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挨拶

作者: 空気雲

毎回、家に入るときに誰かが居る気配を感じる。

ただ、感じるだけでどこをどう探しても誰も見つからないけど。

最初のうちは怖かったが最近ではそれにも慣れて、

「ただいま」なんて言ってしまう始末だ。

独り身で寂しい生活を送る自分としては、家に誰かの気配が

あるっていうのは嬉しくもあるらしい。傍から見ると能天気に見えるかな。


今日も仕事が終わり、「ただいま」と言って家に入る。

ジャケットを脱いでハンガーにかけて買ってきたコンビニ弁当を

テーブルに置く。ネクタイも外してお風呂に入る準備をする。


ピンポーン


ん?誰だろう、ネットショッピングの宅配便かな?

そう思ってインターホンに出る。


「はい」


カメラがついてないので相手の姿がわかんないのはこういう時に辛いよな。


「ただいま。開けて」


「…」


当たり前のように、それが当然であるかのように喋りかける声。

勿論、俺はひとり暮らしだ。誰かと、ルームシェアをした覚えはない。

いや、一人だけ知っている。ずっと前から住んでいる住人を。

俺が毎日「ただいま」なんて言っていたからなのかも知れない。

相手は自分がここに住んでいることを、いることを認めてもらえたと

思ったのかもしれない。だから、それが当然であるように

「ただいま」と喋りかけてくる。

そういえば、ドアの鍵かけたっけ…?

俺が玄関を見たときにはドアは少しずつ開いていた。


誰かが、入ってくる…。

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