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皇国召喚 ~壬午の大転移~(己亥の大移行)  作者: 303 ◆CFYEo93rhU
番外編
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番外編18『戦竜の黄昏』

「戦竜と大砲を一体化するなど、馬鹿げている」

 戦竜の飼育長兼調教師であるバーフは、そんなもの当然だとでも言うように、戦竜連隊長のスロネの言葉を遮った。

 だが、劇的な敗北を喫してしまったスロネは、食い下がる。

「しかし、そうしなければ敵に対抗できない」


「大砲なら砲兵の領分だ。戦竜に大砲を輸送させるなんて馬鹿げている。大砲輸送は馬の仕事だろうに」

「それではダメなのだ! 敵は戦竜の突進力と大砲の火力、要塞並みの防御力を持っているんだ」

「銃ではダメなのか? 固定式の大型銃なら、戦竜の皮膚も貫く」

「ダメだろうね。敵の鉄の装甲には、こちらの野戦砲も効かないんだ。大型銃程度では……それに射程が段違いなんだよ。なんとか火力で対抗できるのは砲兵なんだろうが、砲兵では機動力が足りない。戦竜の機動力と大砲の火力が無ければ、敵の鉄製戦竜に対抗できない」


「接近戦に持ち込めば――」

「その前に撃ち殺されるのがオチだよ」

「では戦竜に今までの倍の厚さの鎧でも付けるか? 重くて敵に追いつけないだろうがね」

「…………」

「いいか? 戦竜、もっと言えばプロキオプスは現在人類が飼育できる範囲で最強の陸棲動物なんだ。そして敵も同じ人間なのだ。それで敵わないというなら、努力が足りないか、工夫が足りないか……」

 一呼吸を置くと、バーフは静かに言った。戦竜の時代は終わったのだ。と。

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