに今更ですが、この少年、名前が無いんですよね……。出した時は本当にモブだったので、名付けていませんでした。




