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魔道良2205室ポリス業務部ポリス業務向上課ポリス担当魔道師職員指導室チーフ木漏れ日 雫(1)

1


上手に連絡をしないと。)

担当局を出て廊下に置かれているソファーに座り、私はスマホを立ち上げる。

「はい上手です。」

しばらくのコール音の後上手が電話に出る。

「私よ、今神町さんとの話が終わったわ。これからMEMCに向かうから。」

「かしこまりました。では私はグループルームに待機しておりますね。」

「ええ。」

(あっ、そうだ。)

「上手。」

「はい。」

「生命体治療室に問い合わせをしてくれる?さっきシーナのカバンにいたオフォーンの預かり許可が下りたみたいなんだけど、シーナが預かり責任者になったそうなの。一応確認してもらえるかしら。」

「かしこまりました。」

「じゃぁよろしくね。」

「はい。」

私は電話を切って長い溜息をつく。

(疲れた。)

さすがにそろそろきつい。

今夜はノーエルから帰ってきたら、仕事を済ませて久しぶりに帰宅する予定だったのに。

(えーっと。)

ここは20回だから、45回までエレベーターで上がろう。

この時間なら、エレベーターが混んで乗れないということもないだろうし。

「お疲れ様です。」

「お疲れ様です。」

エレベーターほおーるですれ違った女性に挨拶をされて私も慌てて挨拶を返す。

24時間体制の部署でない限り、常勤勤務終了時間は大体17時から18時だ。

このフロアーには常勤シフトの部署しか入っていないから、、この時間にここにいるということは神町さんと同じように残業をしているということなのだろうか。

魔道良は残業手当こそ出るけれど、部署や立場を問わずう忙しい。

「上に参ります。」

ホールを囲むように設置された15台のエレベーターの中でも一番小さいサイズのエレベーターの扉が開き、私はそれに乗ってモニターに45回を入力する。

「扉が閉まります。」

全面ガラス張りの壁から外を見ると、たくさんの車が行き交う景色が見えた。

(早く帰りたいなぁ。)

「45回です。」

45階で止まったエレベーターからホールに出た時、近くの自販機が目に留まった。

(たまにはいいかな。)

私は自販機の前に行き、社員証をかざす。

魔道良職員の特権で、魔道良内の自販機での購入はすべてただになるのだ。

私は砂糖10倍のミルクティーを買ってMEMCの大きな自動ドアをくぐった。

「雫。」

MEMCは何時に来てもたくさんの人であふれている。3時間おきに引き継ぎに来るポリス職員、ボックスで仕事をしているMEMCの職員さん、いろんな人が行き交う45回のMEMCのエントランス的場所で私に声をかけてきた職員の声に私ははっとした。

「水竜。」

「お疲れ。」

「お疲れさま。」

水竜がこちらに手を振って歩いてくる。

「驚いた?」

「当たり前でしょ。あなたがこんなところにいるなんて。」

「釵さんのお使い。あの人はもう帰ってるけど、必ず雫を連れてくるようにってね。」

水竜は私の前に立って明るい笑顔を浮かべる。

「えっ、26グループC藩の話には、釵さんも絡んでいるの?」

「当然。ノーエルの支援部隊として派遣されていた時とはいえ、ポリス業務としてのミスなんだから。事の重大さは雫が1番善く理解していると思ったんだけど。」

「まあ、それは一園さんにも言われたけど。ねえ、本当に私がするの?」

「うん。現場も満たし、彼らの失態の一部始終を見てきただろう。いいじゃないか。一応チーフなんだし。」

「えっ。」

この場にいた職員たちがみんな私を見る。

なんでこの人はこの部分だけ大きな声で言ったのだろう。

「ちょっと。」

「別にいいだろう。」

「あの水竜ポリス担当魔道師職員指導室副チーフ統括どういうことかお聞きしてもよろしいですか?」

近くで別の仕事をしていた若い職員が、わざわざ水竜に声をかけに来る。

「どうもこうもここにおあします木漏れ日雫さんは、魔道良2205室ポリス業務部ポリス業務向上課ポリス担当魔道師職員指導室チーフの一人だよ。」

「ええ!」

水竜が自分のことのように胸を張って答え、MEMCの中がざわざわする。

「ほかにもいろいろあってね。」

(もう。)

「水竜ポリス担当魔道師職員指導室副チーフ統括。」

私は声を大きくし、抑揚を調節して水竜に声をかける。

「それ以上は。」

私の笑みとは裏腹に右手を自分の後ろで握りしめていることに水竜が気づいていないわけもなく。

「やれやれこれ以上本人の前で話したら、切れられそうだから続きはまた今度ね。」

私はふーっと息を吐く。

「教官本当に私でいいんですね?」

「うん。」

「罰則の詳細は?」

「雫が決め手。詳しいことは向こうで話すよ。」

水竜があまりにラフな感じで答えるから、どうしても心配になってくる。

「本当に私でいいんですか?心配なんだけど。」

「何も問題ないよ。チーフなわけだし、星もここの綱分だし。」

「えーっ。」

「水竜副チーフ統括そのお話もっと詳しく。」

水竜に詳しいことを聞きたいという職員たちと、水竜を全力でにらむ私。

長い溜息が出てしまった。

「あれみんな知らなかった?木漏れ日雫さんは、高校2年生の時にポリス担当職員資格星九つを取得積みのエリートなんだよ。」

「水竜副チーフ統括いい加減に。」

私はもう1度笑顔で水龍に声をかける。

「一応私の中ではあまり公開していない情報なんです。そのあたりを十分にご留意いただいたうえでご発言ください。」

「わかったよ、ごめんね。」

ようやく私の気持ちが伝わったようで水竜が軽く頭を下げてきた。

「わかっていただければ、十分です。」

「でもさぁ、雫がこの話を辞めないのも悪いよね。」

それはそうなのだが。

「そういうわけだから、みんな詳しい話はまた今度ね。」

私が口を開く前に水竜がきらっと笑ってこういった。

(結局花好きなのか。)

私はため息をついて水竜を見る。

「そちらに行く前にこちらで報告を済ませたいので、もう少し待っててくれますか?」

「もちろんさ、この辺に座ってるから終わったら声をかけて。」

「はーい。」

私は水竜に軽く手を振ってカウンターのほうへ向かった。


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