レークと雫の三者面談(6)
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「おはようございます。」
雅君と別れて私が道を曲がると、正門のところに舞薔薇先生がいた。
雅君がひっしになって道を曲がる前に私を止めたのは、ここに舞薔薇先生がいたからだったのだ。
私は雅君に感心しながら舞薔薇先生の前に行った。
「少し遅れてしまいましたね。暑い中お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。」
私と上手が一礼する。
「いえ、お気になさらないでください。ご案内いたします。」
私は舞薔薇先生の顔を見る。
もしさっき雅君が教えてくれたことが本当なら。
(上手。)
私は上手にエスパー魔法を飛ばした。
魔道特性のない舞薔薇先生にはこの声は届かない。
(途中で私と別れて、高等部主事の松原先生のお部屋に伺いなさい。もし松原先生がいなければ副主事でも教頭でもいいわ。大切なことは、学園の管理職を見つけることよ。学園の管理職を見つけ、今回のことを伝え、面談をしている教室に来てもらいなさい。私の居場所はGPSを頼りにすればいいわ。私も一応先生との面談の内容を録音しておくけど、本人に聞いてもらった方が確かだわ。)
上手はエスパー魔法を使えないから返事は返ってこなかった。
しかし、上手の足音に乱れがないことを考えると了解してくれたのだろう。
(あっ。)
私が一瞬後ろを振り返ったときにはすでに上手はいなかった。
「さきほどまで近くにいらっしゃった秘書の方は?」
エレベーターに乗るために舞薔薇先生が止まり私を振り返って聞いてきた。
「別件の公務を思い出しましたので彼に任せました。」
「そうですか。」
「はい。」
私は舞薔薇先生を観察する。
いつものような感情の乱れが今日は全く見られない。
冷静に落ち着き払った顔をしている。
落ち着いているというよりも、余裕しゃくしゃくといった顔だ。
いつも面談の時は、半分きれそうになりながらすごい形相でレークの悪口を並べる先生の顔には見えなかった。
やはり何か企んでいるのかもしれない。
雅君の話してくれた仮説が確実になる予感が私の中で高まっていった。




