みんなの朝(2)
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朝、レースカーテンから入ってくる光を目覚まし代わりにして、Miraがゆっくり目を開けた。
「朝ですか。」
ゆっくりベッドの上で体を起こし伸びをする。
「今何時でしょう。」
壁に掛けている雫の形をした時計にMiraが目をやった。
「6時半ですか。いい時間ですね。起きましょう。」
Miraがベッドを出て洗面台に向かう。
「やはり昨日帰りが遅かったので、少し睡眠不足ですね。」
Miraの家の洗面台には小さなお花が生けられていた。
「今日はあー、夕方から警備任務が入っていましたね。早く帰れるということに期待しない方がよさそうです。」
Miraがメークとヘアセットを済ませ、冷蔵庫に入れておいたレモンティーをカップに移して飲みながら、魔道良に行くための荷物をまとめた。
「いけません。午前中の会議の資料を忘れるところでした。」
本棚に差し込まれたファイルを一つカバンに入れて、Miraがカバンのチャックをしめた。
「さあ行きましょう。」
玄関に置かれた鏡台でMiraが身だしなみを確認する。
今日は夏にふさわしい、薄緑色のワンピースで金色の長髪を大きな白いリボンでまとめポニーテールをした。
「それでは行ってきます。」
玄関に置いた小さなテーブルに置いてあるダイヤモンドでできた人形にそっと手を当ててから、Miraが家を出た。
Miraが住んでいるのは、魔道良が独身の魔道良で働く社員と魔道師専門学校に通う生徒、魔道良研究所に所属する社員専用に作った一人暮らし用の住宅だ。
魔道良の南棟の奥に広がる敷地に高層マンションがいくつも建っている。
20個前後ぐらいだ。
魔道良の南棟に向かって建物同士が2棟ずつ向かい合って建ち、1番奥野建物は魔道良の南棟に向かって建っている。
分かりやすく例えれば、会議室の机のような感じだ。
マンションの間のスペースは歩行者天国になっていて、いつもさまざまな服を着た社員や学生が行き交っている。
車は地下のスペースを使うので、事故にあう危険性もない。
食料品や日用品は魔道良の敷地を抜けたすぐ近くにショッピングモールがあるため問題ない。
(なるほど、今日も天気はいいようですね。強い風も吹かないようなので、任務に差し障りはないでしょう。)
Miraがスマホを見ながら魔道良に向かって歩いていた。
「Mira。」
後ろから声をかけられてMiraが止まると、後ろから制服を着たシーナが追いかけてきた。
「おはよう。」
「おはようございます。シーナ。」
Miraはシーナの服を見る。
「推奨服ですか?」
「うん、7時からの1時間目行ってから、8時のミーティング行くんだ。」
「偉いですね。」
「昨日学校行き損なっちゃったからその埋め合わせだよ。」
「1時間目は何ですか?」
「えっとねえ、天文学。」
「なるほど、好きだから授業に出ようと思ったのですね。」
「うん。」
「頑張ってください。」
「ありがとう。」
シーナがMiraに手を振って駆けて行った。
(さて、私は早くオフィスに行って昨日雫から受け取った書類に目を通しましょう。)




