SS ツクロダメイド隊
※時期的には086くらいの話です。
ツクロダの元には、優秀なメイド隊がいる。
このメイド隊は、ツクロダが直々に選んで加入させていた。
まず第一に容姿が優れている必要があり、第二に頭が良いこと。
そして第三に、何かしらの能力が高い必要がある。
必然的に裕福な商家や学者、貴族などの娘が多い。
また服装は卑猥であり、メイド服は超ミニスカートに加えて、上半身はほぼ水着といっても過言ではないだろう。
頭にはホワイトブリムをつけ、白いニーハイソックスを履いている。
どう見てもそういう店の娘にしか見えないが、この卑猥なメイド服は何気に高性能だ。
ツクロダの神授スキルで作り出されたこのメイド服は、そこらの防具など相手にならないくらいには優秀である。
そんな高性能で卑猥なメイド服を着る娘たちであるが、実は大きな役割を持っていた。
当初はツクロダの趣味で集めたメイド隊だったが、次第にツクロダの雑事を手伝うようになっていく。
優秀な彼女らは、ツクロダの予想を超えて活躍した。
元々面倒な事が嫌いであり、趣味に没頭したいツクロダは、次第に彼女らに頼ることが多くなる。
仕舞いにはツクロダの判断が必要な事も、丸投げしてしまう。
そして最終的には、ツクロダが大陸を統一する為の作戦も、メイド隊が考えるようになった。
そう、一連の事件は、全てこのメイド隊が考えた内容である。
当然その成果は、全てツクロダのものだ。
ちなみに失敗した場合は、動いた者本人かメイド隊全体の責任となる。
故にこれまでツクロダが優秀だと思っていたジンの考えは、全て勘違いなのだ。
実際のツクロダに、ここまでの計画を練るほどの知能や実行力は無い。
加えて今では神授スキルでの物作りと、ハーレムや美食を味わうことで忙しかった。
しかしそれでもなお、ツクロダの欲望は尽きない。
どうにかしてこの大陸を支配し、更には国境門を超えた先の国々を蹂躙したいと思っている。
その欲望を叶えるために、ツクロダメイド隊は寝る間を惜しんで頑張っていた。
なので当然、ツクロダのメイド隊への扱いは良い物だろう。そう考えるのが普通である。
だが実際にはその真逆であり、メイド隊への扱いは粗雑だった。
あらゆるものが手に入り、大抵の望みが叶うようになったツクロダ。
故に古いオモチャには、既に飽きているのである。
つまりメイド隊がどうなろうと、ツクロダとしては最早どうでもいいのだ。
けれども、成果を出さないことは許さない。
自分に尽くすことを、当然だと思っている。
むしろ何か失敗したら、酷い目に遭わせて楽しもうとすら考えていた。
その事実を、ツクロダメイド隊は知りながらも働き続ける。
重度の洗脳により、ツクロダを神だと思っているのだ。
故にツクロダに対しては、絶対服従である。
例えどのような目に遭おうとも、ツクロダを裏切ることはない。
そんな悲劇的な存在が、彼女らツクロダメイド隊である。
これまでの活躍に対して、得られたものは何もない。
ツクロダに飽きられ、何かミスをすれば破滅が待っている。
そんなツクロダメイド隊の終わりは、もう近い。
救いは無く、誰も気がつかないだろう。
もし、ツクロダが死亡するようなことがあれば、彼女らはある意味解放されるのかもしれない。
だがそれは同時に、生命の終わりでもある。
そう、ツクロダが死亡すれば、彼女らも道連れなのだ。
彼女らツクロダメイド隊は、ツクロダのオモチャ。
製作者が死亡すれば、同時に自壊してしまう。そんな悲劇的なオモチャなのである。