トラック転生、なにそれおいしいの?
(ロバート・シェクリイ『不死販売株式会社』のネタバレを含みます)
なろう小説といえば異世界転生、異世界転生といえばトラック転生。
なぜかそう思い込んでいたのだが、キーワード検索結果が1014127作品中で異世界転生65767、トラック転生81、いや案外少なかった。「なぜにトラック転生」と追及するには手持ち資料がなく(たぶん先達がおられたのでしょうが)、「今ならプリウス転生だよね」と思いながらも長い物に巻かれ(プリウス転生はないがプリウスは18、ダンプカーは39だった)、『妖怪ウォッチ』のジバニャンとか『101回目のプロポーズ』が頭をよぎる。いや決して、ある俳優さんの娘さんがトイレタリー大手の配送トラックに轢かれて亡くなった一件は、長い物に巻かれる人は語ってはならない。
・・・とっ散らかってるなあ。
個人的に「トラック転生」というシチュエーションが、余計な小骨が引っかかって来るだけの話。
たぶん昭和のマンガなんかは「トラックに轢かれる」というシチュエーションが普通だったのかもしれないけど(あだち充『タッチ』、とか)、今ではあまり見たくないかな。
◇◆◇◆◇◆
日渡早紀『ぼくの地球を守って』は転生ものの古典だけど、転生の過程を描かれた作品は漫画も小説も少ないんじゃないかと思う。その中で1958年のSF小説、ロバート・シェクリイ『不死販売株式会社』は転生状況(事故)が描写されている(wikipediaに詳細なあらすじが)。
(1)主人公はハイウェー走行中にハンドルを取られ、対向車と衝突して死亡。
(2)未来の世界に転生したが、企業による人為的な転生だった。
(3)その会社は、「魂を人工的に強化して来世に転生させる技術」を売るために主人公を転生させた。
(4)が、世論の批判を浴びて主人公を放り出した。
(5)主人公の周りをゾンビがうろちょろしだす。
(6)ゾンビは主人公と衝突した対向車の運転手だった。
(7)衝突事故の真実。衝突直前までは企業が車の操作に介入していたが、衝突直前に介入が途切れた。そのとき主人公は何もしないで諦めていた。衝突した。
(8)主人公はゾンビに体を譲り、来世に旅立った。
事故には相手方がいる。シチュエーションのためのシチュエーションが、気になるかどうか、なのだけど。
◇◆◇◆◇◆
今夜、合唱組曲『日曜日~ひとりぼっちの祈り~』を、聞いている。