デートです続(俺〇イルではない)
前回までのあらすじ (これ、いる…?)
俺とハミエルは日用品を買い揃えるために、家の近くにあるショッピングモールまでやってきた。
買い物を楽しんでいた所をそこにアンジェリカと名乗る悪魔に俺達はおそわれた。そして、俺はそのアンジェリカにラノベ主人公がごとくセクハラをし、泣かせてしまい恨みを買った。以上!
「あんなことがあったばっかりなのに、買い物は続けるんだな。」
俺がそう言うとハミエルが
「そりゃ、まだいろいろと買ってないものも沢山ありますし、せっかくのありかさんとのお出かけですから。」
と笑顔で言ってくるのだから反論できない。
俺のことをなんでこんなに、気に入ってるのかさっぱり分からないが、さっきからずっと気になっている事がある。
「おい。バレバレだからこっち来たらどうだ。」
俺がそう言うと、後ろの自動販売機の影からアンジェリカが出てくる。
なんせ、逃げ出したと思ったらすぐに戻ってきてずっと俺たちを尾行してきたのだ。それも、すっごいバレバレで。気が付かないやついないだろってつっこみたいぐらいに。
「え!いつの間にいたんですか!?全然気が付きませんでした!」
どうやら、隣にいたようだ。
「いや!ハミエル、お前、服屋をあとにした時にすぐに悪魔がいるって気がついたのになんでこれはきずかねぇんだよ!?」
「いや、悪意のある気配は、天使のご都合主義能力で気がつけるんですけど。どうやら、アンジェリカさんは少なくとも今は、悪意が無いみたいですね。」
へぇー、天使なんでもありだな。天使は戦えないって言っていたがそのうち、めちゃくちゃ戦闘したりして…
「あ、あのな!!魔王様がお前にぞっこんなんだ。だから、来てくれ!!頼む。さっきは嫉妬してつい攻撃しちまったんだけど謝るから。ごめん。」
アンジェリカがもじもじしながら俺に向かってそう言う。
いや、魔王よ。俺にぞっこんってどういう事だよ。気持ち悪いよ。てか魔王あった事ねぇのにというこで俺が返す言葉は当然決まっている。
「いや、断る。すまん。」
するとアンジェリカは信じられないという顔をして俺に言ってくる。いや、そんな顔されても…
「何でだ!!魔王様は、全悪魔の憧れで凄いんだぞ!」
「いや、そんな事言われてもいきなり女にされて来い!何て言われても行けるわけねぇえって。それに、会ったこともないし。」
俺がそう言うとアンジェリカは不思議そうな顔をする。そして、何故かハミエルも不思議そうな顔をしていた。
「え!あかりさんおかしいですよ。あかりさんは、幼少期のころあってるはずなんですから!」
そんな、ことを言われてもそれだけは絶対にないと言える。
何故なら、俺は幼少期ぼっちでちょっとの期間だけ女の子と仲良くしただけなのだから。
おい!そこ!今もぼっちだろ!って言ったやつぶっ殺すぞ!!
「と、とにかく。あかり、お前が魔界に来てくれないと困るんだよ!だ、だってお前が来てくれないと私帰れないもの!うぇぇぇん」
そんな事を、言ってアンジェリカがいきなり泣き出した。やべぇよ。通りがかりの人にメッチャ見られてるよ。こいつ見た目がロリだから俺がなんか泣かせた感じになってるし…
「お、おい。まぁ、落ち着け。か、帰るとこがないんだってな。じゃ、う、家に来るか…?」
「えぇ!あかりさん!私の時はダメな感じだったのに何でですか!」
「親、いねぇんだしお前もいるんだ!もう1人増えようが一緒にだよ。」
この時の、俺は本当にどうかしていたのだろう。ちょっと考えれば、いや、ちょっと考えずとも分かっただろう。
自分がどれだけ、めちゃくちゃなことを言ってるのかを…
だけど、俺はどうやら女の子の涙というやつに弱いらしい。だって、こんなアンジェリカの顔を見たらもう今のなし!何てことを言えるわけ無いのだから。
「ほ、本当にいいのか!ほ、本当にだな!」
アンジェリカが満面の笑みでそう言うのだから。
隣の奴はめちゃくちゃ不満そうな顔をしているが…
しかし、本当の悲劇が待ち受けているのはこの後だということを俺は知らない。
※※※
家に帰って来たら詩織が出迎えてきてくれたのだが、「ふ、増えてる。」という言葉を残し気絶した。
この後、俺とハミエルは大変だとギャーギャーわめきだして収集つかなくなった。
こうして、我が家には、また人外の居候が増えたのだった。
※※※
そこは、少し薄暗く怪しげな雰囲気をかもし出している。場所だった。そこには、やたらと豪華な椅子があり、その椅子にタキシードを着て髪をオールバックにした男が座っていた。そして、そのタキシードの男が口を開く。
「うーん。暇だし、俺も行こっかな。人間界。」
「な、何を言ってるんですか!!あ、あなた様が行かれたら…」
側にいた、女の言葉を途中でくぎりタキシードの男は喋り出す。
「いやぁ、なんて言うか俺も見ておかないとね。安達ありかをね。」
女はどこか、納得の言ってないような顔をした後諦めた顔になり
「仕方ありませんね。行ってらっしゃいませ。『魔王様』。」
そう、言ったのだった。
『魔王がやって来ました』に続くよ!