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森を焼こうぜ

◯エルフの森

　女神のひざ枕は、フワフワである。

　姫の後頭部をやさしく、つつむ。

女神の手『ナデナデ　サラサラ』

姫の唇「あう……」

　女神の指が、頭頂部にふれて、音もなく、

　黄金の髪を、抜ける。

　気づいたら、香水のビンがある。

　ぱちゃぱちゃと、音がする。

　香水がぺちょり、姫の顔をはう

姫さま「はう」

　百合の香りがする。

　姫の横顔、お口はまあるく開いている、

　空気は抜け、胸がたしかに上下する。

女神の指『ふにふに、ぴたぴた』

姫の頬『ふにゅん』

　ふにゅん　なのだ。

　絶叫しなければ、絶世の美女なのだ。

忍者「……」カサッ

　おやおやおや、こいつは誰だッ？

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◯帝国・暗黒城・玉座の間

暗黒皇帝「森を焼こうぜ」

四天王たち「「「「イエーイ！！」」」」

　ナ、ナンダッテー！？

　四天王がバンザイして、サッと、ひれ伏す。

　ノリノリだぞ。

暗黒皇帝「ヒノカグラーよ、

　転生女神をここへ　連れて来るのだ

　ついでに　エルフどもを　みなごろしにしろ」

ヒノカグラー「必ずや」ブゥン

　火の四天王、ワープ！

　残り三人、一斉にワープ。

　皇帝が、一人　笑っている。

暗黒皇帝「クックック、愚かな国王め

　転生者に　まんまと逃げられおって

　我が帝国に招き　有効かちゅぉッ……」

　　噛んだ。

忍者「（……そういえばエルフ、関係ないのでは？）」

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　【帝　国】

　　　↓

【エルフの森】

　【王　国】

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◯エルフの森・最深部

　広がる森の中ほどに、黒い霧がただよう場所。

　時空がねじれた、迷いの森である。

　フクロウの目が光る。ホー

　茂みがゆれる。月も太陽もない。

　ロープ丸太が上下左右に振れて、エルフの戦士が頭をゆらす。

　トレーニング中なのだ。

筋エルフ「ホイ　ホイ　ホイのホイ」

　丸太をくぐり〜

　火の輪くぐり〜

　空飛ぶ的に　剣を　ぶん投げるッ！

筋エルフ「いえぃ！」

　かわいいマッチョちゃん！　ハッハァー！

　毎度おなじみ、クソコラマッチョエルフちゃん。

　そして背後、

ケンタウロス「ガハーッハッハ！」

ユニコーン「ヒヒンヒーン」

ペガサス「ブルルルブルルッ！！」

ケイローン「ボボンボン♪」

　ダンシング！

　馬がやたらリズミカルだぞッ！

　そして空を見上げると、巨人の目玉ッ！

サイクロプス「ウルァァァ〜！」三兄弟

ティターン「わはー♪」

ギガンテス「んがァー」

　お目目ギョロギョロ！

　足の裏がデカいッ！　ドシーン

　そして更なる巨大精霊が！

火の精霊「ウガァー！」森林火災

氷の精霊「かき氷たべようぜ」森凍結

風の精霊「くるくる〜」ハリケーン

地の精霊「オレ足をつけてる間、無敵な」地割れ

　ここは魔境だぞッ！

筋エルフ「いえい」パチン

　森林破壊が巻き戻り、元の綺麗な木々である。

　このエルフ、只者ではないな？

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◯エルフの森・女神のところ

ゴキ女神「^_^」にこにこ

姫さま「すぅ……すぅ……」

　肺が上下、そして口から　魅惑の吐息

　とても綺麗な横顔だ。

ドジョ子「眠ったね」

ゴキ女神「ゴキー」

　ドジョ子のアゴが、鎖骨にそっと触れる。

ドジョ子「わお」

ゴキ女神「ゴキ」

　見下ろすと、お人形さんみたい。

　金髪を投げ出した、着せ替え人形。

ドジョ子「着せ替えてみようぜ」

ゴキ女神「ゴキ〜！」

　さあ女神の全能パワーで一瞬にして全裸──

帝国兵「この辺りだ、みんな探せー」

帝国兵「おう」

ゴキ女神「ゴキぶー」ぷんぷん

ドジョ子「チッ、邪魔が入った。焼こうか？」

ゴキ女神「ゴキゴキ」シャキン！

>>>フォルムチェンジ：カサカサ

　女神、きをつけの姿勢、前に倒れて、腹の6本足でカサカサカサ

　まるで等身大ゴキブ◯だー。

　漆黒ボディに、ドジョ子が乗って、姫を抱いて

　スタート！

　　カサ

　帝国兵(うわ)　　帝国兵(あああああ)　　　　　　カサ

　　　　　　　　　　　　　　カサ

　　　　　カサ　　　　帝国兵(ヒッ)

　　　　カサ

　　　　　カサ　　　　　帝国兵(あっち行け)

　　　　　　カサ

　　帝国兵(ぎゃー)　　　　　カサ

　　　　　　　　　　　　カサ

◯エルフの村

　ボロい集落だ。

　木の柵、テント、畑、井戸、そして高床式倉庫。

　そこにM字ハゲのおじさんが徒歩で来て、

ヒノカグラー「ここがエルフの村かー

　シケたところだぜ。さっさと焼いて

　女神とやらを　探しに行くか」

　なにしろ炎上中

ヒノカグラー「いくぜヤローども」

帝国兵「「「サーイエッサー」」」

　黒装甲の帝国兵。

　いかにも強そうだぞ。

エルフの弓『ぴゅいん♪』

帝国兵の鎧『カツンッ』

　はい、余裕。

ヒノカグラー「かかれー」

帝国兵たち「「「うおお〜」」」

　ドカバキベキ。３分で終了

ヒノカグラー「オラオラー」ふみふみ

長老「なんとむごい仕打ち〜　ぐげ」

　長老の頭、地面と足でサンドイッチの具。

ヒノカグラー「女神の居場所を言え！」

長老「んなっ、それは、その、えっとー、あー」

ヒノカグラー「知らんのかー」ぶちゅ

長老「あぶちゅー」

　　　爆散

ヒノカグラー「ファファファ。たあいもない」

帝国兵「ですね」

帝国兵「まったくだ」

帝国兵「はっはっは」

　M字ハゲ、いい笑顔。

　黒い兵士もいい笑顔。

　　と、ここで　じひびき

　　　　ドドドド　ドドドド

「なんだー」

　「おっとっと」

　　　　「地震だー…？」

　　　　　　　　　「うわぁ、アレを見ろ！」

　　　　　　　　　タワー✨✨

　　　　　クリスタル

　　　　　ク　ス　ル

　　　　　クリスタル

　　　　　ク　ス　ル

　　　　　クリスタル

　　　　　ク　ス　ル

　　　　　クリスタル

　　　　　ク　ス　ル

　　　　　クリスタル

　　　　クリスタルタワー

　　　　ジャジャーン♪

◯エルフの村・第二形態

　地下鉄、デパート、オフィスビル、

　バス停、街路樹、魔石油タンク。

　そして訳わからんタワー！

ヒノカグラー「ななななんじゃーこりゃ」

帝国兵「うわぁ」

帝国兵「まるで異世界だ」

　ビックリ仰天。まさかの現代都市、

　からの〜

アナウンス「ピンポンパンポーン♪

　市役所からの　お知らせです。

　不審な人物が　村を徘徊しております。

　　　　　　　▼

　見つけ次第、　各自銃撃するよう

　ご協力よろしくお願いいたします。

　繰り返します………

雰囲気『ザワッ！！！』

　エルフだッ！

　スーツとシルクハットだッ！

　みんな無表情だッ！

　そして、拳銃だッ！

ヒノカグラー「そんなオモチャでこの俺に勝てるとd」

　　タァーン！

ヒノカグラー「ぐふぁっ」

（なぜだ、なぜだ、なぜなのだ、

　竜の爪を受け止める、俺の皮膚が、ぬぁぜだ

　吐き気が、この上なく、強くなるぅぉぉぉぉ）

エルフ「これは【マソ攪拌弾】」

エルフ「周囲のマソを、掻き混ぜる」

エルフ「ファンタジーの生物は、生きられない」

エルフ「魂ごと、純粋なエネルギーに帰る」

　　タンタンタァーン！

帝国兵「ぐわー」

帝国兵「鎧が溶ける〜」

帝国兵「腕が、腕がぁー」

帝国兵「せっかくライオンと合体できrrrrrぉー」どろり

ヒノカグラー「かくなるうえは、【じばく】！」

　　　ちゅいーん！

エルフ「逃げろー」

エルフ「撤退だー」

エルフ「うわ、うわー」

　　　　ビカーン　ギラギララァァァァァ

　　　まるで街中に太陽が落ちてきたような

　　　まぶしすぎる、光！

　　　そして

ば　　く　　は　　つ　　す　　る　　〜　　！

筋エルフ「そおい」にぎりつぶす

　　　ボシュッ

エルフ「マソリーさま」

エルフ「マソリーさまだ」

エルフ「マッチョのマソリー」

エルフ「わーわー」

マソリー「フフーン！」まるでスーパーマン

　おおっと、

　いつの間にか、コンサート会場が！？

　シルクハットの人だかりだー。

エルフたち「「「そーれ

　マッソー　マッソー

　マソリーはマッソー

　　　　　▼

　マッソー　マッソー

　マソリーはマッソー

マソリー「ありがとマッソー！」

エルフたち「「「うわぁーい」」」

　　　カサカサ

ゴキ女神「ゴキ！」

　　　キャー