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スマスとたね(0)
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命あるものにはすべてに終わりが来る。
これは不変であり、絶対であり、天つさえ例外は存在しない。
けれど、世界には愛でられる命と愛でられない命があると僕は思う。
場合によっては、目覚めないまま世界を去る命だってあると思う。
僕はそれを悲しいと思った。
無情だと思った。
だからそんな命を無くそうと思ったんだ。
本来目覚めることなく世界を去るはずだった命をこの手で救い上げ、愛でられることのないはずだった命に溢れんばかりの愛情を注ぎこんで、その命が終わりの時この世界に生まれたことを喜びながら眠りにつけるようにしたいと思ったんだ。
きっとこれは僕の我がままだ。
僕の自己満足だ。
すべてを平等に愛でようとしない社会に対する当てつけのようなものだ。
いや世界なんてはっきりと形を成さないものに対する当てつけじゃない。
これは僕の家族を苦しめ、僕の人生に選択の余地を残してはくれなかった社会に対する当てつけだ。




