ナント王国王妃来航国賓晩餐会(10)
10
「結局こうなるなら、最初から自分も今回の参加者ですって伝えておけばいいのにね。」
彩都がカバンから飲料水を出す。
「本人としては、仕事とプライベートのけじめをしっかりつけたいそうですよ。」
Miraが彩都に答える。
「でもさ、結局王妃に見つかってこうなるなら、最初から自己申告したほうがずっと効率いいと思うよ。きっと今から雫だけ勤務内容変わるし。」
チコがカバンからチョコレートを取り出して口に頬張る。。
「チコ私にもちょうだい。」
「いいよ。」
チコが斜め前に座るメーラに向かってチョコを投げる。
「ありがとう。」
メーラがチョコを受け取ってカバンにしまう。
「今食べないの。」
「ええ、あとでね。」
その隣では、スマスが髪の毛を直している。
「今直さなくてもよくないか?」
レークがスマスのほうを見る。
「今だから直すんだよ。入場が始まったら、美しいレディーたちと出会うだろ。」
「任務中だぞ。」
「関係ないね。僕を見るレディーたちの目にみっともない僕の姿が映ることに耐えられないんだ。」
「はー。」
レークがため息をついた。
「今日はもう雫に会わないだろうね。」
糸奈が手首にできた切り傷に絆創膏を貼りながら呟く。
「糸奈、その傷どうしたの?」
彩都が糸奈の左手首に触れる。
「さっき電車でしゃがんだ時に擦った。」
「大丈夫か?」
「問題ない。」
「よかった。」
彩都が糸奈の手首を撫でる。
「早く治りますように。」
「ありがとう。」
彩都が頷いてシーナを見る。
「シーナどうかした?」
「なんで?」
「ちょっと顔色が悪いから。」
「あー、電車の人口密度の高さに疲れただけよ。こうやって少し休めば問題ないわ。」
「無理はするなよ。」
クシーがシーナの首筋に冷却魔法をかける。
「涼しいわ。ありがとうね、クシー。」
「どういたしまして。」
Miraがグループメートたちを見回した。
「雫がいなくても問題なさそうですね。」
「雫が急にいなくなることっていつものことだろ。」
スマスがMiraにウインクする。
「ええ、任務に王族方が絡むときはなおさらそうですね。」
「私たちだけでも大丈夫だよ。」
チコがぴょーんとソファーから立ち上がった。
ナント王国王妃来航国賓晩餐会
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「結局こうなるなら、最初から自分も今回の参加者ですって伝えておけばいいのにね。」
彩都がカバンから飲料水を出す。
「本人としては、仕事とプライベートのけじめをしっかりつけたいそうですよ。」
Miraが彩都に答える。
「でもさ、結局王妃に見つかってこうなるなら、最初から自己申告したほうがずっと効率いいと思うよ。きっと今から雫だけ勤務内容変わるし。」
チコがカバンからチョコレートを取り出して口に頬張る。。
「チコ私にもちょうだい。」
「いいよ。」
チコが斜め前に座るメーラに向かってチョコを投げる。
「ありがとう。」
メーラがチョコを受け取ってカバンにしまう。
「今食べないの。」
「ええ、あとでね。」
その隣では、スマスが髪の毛を直している。
「今直さなくてもよくないか?」
レークがスマスのほうを見る。
「今だから直すんだよ。入場が始まったら、美しいレディーたちと出会うだろ。」
「任務中だぞ。」
「関係ないね。僕を見るレディーたちの目にみっともない僕の姿が映ることに耐えられないんだ。」
「はー。」
レークがため息をついた。
「今日はもう雫に会わないだろうね。」
糸奈が手首にできた切り傷に絆創膏を貼りながら呟く。
「糸奈、その傷どうしたの?」
彩都が糸奈の左手首に触れる。
「さっき電車でしゃがんだ時に擦った。」
「大丈夫か?」
「問題ない。」
「よかった。」
彩都が糸奈の手首を撫でる。
「早く治りますように。」
「ありがとう。」
彩都が頷いてシーナを見る。
「シーナどうかした?」
「なんで?」
「ちょっと顔色が悪いから。」
「あー、電車の人口密度の高さに疲れただけよ。こうやって少し休めば問題ないわ。」
「無理はするなよ。」
クシーがシーナの首筋に冷却魔法をかける。
「涼しいわ。ありがとうね、クシー。」
「どういたしまして。」
Miraがグループメートたちを見回した。
「雫がいなくても問題なさそうですね。」
「雫が急にいなくなることっていつものことだろ。」
スマスがMiraにウインクする。
「ええ、任務に王族方が絡むときはなおさらそうですね。」
「私たちだけでも大丈夫だよ。」
チコがぴょーんとソファーから立ち上がった。




