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272 アンクの進化


 まずアンクの元のステータスは、こんな感じである。



 種族:アサシンクロウ(アンク)

 種族特性

【闇属性適性】【闇属性耐性(小)】

【隠密】【暗殺】【追跡】【警戒】

【ナイトビジョン】


 スキル

【鷹の目】【声真似】【体力上昇(小)】

【シャドーニードル】【シャドーネイル】

【生命探知】【爪強化(小)】


 装備

 ・猛毒の指爪(右)

 ・麻痺の指爪(左)

 ・鑑定のモノクル

 ・スピードバングル(右)

 ・テクニカルバングル(左)



 それが新たにシックルレイスとフュージョンしたことで、このように変化した。



 種族:レイヴンホロウ

 種族特性

【闇属性適性】【闇属性耐性(中)】

【死魂霊鳥】【死鎌霊鳥】【七毒の爪】

【爪強化(中)】【再生】【瘴気生成】

【魔力感知】【魔力操作上昇(中)】

【魔力上昇(中)】【状態異常耐性(中)】

【シャドーネイル】【シャドーサイス】


 エクストラ

【エリアボス】

【フュージョンモンスター】


 スキル

【鷹の目】【声真似】【魔法耐性(大)】

【シャドーステップ】



 能力も気になるが、まずは見た目の変化から確認をする。といっても、アサシンクロウからそこまで大きな変化はない。


 見た目は漆黒のカラスであり、紅い瞳をしている。またどこか神秘的な雰囲気もあり、少しもふもふ感が増しているようにも感じた。


 加えて閉じられた羽には、僅かに白い線がいくつか見える。広げたら、何かの模様になるのだろうか?


 それと他にもアンクは、少しだけ透明感があるというか、うっすらとしている。


 もしかしたら、物理的に触れることができないのかもしれない。


 それについては、また召喚した時にでも確かめてみよう。


 それよりもアンクはフュージョンしたのにもかかわらず、正統な進化をしたような見た目である。


 なにはともあれ、悲しきモンスターにならなかったのは救いだろう。


 とりあえずカードから分かる見た目に関しては、そんな感じだ。


 そして次は気になっていた、スキルについて見てみよう。


 とりあえず俺は、初見の種族特性のスキルの効果を確認してみる。



 名称:死魂霊鳥(しこんれいちょう)

 効果

 ・このスキルは、以下のスキルを内包している。

【物理無効】【物理干渉】【魂奪】

【魂庫】【魂喰い】【魂看破】

【精神耐性(中)】【高速飛行】


 ◆


 名称:死鎌霊鳥(しがまれいちょう)

 効果

 ・このスキルは、以下のスキルを内包している。

【鎌適性】【鎌強化(大)】

【マジックシックル】【ワイドサイス】

【ファストシックル】【デスシックル】

【暗殺】【暗視】【隠密】【追跡】

【警戒】【生命感知】


 ◆


 名称:七毒(しちどく)(つめ)

 効果

 ・爪での攻撃時に一定の確率で、対象に以下の状態異常をランダムで与える。

【猛毒】【麻痺】【眠り】

【呪い】【衰弱】【病】【腐食】


 ◆


 名称:シャドーサイス

 効果

 闇属性の大鎌を作り出し、自在に操ることができる。



「これは、凄いな」


 俺は思わず、そう(つぶや)いてしまう。


 まず死魂霊鳥(しこんれいちょう)だが、物理無効なのがヤバイ。


 シックルレイスの種族特性を上手く取り込んだ結果だと思われるが、これだけで魔法を使えない敵は成す術が無くなるだろう。


 加えてシックルレイスの持っていた魔法耐性(大)と、エクストラのエリアボスまで引き継いでいる。


 精神耐性(中)も含まれており、種族特性には状態異常耐性(中)、それと再生までもあった。


 だとすれば防御面だけで考えれば、アンクは配下の中でも上位に入るだろう。いや、もしかしたらトップかもしれない。


 それと魂関連のスキルもあり、これがどのような結果をもたらすのか、試してみる時が楽しみだ。


 次に死鎌霊鳥(しがまれいちょう)だが、これは鎌系スキルと、暗殺者系に役に立つスキルが複合されたスキルになっている。


 アンクは見た目からして鎌は使えないように見えるが、このマジックシックルというスキルがその問題を解決する気がした。


 おそらく魔法の鎌を召喚して、触れていなくても自由に空中で振り回す事ができるものだと思われる。


 こうした武器を魔法で作り出す系のスキルは、結構あるものだ。


 なので他の鎌系スキルも、このマジックシックルを通して発動するのだろう。


 これまで火力面で苦労していたアンクからすれば、かなり嬉しいスキルだと思った。


 続いて七毒(しちどく)(つめ)だが、これは装備していた猛毒の指爪と麻痺の指爪が関係している気がする。


 その効果は、結構えぐいものだと言えるだろう。


 ルルリアとの戦いを経て、俺は状態異常がどれだけやっかいかということを知った。


 爪からの攻撃限定だが、ここぞという時に役に立つことは間違いない。


 それはそうと、残りの装備はどうなったのだろうか?


 特に鑑定のモノクルは役に立っていたので、消えたとなると少々もったいない。


 ただこれは魂看破が関係していそうな気がするので、これについても後々確認してみよう。


 そして最後にシャドーサイスだが、これはマジックシックルと似たようなものだと思われる。


 マジックシックルとは闇属性ということと、大鎌という違いがあった。


 ちなみにシックルは、手持ちの小さめの鎌というイメージがある。逆にサイスは大鎌という感じだ。


 威力に関しても、シャドーサイスの方が上だろう。ただマジックシックルは属性的には無属性な気がする。


 アンクは無属性適性を持っていないが、こうした例外は稀にあるものだ。


 有名なのは、生活魔法だろう。


 あれは魔法関連の属性適性が一つでもあれば、使用可能である。


 火属性適性だけでも、生活魔法の飲水が使えるのと似たようなものだろう。


 つまりは鎌属性を持っているので、マジックシックルが使えるということである。


 またシャドーサイスだが、おそらくこれは希少魔法なのだろう。これまで、一度も聞いたことがない魔法だった。


 希少魔法は優秀なイメージがあるので、これから頼りになりそうだ。


 そう言う訳で、アンクのスキルについては以上になる。とても優秀なスキルだった。


 そしてここまでの結果を(かんが)みるに、アンクのランクはAを超えてSランクという判断を俺は下す。


 Aランクにしては、種族特性が優秀すぎるのだ。


 ただSランクと言っても、下の方なのは間違いない。


 ルルリアやゲヘナデモクレスと比べたら、まだまだ弱かった。


 しかしAランクのモンスターと戦えば、概ね勝てる気がする。


 なので結果としてアンクは、Sランク下位という判断になった。


 にしても、アンクがまさかのSランクか。フュージョンは何が起きるのか、まだまだ未知数だな。


 たぶん、シックルレイスとの相性がとても良かったのだろう。でなければ、ここまでのスキルを簡単には得られない。闇属性、暗殺系、飛行しているなど、そうした共通点があったからだろうか?


 見た目が良い感じになったのも、それが関係しているのかもしれない。


 だとすればジョンの時のキャタピラーモンキーは、逆に相性が悪かった結果なのだろう。


 相性が良いモンスター同士をフュージョンすれば、その分だけ強くなる。これは、良い事を知ったかもしれない。

 

 今後配下を進化させる時には、参考にすることにしよう。


 そして本来ならここでアンクを召喚するところだが、今回はもう一匹進化の兆しが出ている個体がいる。もちろんそれは、レフのことだ。


 アンクの召喚は、レフを進化させてから同時に行うことにする。俺はそう考えながら、レフに声をかけた。


「次はレフの番だ、準備はいいか?」

「にゃぁん!」


 するとレフは準備ができたという風に一鳴きすると、(みずか)らカードへと戻る。


「まさか、レフが自分からカードに戻るとは……」


 あれだけカードに戻ることを嫌がっていただけに、俺は少々驚愕(きょうがく)してしまう。


 まあ、それだけレフも、進化が待ちきれないのだと思われる。


 そうして俺は、次にレフの進化の準備に取り掛かるのだった。



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