202 沼地で召喚した配下たち
「ギギギ!」
まず初めに召喚したのは、サンである。
空も飛べるし、遠距離攻撃も可能だ。
それに城の外に出るまでの間に、実はスキルオーブや装備も新たに渡している。
サンのステータスは、現在このような感じだ。
種族:サン・デビルズサーヴァント(サン)
種族特性
【陽光再生】【闇光属性適性】
【闇光属性耐性(小)】【爪強化(小)】
【飛行】【生命探知】【マナドレイン】
エクストラ
【フュージョンモンスター】
スキル
【ライトアロー】【シャドーニードル】
【魔力上昇(小)】
装備
・緑斬のウィンドソード
・魔力の指輪(下級)(右)
・敏捷の指輪(下級)(左)
・マジカルバングル(右腕)
・テクニカルバングル(左腕)
・姿隠しのネックレス
そう、サンは念願の光属性魔法を覚えたのである。
またシャドーニードルも習得したことで、光と闇両方を使える存在になった。
緑斬のウィンドソードでウィンドカッターも使えることを考えれば、サンは三種類の属性攻撃が可能である。
ただサンはあまり魔力量が多くないみたいなので、魔力上昇(小)も習得させた。
これで魔力量にも、だいぶ余裕ができたはずだ。
続いて装備についてだが、渡した物の効果はこのようになっている。
名称:魔力の指輪(下級)
説明
・装備中に限り、装備者の魔力を小増加させる。
◆
名称:敏捷の指輪(下級)
説明
・装備中に限り、装備者の敏捷を小増加させる。
◆
名称:マジカルバングル
説明
・装備中に限り、装備者の魔力を小増加させる。
◆
名称:テクニカルバングル
説明
・装備中に限り、装備者の技量を小増加させる。
◆
名称:姿隠しのネックレス
説明
・適性があれば装備中に限り、スキル【姿隠し】を発動できる。
・このネックレスは時間経過と共に修復されていく。
装備やスキルからも分かる通り、サンのコンセプトは空から急襲する魔法剣士だ。
指輪とバングルも合わさり、魔力量はスキル効果も含めてかなり増えている。
ちなみに指輪やバングルなどは、同じものを身につけても効果は重複しない。
なのでこのように装飾品の種類を分けることで、魔力量を集中して増やしている。
魔力の指輪を二つ同時に装備することなどは、できないのだ。
それと姿隠しのネックレスだが、遊撃として不意を打つときに使えそうだと思い身に付けさせた。
また姿隠しは闇属性と相性がいいのか、闇属性適性のある者ならだれでも発動することができるようである。
なお装飾品のサイズについては、生活魔法の調整で合わせたので問題はない。
とりあえず、サンの変化についてはこんな感じだ。
続いて召喚する配下は、アンクである。
「ガァ……ここ、くっさぁ~♡」
何か言葉尻がおかしいが、気にしないでおこう。
ステータスの変化としては、こんな感じだ。
種族:アサシンクロウ(アンク)
種族特性
【闇属性適性】【闇属性耐性(小)】
【隠密】【暗殺】【追跡】【警戒】
【ナイトビジョン】
スキル
【鷹の目】【声真似】【体力上昇(小)】
【シャドーニードル】【シャドーネイル】
【生命探知】【爪強化(小)】
装備
・猛毒の指爪(右)
・麻痺の指爪(左)
・鑑定のモノクル(右)
・スピードバングル(右)
・テクニカルバングル(左)
スキルは闇属性の攻撃魔法二つと生命探知、それと爪強化(小)である。
この大陸では入手しやすいのか、爪強化以外は複数手に入った。
なので相性の良さそうなアンクに、習得させた感じである。
また装備の効果も、改めて確認しておく。
名称:猛毒の指爪
説明
・一定の確率で、対象に猛毒の状態異常を与える。
・この爪は装備する者のサイズに調整される。
・この爪は時間経過と共に修復されていく。
◆
名称:麻痺の指爪
説明
・一定の確率で、対象に麻痺の状態異常を与える。
・この爪は装備する者のサイズに調整される。
・この爪は時間経過と共に修復されていく。
◆
名称:鑑定のモノクル
説明
・適性があれば装備中に限り、スキル【鑑定】が使用可能になる。
・このモノクルは自動装着される。
・このモノクルは装備する者のサイズに調整される。
・このモノクルは時間経過と共に修復されていく。
◆
名称:スピードバングル
説明
・装備中に限り、装備者の速度を小増加させる。
◆
名称:テクニカルバングル
説明
・装備中に限り、装備者の技量を小増加させる。
アンクのコンセプトは、斥候兼暗殺者だ。
銀色に縁どられた鑑定のモノクルがあれば、偵察に出した時に相手を鑑定することができる。
これまで感覚を共有しても、使えるのはあくまで感覚を共有した配下のスキルなので、鑑定をすることが出来なかった。
しかしこの鑑定のモノクルがあれば、それも可能になる。
サイズ調整と自動装着により、アンクの右目にピッタリ装備された。
モノクルをつけているだけで少し知的に見えるのが、何とも不思議である。
また猛毒と麻痺の指爪も、アンクの足に違和感なく装備されていた。
見た目は金属のつけ爪のようであり、部分鎧の雰囲気もある。
銀色で先端が鋭く、状態異常が付与されているようには一見思えない。
だがその効果は凶悪なものであり、一定の確率ではあるものの、猛毒と麻痺の状態異常になれば相手は一気に窮地に陥るだろう。
それとバングルは、アンクの足にそれぞれサイズ調整して身に付けさせた。
足でも、バングルは効果を発揮するみたいである。
以上が、アンクのスキルや装備についてだ。
以前よりも、だいぶ強くなったはずである。
今ならネームドランキング戦の結果も、変わったかもしれない。
そうして最後に召喚する配下は、こいつだ。
「ここどこ~? うぇっ、ごしゅぅ。私ここきら~い!」
そう言って召喚早々に駄々をこねるのは、フェアリーである。
「リーフェ、我慢しろ」
「ひゃわっ! も、もう一回!」
「我慢しろ!」
「そ、そこじゃないよぉ! ごしゅのいじわる~!」
抗議するように俺の周りを飛び回るフェアリーに、俺はリーフェという名前をつけた。
リーフェはこの名前を大層気に入ったようであり、名前を呼ぶだけで喜んでいる。
ちなみに、こいつはネームド内では新参者なので、スキルオーブや装備は与えていない。
まだそこまで戦闘を見ていないし、何が得意なのかも理解した訳ではなかったからだ。
これからの活躍次第で、何を与えるか考えるつもりである。
そんなリーフェのステータスも、一応確認しておく。
種族:フェアリー(リーフェ)
種族特性
【幻属性適性】【精神耐性(中)】
【スリープ】【フィアー】【幻物】
【幻変装】【飛行】【姿隠し】
正直この沼地では、あまり役には立たないだろう。
アンデッドにスリープやフィアーが効くとは、あまり思えない。
サイズを調整した武器を持たせたとしても、大した成果を出せないだろう。
だがこうして召喚したのは、リーフェをなるべく育てておきたいからだ。
メダルの件もあるし、幻属性適性を持つリーフェはもしかしたら、今後何か役に立つかもしれない。
なのでもしもの時に備えて連携をしやすくするという意味でも、こうして召喚した意味はあると思っている。
まあ、そのときたいして役に立たない可能性もあるが、やらないよりはマシだろう。
そんなわけでこの沼地のダンジョンの浅層では、このメンバーで行くことにする。
俺・レフ・サン・アンク・リーフェというパーティだ。
するとレフは沼に入るのが嫌なのか、俺の肩によじ登ってくる。
過ごしやすいように縮小のスキルを発動して、子猫ほどのサイズになった。
「にゃ~ん」
「はぁ、まあいい。レフはそこにいてくれ」
「にゃにゃん!」
「あーしもー!」
「いや、アンクは普通に飛んでくれ」
「ぴえん」
そんなやり取りをしていると、リーフェがキラキラした瞳でレフを見ている。
「レ、レフちゃんかわぁいいぃ! もふもふ~!」
「にゃにゃ」
そう言って子猫サイズのレフに、リーフェが飛びついた。
レフはそれを邪魔だと思ったのか、前足で押しのける。
「ぐべっ!? むむむ~!」
「それはまた後にしてくれ、もう行くぞ」
「あっ! ご、ごしゅまってよ~!」
「ガァ、ざまぁ!」
「アンクも煽るな……」
何だかリーフェが増えただけで、とても騒がしくなってしまった。
そんな中で、サンだけは周囲を警戒している。
頼りになる配下だ。どうかこのままのサンでいてほしい。
そうして俺たちは、沼地のダンジョンの探索を始めるのであった。