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白いフキは私のお墓

作者: 宿題忘れた

一番手前の白いフキの茎には私の名前が書かれていた

高校を卒業してかなり自由に遊びに行けるようになった

今日は彼氏の車でドライブだ

横須賀の手前に小さい港があった

観光地というより何もないつまらないところという感じだ

駐車場に車を止めると横に丘があり

あそこの頂上なら海が一望できるかもと彼が言うので登ってみることにした

入り口に小さい祠がある

気にせづに敷地に入り登っていくと道幅が1mくらいで左右が高い竹で覆われていて迷路のようになっている

小雨が降り始めていた

頂上は切り開かれている部分があるが周りには竹が生えていて見通しがきかない

6m四方の空き地に等間隔でフキのようなものが並んでいる

形や大きさはフキそのものなのだけど真っ白い色なのだ

よく見ると木でできていて作り物らしい

一番奥には祠がある

とても不気味でゲゲゲの鬼太郎のような世界だ

雷が鳴りそうなので直撃が怖いしなにより気持ちが悪いところなので急いで降りることにした

降りる途中、道に迷い彼とはぐれた

怖くなって「どこにいるの?」と大声で呼んだ

「ここだよ」竹の向こうで彼の声がした

すると反対側から「お前誰だ!」と彼の声がした

「どうなってるの、どっちが本物?」

進んでいくと交差点で二人の彼氏が立っている

お互いに距離を取って睨み合っている

それぞれに名前や本人と私しか知らないことなんかを質問したが

二人とも完璧に答える

一人の彼氏が「どちらかが魔物なので全員距離を取って車まで行こう

車まではついてこないだろう」と提案した

二人の彼氏が先に歩き私が続く

一番下に到着し二人の彼氏が入り口の祠を超えると先を歩いていた彼氏の姿が薄くなり消えた

私が「よかった、あなたが本物なのね」と言って駆け寄ろうとすると

彼氏がきつい口調で「お前、近づくな」と言ってこちらを睨む

私「何を言っているの?」

彼氏「手を見て見ろ」

自分の手を見ると透けている

気配を感じて後ろを振り向くともう一人の私がいた!

彼女は私を追い越して彼氏の横に立つ

彼氏「この丘はきっと人のコピーを作るんだ、だから何でも知っているし自分が本物と思っている」

そう言って下をうつむいた

もう一人の私は悲しそうにこちらを見ている

そんな嘘でしょ!私が本物だよ

だって子供の頃の事とか彼氏と出会った時の事とか初めてのデートや今日の朝待ち合わせて

車に乗ったことも覚えている

でも、どんどん体が透けてきている

嫌だ消えたくない死にたくない、これからもずっと生きて楽しいこととかいっぱいあるはず

誰か助けて神様、誰でもいい

彼氏に走り寄ったら私の体は消えて何もわからなくなった














このお話は私の実体験を盛って作りました

この丘は横浜と横須賀の間あたりに実在します

白いハスのようなものは作り物ではなく植物でした

本当に気持ちが悪い場所でした

二度と行きたくないです

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