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- 個人企画におじゃました短編 -

第二回イラスト交換企画に参加させて頂きました!

作者: バラ肉☆

長岡更紗さんが企画・運営する「イラスト交換企画(2020年秋)」に今年も参加させて頂きました!

そのイラスト作成レポート(エッセイ)です。


 今回、描かせて頂いたのはカーティス・クレイ。


 主要キャラクターの中から選ばせて頂けたので『大好きな神官系』で『神官服の設定がある』カーティスに決めました。



 カーティスが登場する小説はこちら。

 ↓ ↓ ↓

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

「私に世界は救えません!」通称:わたせか(星影さき様作)

https://ncode.syosetu.com/n3363dn/

世界の生贄に定められた少女と、盗賊の青年が出会う、王道の海洋冒険ラブファンタジー。

現在は挿絵を作成されています(連載中)

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*


 

 カーティスは唯一の宗教である『ネラ教』最高位の大神皇(だいしんのう)

 穏やかさと威厳を兼ね備えた “聖職者の顔” と、ミステリアスな “裏の顔” を持つイケメンの――――悪役なのです。


 角川スニーカー文庫の『ロードス島戦記』でいえば

 大地母神(マーファ)の愛娘・ニース(大ニース)に、至高神(ファリス)の神官王・エトを足して割らないような権力があると思われます。※1

 言葉ひとつで世界を揺るがす存在です。

 若い彼(三十歳ぐらい)が、どのようにしてその地位に上り詰めたのか。彼の心はどこにあって、何を求めているのか。興味津々(しんしん)なのです。



 ※1 ロードス島内のみで考えております。アレクラスト大陸等は詳しく知らないので。



 さてさて

 昨年はブランクありの状態で、アナログ+デジタルで描かせて頂きましたが、今年の私は違います。


 CLIP STUDIO PAINT(通称クリスタ)をGetして、ペンタブでそれなりにお絵かきしてきました。キネコンのイラスト部門に参加して爆死も経験しております。



(゜∀゜) < デジタル絵の()()()()は上がってるハズ!

(゜∀゜) < よっしゃ! 練習ナシでいきなり描くぜ!


 そんな風に思ってました。


 とはいえ画力そのものは上がってませんから、()で描くとパースとかデッサンの(たぐい)(ようするに人体のバランス)が狂います。


 でもでも、今は万能ツールのインターネットがあるから!

 写真をざっくりトレースするんだぜ!

(※著作権を意識して『元がわからないように使う』のを心がけています)




●まずはトレースから

挿絵(By みてみん)


 なかなかいいポーズの写真が見つからなくて、二枚の写真を合成してトレースしました。


 ネット上に上がっている画像(写真)って、二十年ぐらい前に比べて増えているのですが、点数が多い分、ジャストなものを見つけるのが大変です。

 文章(テキスト)にしても、広告を貼り付けた情報サイトが多くて『本当に欲しい正確な情報』を探すのが難しかったり。


 無料のWEBは便利でありがたい。

 でもやっぱり紙の本(資料)は尊いなぁと思います。





●頭の中で立体を構築する難しさ

挿絵(By みてみん)


 雨音さんのエッセイ(N6469GJ)でパース定規のすごさを知った私は、夢中になって定規をいじりました。


 アイレベルは良くわからない……。

 分からなくても死なないからいっか☆

(取扱説明書は『必要になれば読む派』です)


※この時点で「座面と人体がズレてる」事に気づく方もいると思います。

 私はわかりませんでした!!!

 気づいたのは色をつけてからでした(TдT)





●ベクターレイヤーを本格的に使ってみる

挿絵(By みてみん)


 実は私、キネコンに参加するまで

 クリスタの特徴ともいえる「ベクターレイヤー」を、あんまり使ってこなかったのです。

 ベクターで描いてもすぐに通常レイヤー化(ラスタライズ)したりして。


 今回は輪郭線(りんかくせん)のすべてにベクターレイヤーを使ってみました。





●椅子のデザインを変更する

挿絵(By みてみん)


 玉座っぽいものから、紅茶が似合いそうなアンティーク風の椅子に変えることにしました。

 それに伴って座面全体も広くして、お尻側が(せば)まったデザインに。


 丸い背板に合うよう、自由変形などをつかって雪の結晶(シンボル)の飾り部分をゆがませます。




挿絵(By みてみん)


 手すりの形を悩んでネットで写真を漁りましたが、いいものが見つからず。

 書き出し祭りが始まる前に、椅子の線画だけでも終わらせたかったので、えいやっと線を引いて、なんとか形になりました。





●人物の体を修正

挿絵(By みてみん)


 背板の形が変わった(おそらく角度も変わってる)ことで、椅子と人体のズレに気づいた私。

 気づいたこと自体はよかったのです。

 ですが椅子と人体ではなく、上半身と下半身のズレのほうに集中してしまいました。


(元の写真は、複数の写真を合成したものだから違和感があったのでしょう)





●ここまではよかった(誤:大新皇 → 正:大神皇)

挿絵(By みてみん)


 カーティスの肉体(ボディ)のアタリを青い線でとりました。(カップを持っている左腕の向きに注目)





●やらかしポイント

挿絵(By みてみん)


 ここの左腕の線画。痛恨のミスです。


 輪郭線の下書きを何度か描いているうちに『袖口の向きがハッキリ分かる赤い線のレイヤー』を捨ててしまったのですね。

 そのせいで左腕の向きが『体の前に自然に出している』 → 『右胸に当てるような感じ』に変わってしまいました。


 パーツを拡大して描くことが出来る『デジタルにありがちな罠』です。

 全体を把握しやすいアナログだったら、下書き線を消してしまった場合でも、こんなミスはそうそう無い(はず)

(技術的に描けないから故意に変える、ってのはありますが)


 時々縮小してバランスを確認していたのですが、もっと丁寧に冷静に見ないとダメですね……(TдT)くうっ。





●線を直す

挿絵(By みてみん)


 このへんは「ベクターレイヤーすごーい! もしかして私は、クリスタを使いこなしている!?」って浮かれてますね。

 

 途中経過の画像を保存しておいてよかったです。

 さっきの痛恨のミスも「なんでこんな左腕になったんだ?」ってずっと悩んでましたから。


 こうしてエッセイにまとめて、ようやく気づけたのです。





●顔を描く

挿絵(By みてみん)


 カーティスの顔バランス(目や鼻などの配置)は、私の素の絵に比べると、鼻筋が長めで、小鼻が控えめ。品が良いのです。

 目と眉毛の上下の間隔も少しせまくて、黒目がち。眉間も広くはなく、知的な印象です。


 どこまで元絵に似せられるか挑戦したかったのですが、目元・アゴの線はどうしても自分の線に寄ってしまいました。

 




●表情を変更

挿絵(By みてみん)


 なお用紙サイズはA4の144dpiからスタートしました。後に余白を切断(トリミング)

 輪郭線は、太いところで3.0、細いところは1.0(ごくごくたまに0.7)です。





●アラ探しのターン

挿絵(By みてみん)


 私は神官服が好きです。マニアではありませんが。

 ルイス(わたせかの神官キャラ)ではなく、カーティスを選んだ理由も衣装にあります。


 大神皇の衣装は、信心深い職人たちが作ったに違いない。

 良いものを。

 より良いものを。

 無心で糸を()り、心を込めて布を織り、丁寧に裁断して縫い合わせ、ひと針ひと針、ネラの教えを口ずさみながら刺繍するのでしょう。

 その場面を想像するだけでもワクワクします。職人万歳!





●確認用イラスト

挿絵(By みてみん)


 デザインが確定しているキャラクターを描く場合、確認用のイラストは送らない派の私です。

 無精者ですみません(;^ω^)


 ですが今回は文字等も入れたかったので、星影さんに確認して頂きました。

 ありがとうございます!





●書体を飾ってみる

挿絵(By みてみん)


 クリスタは、その価格を考えると超優秀なソフトなのですが、字詰め等(カーニング)が無いのが惜しいんですよね。

 文字のくっつきを解消したい場合は、画像化(ラスタライズ)して文字部分を囲んで選択。ちょちょっと移動させて切り分けて、欠けた部分は手で塗って、バランスを整えます。


(一文字ずつスペースを入れてラスタライズ → 文字を寄せて整える……でも同じことです)


 その文字部分のみをキレイに選択したい訳ですが、私はクリスタの万能(ブラシ)ツールを把握しきれていないので

「文字をクリックする」か

「文字の外側をクリック → 反転する」の方法しか知りません。


 ともかく文字部分を選択できたら、選択範囲を拡張します。




挿絵(By みてみん)


 書体(フォント)はそのままでも十分美しい。眺めているだけでうっとりします。でも目立たせたいときはフチをつけて、影をつける。

 それだけで少し印象が変わりますよね。


 紙媒体の白黒(モノクロ)原稿では、文字にも図形にもよく使われる小ワザです。


 フチが黒くて中が白い場合=(ふくろ)文字、とも。

 やりすぎるとくどいですが、二重三重と袋をかける人もいます。


 影を複数重ねて、少しずつズラして、色や濃度をグラデーションさせても面白いですよ。





●書体の周辺も飾る

挿絵(By みてみん)


 クリスタはグラデーションがきれいですから、グラデーションで。

(グラデーションを入れておけば『今風っぽく見える』というのもある)


 DTPはDeskTop(デスクトップ) Publishing(パブリッシング)。印刷物の原稿を作る仕事です。

 紙媒体は減っていくとしても、WEBだって画像(タイトル・図形・イラスト・写真・広告)が必要ですから、仕事自体はなくならない(はず)

 写真の色調整ができると尚いいですが、今はソフトが優秀だから要らない技術かもしれません。(私は「なんちゃって程度」しか調整できませんでした)





●本塗り前の影

挿絵(By みてみん)


 星影さんのイラストを拝見しますと、影が二層になっているようです。

 あの柔らかくて優しい塗り方を、うまく真似できたらいいなあと試してみることにしました。


 衣装ごとに影の色も変わる(セル画の着色に近い?)ため、影つけラインがどこになるのかを把握する必要があります。


 前回は影で失敗しておりますので、少しは成長したところを見せたい。

 そんな欲もあって、最後の仕上げにかける『全体の影』を、先につけます。


 私は影を足していくのではなく、ベタ塗りした影を削っていくやり方。スクリーントーンをカッターで削っていく感じです。





●全体影のベース色変更

挿絵(By みてみん)


 小豆色だった全体影を、いつもの紫色系に変更。

 ブルーベースの肌に見え……るかな。


 白い衣装だから、光の反射も考えるべきでした。後から気づくのは切ないですが、全く気づかないよりいいですよね(遠い目)





●ベクターレイヤーの線がガビガビ問題

挿絵(By みてみん)


 イケメンの条件=涙袋。

 そんな記事をネットで見つけたので、カーティスに涙袋をつけてみました。

 なろう上のサイズではほぼ見えません。

 無意味だったかもしれない。くっ。


 この頃は毎夜、歯磨きしながら自分の絵を眺めてチェックしておりました。

 それで思うのです。

「私の絵って、なんでこう線がガビガビなんだろう」と。

 もしや、ベクターレイヤー特化型アナログペンの『境目のぼけ(アンチエイリアス)』設定がおかしいのでは……? とか思っていたら、操作ツールのプロパティで『ブラシ形状』が変更できることに気づきました。


 そりゃもう、驚愕しましたとも。

「ベクター線の色が変えられなかった理由は、これかーい!」


 公式ガイドブックには『透明色で修正するやり方もある』と書かれていました。

 なんやて!? Σ/(^o^)\

 キレイに消せる消しゴムはベクター用しかないじゃん……と思っていたら!

 くっ、次回試してみます!





●線のプロパティをいじる

挿絵(By みてみん)


 さて、そんな訳で……今まで引いてきた輪郭線を、全てチェックすることになりました。


 ブラシ形状をかえたら黒一色だった線が、青になったり、ピンクになったり、白になったりしましてですね……。私がしつこくスポイトした色情報を、ベクター線たちは持ち続けていたのですね。なんともいじらしいことです。

 ちくしょう(本音)


 面倒臭いので、ラスタライズ → 色相変更しようかとも思いましたが、ベクターのまま黒に戻すというコマコマした作業をやりました。

 もう、同じ(てつ)は踏みませんっ…… (TдT)


 ついでに線のゆがみを直したり、納得いかない線を消して引き直したり。

 独立点(仲間とはぐれた線のカケラ)をみつけて除去したり。




 今回のイラスト、絵としては固くて面白みに欠けますが、『仕上げ』という点では、かなーり良く出来たと思います。

 左腕の角度や、体の向きはおかしいですけど。

 でも頑張った!





●完成

挿絵(By みてみん)


 ライトグレーでのっぺりしていた背景を、紺系に変更しました。上半分には強めブラシで黒を入れてボカして……。

 カーティスの赤い髪や神官服がくっきり出たと思います。


「星影さんのお好きにつかってどうぞ」と入れたのは、今後発生するかもしれない手間をはぶくため。

 どんな経緯で誰が描いたのか分かれば、説明もいらないし合理的かなぁと考える無精者です(;^ω^)


 そんなわけで完成です!

 これでゴールです!

 おつかれさまでした~!



 今回も企画をしてくださった長岡更紗様に感謝を。

 カーティスの創作者である星影さき様にも感謝です。

 ありがとうございました! \(^o^)/



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なろう美術館へようこそ! 〜第一回 イラスト交換企画を開催しました〜

↓クリックすると飛びます↓
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(長岡更紗さん作 イラスト交換企画の美術館チケットです)
― 新着の感想 ―
[良い点] デジタルすげぇ! 私もデジタルなのに、アナログな描き方をしているため、全く生かせていません。(笑) 下絵を探すのって大変ではないですか? 私も参考資料を探すことがよくありますが、「違うんだ…
[良い点] ぶほっ……凄すぎます (;'∀') [一言] いつもいい加減に描いている私が恥ずかしくなりました ><。 椅子とかのこだわりが凄いっす☆彡
[良い点] 拝読、拝見しました。 プロですか? ええ、絶対にプロですね。 これは本当にすごいです。以前、中村さんへのイラストもすごかったですけど、めちゃくちゃこだわっていらして、この完成度の高さ。 …
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