表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇国召喚 ~壬午の大転移~(己亥の大移行)  作者: 303 ◆CFYEo93rhU
番外編
91/116

番外編19『巡洋艦大井と北上の現在』

 対潜巡洋艦大井。

 元は球磨型軽巡洋艦であった大井は、現在は北上と共に「対潜巡洋艦」に改装されている。


 元世界で仮想敵国であったソ連、ドイツ共に、潜水艦大国であった。

先の欧州大戦でも、ドイツの潜水艦がインド洋や太平洋で暴れ回った事からすれば、来たるべき第二次欧州大戦、あるいは第二次皇露戦争でも、皇海や太平洋を潜水艦が暴れ回ることは容易に想像がつく。


 皇国は、対策として2隻の軽巡洋艦を試験的に「対潜巡洋艦」へと改装した。



 潜水艦を制圧するためには、まず発見からだ。

 大井と北上は、浮上航行中の潜水艦を発見するためのレーダーと、潜航中の潜水艦を発見するためのソナーが最新のものを搭載された。


 また、対潜哨戒機や駆逐艦、駆潜艇等と密に連絡を取り合う為の高性能な指揮通信装置を装備。


 武装は14cm単装砲が4門(片舷3門)と61cm4連装魚雷発射管2基(これは、開発中の対潜誘導魚雷も運用可能な新型発射管だ)、そして目玉は24連装ヘッジホッグ4基と288発の新型爆雷。

 この新型爆雷は流線型で、従来のドラム缶型の爆雷よりも沈降速度が3倍速く、沈降精度も高い。


 大井と北上の2隻は、皇国海軍の対潜任務における切り札的存在として、大いに期待されていた。



 しかし、両艦の運命は転移によって大きく変わった。


 転移後の世界に、皇国海軍以外で潜水艦は存在しない。

 そうすると、片舷で14cm砲3門、61cm4連装魚雷発射管1基という、下手をしなくても特型駆逐艦より低い対水上艦性能では、同じ球磨型の中でも足を引っ張る存在になってしまった。


 再転移で元世界に戻った時の事や、再改装する手間隙を考えれば、これを元の普通の軽巡洋艦に戻すという案は早々に却下された。


 ある意味、戦艦以上に使いようの無い浮いた存在になってしまったのだ。

 戦艦は、油さえ十分にあればこの世界でも十分に使い勝手がある。

 その火力は、1隻で空母機動部隊の一斉空襲に匹敵するのだ。


 だが、大井と北上はどうにもならない。

 限界まで対潜関連装備を搭載しているので、汎用性が皆無だ。


 呉の港に繋がれたままの大井と北上は、これからも港に繋がれたままだろう。

 再び元の世界に戻る、その日まで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ