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倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~  作者: 乃神レンガ
第八章

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276 レフとアンクの新たな力


「にゃぁあん!」

「ガァ! 新しいあーしを見て!」


 召喚すると、早々にそう鳴いてレフとアンクが近寄ってくる。


 ちなみにレフのサイズは、最初から猫と変わらなかった。アンクも元々のサイズであり、一般的なカラスの倍くらいである。


 またどちらも見た目に大きな変化は少ないので、進化前との違和感は少なく済んでいた。


 とりあえずは、レフとアンクを撫でてやる。


「にゃにゃん!」


 レフの毛並みは、サラサラのふわふわという感じだった。以前よりも、質が上がっている。これは、いくらでも撫でていられるな。


 対してアンクは、最初触れようとしたら手が空を切った。


 どうやらレイスのように、透き通っているらしい。見た目的にうっすらと透き通っていたのは、これが原因だったみたいだ。


 だがそれも死魂霊鳥に内包されている物理干渉を発動させれることで、解消される。


「どう? あーしのふわふわ。きもちぃ?」


 アンクがそう言って感想を求めてくるが、言うだけあって気持ちよかった。


 実際に触れてみたアンクの羽は、カラス系とは思えない程のふわふわ感である。触り心地の良い、ぬいぐるみに近いかもしれない。


 ちなみに羽を広げさせると、そこには白いドクロの模様が描かれていた。


 左右の羽に一つずつあり、各羽の中央付近にそれがある感じだ。


 閉じられていた時の白い線の正体は、これだったみたいである。


 シックルレイスの顔の模様はドクロだったので、それが反映されたのかもしれない。


 左右の羽にあるドクロの模様は、意外とオシャレに見えた。


 それと両方に言えることなのだが、どちらも神秘的で並々ならぬ存在感を放っている。


 幻獣や聖獣として伝説に残っていても、おかしくはないほどだ。


 実際Sランクとは、小規模の国を簡単に一つ滅ぼせるレベルのモンスターなので、おかしくはない。見た目は可愛らしいだけに、そのギャップが凄かった。


 そうしてしばらくもふもふした後は、無作為に選んだゾンビの街へと俺たちはやってくる。ここで、レフとアンクの実力を確かめるつもりだ。


 まず初めに、アンクから確かめてみることにしよう。


 そのために、もう一度アンクのステータスを確認しておく。


 

 種族:レイヴンホロウ

 種族特性

【闇属性適性】【闇属性耐性(中)】

【死魂霊鳥】【死鎌霊鳥】【七毒の爪】

【爪強化(中)】【再生】【瘴気生成】

【魔力感知】【魔力操作上昇(中)】

【魔力上昇(中)】【状態異常耐性(中)】

【シャドーネイル】【シャドーサイス】


 エクストラ

【エリアボス】

【フュージョンモンスター】


 スキル

【鷹の目】【声真似】【魔法耐性(大)】

【シャドーステップ】



 レフのステータスも凄かったが、やはりアンクも凄い。とりあえずは、好きなように戦わせてみよう。 


「行ってこい」

「おけまるー!」


 そしてアンクが、ゾンビの群れに襲い掛かった。


「ヴぁ――ッ?」

「うぅ」

「ヴぁぎゃ」


 まず始めに漆黒の大鎌が空中に現れて、ゾンビの首を刈り取っていく。


 大鎌はまるで意志があるかのように空中で動き、ゾンビたちを襲っていった。


 そんな大鎌のスキルの名称は、シャドーサイスというスキルである。


 また複数の大鎌を同時に出せるみたいであり、意外と使い勝手がよさそうだ。斬れ味も申し分ない。


 続いては、アンクが爪による攻撃をゾンビに加えていく。最初は威力があり過ぎて頭部を引きちぎってしまったが、二体目からは手加減をして倒さないようにダメージを与えていった。


 なぜそんなことをするのかと言うと、七毒の爪の効果を確認するためである。


 しかしアンデッド系のゾンビには、状態異常は効きづらい。


 だが猛毒、麻痺、眠り、呪い、衰弱、病、腐食の中で、麻痺、衰弱、腐食は効果があったみたいだ。


 あるゾンビは麻痺で動けなくなり、あるゾンビは体の動きが明らかに悪い。


 そして腐ったゾンビが更に腐り、まるで復活するのが早すぎた某巨〇兵のように、ドロドロになっていく。


 俺の脳内に、そんな光景が一瞬だけ映し出された。


 故に俺はつい、こう呟いてしまう。


「薙ぎ払え」

「にゃ? にゃぁああ!」


 するとそれを命令と認識したのか、横にいたレフの口から黒い光線のようなものが放たれる。


「ごヴぁああ!?」

「ヴぁあああ!!」

「ヴ――ッ!?」


 それにより無数にいたゾンビたちが黒い光線の爆発に飲み込まれて、僅かな肉片を残し、姿を消した。


 おそらくレフが放ったのは、ダークサンダーというスキルだろう。魔力が過剰に込められていたので、大規模な攻撃魔法になってしまったのだと思われる。


 またレフは進化後初めての攻撃に、つい張り切ってしまったようだ。


 下級魔法なのに、威力は上級魔法のレベルである。


 今のはダークサンダーブレイクではない、ダークサンダーだ。そんな印象を受けた。


「あー! あーしの獲物なのに!」

「にゃふふんっ!」


 するとその出来事に、アンクが不満の声を上げる。それに対してレフは、どこか得意げだ。


 これは俺の呟きが発端になった事なので、言い争いになる前に俺が仲裁しておく。


 進化しても、こういうところは変わらないらしい。


 ちなみに仲裁の内容は(はぶ)くが、いつもと変わらなかったとだけ言っておこう。


 そうして仲裁を終えた後は、気持ちを切り替えて、新たなスキルの確認をしていくのだった。


 ◆


「う~む。これは、やり過ぎたな……」

「にゃぁん!」

「あ、あーしのせいじゃないもん!」


 レフとアンクは知らんふりをするが、目の前の惨状は隠しきれない。


「まさか、街が一つ消えるとは……」


 そう、ゾンビの街は、僅かな瓦礫(がれき)などを残して、大部分が消し飛んでしまっていた。


 いずれ自動的に修復されるとは思われるが、それが完了するのがいつになるのかは、全くの不明だ。


 ちなみに、宝箱を守っていたモンスターもろとも建物が消えたので、宝箱の場所も不明である。今回は、諦めるしかない。 


 モンスターの素材も当然大部分が吹き飛んでいるか瓦礫の底なので、持ち帰ることもできなかった。


 まあ、そもそもゾンビばかりなので、価値はほぼ無いに等しいが。


 にしても、Sランク二体が好きに暴れると、街なんて簡単に滅ぶんだな。


 俺はそのことを、改めて理解した。


 アンクの鎌系スキルで街とゾンビが斬り刻まれ、レフの魔法がその瓦礫ごとゾンビを消し飛ばした感じである。


 破壊の割合で言うと、アンクが3、レフが7だった。


 これはアンクが小規模~中規模を得意とするモンスターであり、大規模破壊に適していないのが関係している。


 しかし建物が豆腐を切るみたいに切り刻まれていく様は、凄かった。やろうと思えば、アンク単体でも余裕で街を滅ぼせることだろう。


 逆にレフは、闇雷虎(やみらいこ)の内包されている魔法はもちろんのこと、裁きの瞳がかなりヤバかったのである。


 一日に一度しか使用できない裁きの神光が、まさかあれほどの威力とは……。


 わざとレフの感覚で罪になることをゾンビに何度かさせたあとに発動したのだが、その余波だけで大変なことになった感じである。


 あれはよく考えて使わないと、巻き込まれて俺や配下たちの大怪我へと繋がるだろう。


 それに威力はそれが限界ではなく、罪を重ねればその分発動時の威力が上昇する。まさに必殺の一撃と言えた。


 もちろんゴッドネイルや、限界突破も確認済みである。名称通りの、素晴らしいスキルだった。


 不意に使われたら、相手は対処に困ることは間違いない。


 また伸縮(しんしゅく)自在では、ルルリアのサイズにもなれた。やろうと思えば、もう少し大きくなれるかもしれない。


 大きくなった分だけ、身体能力や生命力が上昇している。それに加えて、デメリットが大幅に減少しているので、大きさに見合わず素早かった。


 たぶんレフだけで、小規模の国なら確実に落とせるだろう。まさにその姿は、厄災の獣そのものだった。


 シャドーアーマーやダークネスチェインも問題なく使えたので、余計にたちが悪い。全く最高だ。


 それとレフが凄くて隠れがちだが、アンクの死魂霊鳥に内包されている魂系スキルも優秀だった。



 名称:死魂霊鳥

 効果

 ・このスキルは、以下のスキルを内包している。

【物理無効】【物理干渉】【魂奪】

【魂庫】【魂喰い】【魂看破】

【精神耐性(中)】【高速飛行】



 魂奪(こんだつ)は、倒された対象の魂を、文字通り奪うスキルである。それを魂庫(こんこ)に保存して、いつでも出し入れ可能な感じだ。


 また魂喰(たましいぐ)いは、奪った魂を食べることで、生命力と魔力を回復しつつ、魔力の上限を魂の質に応じて微増させる事ができるらしい。


 三つのスキルを使っているので不便に見えるかもしれないが、簡単に魔力上限を増やせるのはかなり優秀なスキルだ。


 アンクはSランクにしては魔力が少ないと思っていたが、このスキルがあるのなら、その前提は(くつがえ)る。


 いずれアンクは、俺以上の魔力を手にする可能性を秘めているのだ。


 しかし問題がひとつだけある。それは魂を奪われて喰われたモンスターは、カード化できなくなることだろう。そこだけが、少々ネックである。


 だが、悪いことばかりではない。


 魂庫には、思いもよらない利用法があったのだ。


 なんとそれは、これまで不可能だった死体移動後のカード化ができたことである。


 まずアンクの魂奪で魂を奪い、それを魂庫で収納させた後に死体の移動先で魂を解放することで、問題なくその場でカード化ができたのだ。


 重要なのは、死体と魂が近くでそろっている事だったのだろう。


 まあ、試したのはゾンビなので、元々死体であるのだが、そこは気にしないでおく。たぶん他のモンスターでも、これは可能な気がした。


 そんな訳でカード化に魂が関係していたことが、これで証明されたかもしれない。


 なのでアンクに死体を収納するスキルを覚えさせるか、覚えている配下と一緒に運用することで、その効果がより発揮される。


 俺が別の場所で活動していても、アンクが魂庫で魂を確保すれば、後々俺の元に持ってこさせた上で、カード化が可能ということだ。


 いずれ何かしらの形で、役に立つことは間違いない。基本は俺が直接カード化するが、それができない場合もあるからだ。


 ちなみに魂奪は、アンク自身が敵を倒していなくても、普通に発動できたりする。


 そう言うわけで、個人的にはアンクの魂系スキルは大当たりだった。


 とりあえずはそんな感じで、レフとアンクの新スキルの確認作業は概ね完了する。

 

 これからはダンジョンポイントのために素材を集めつつ、他の細かい確認もしよう。ルルリアのスキル効果なども、確かめておきたい。


 俺はそう思いながら、破壊しつくされたゾンビの街を後にするのだった。



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