至れり尽くせり
最新式の車がある。従来の機能はもちろん、行き先を告げるだけで、運転する必要なく目的地へと連れていってくれる。燃料も不要で、その気になれば空や海の航行も可能だった。
機能はそれだけにとどまらず、利用者の心情を自動で読み取り、その時に適した音楽を流したり、映画やドラマ、バラエティを車内のスクリーンに映し出したりもする。
お腹が空いたり喉が渇けば、前席正面にあるダッシュボードの一部がスライドし、そこから様々な飲食物を提供してくれる。お酒も出てくるが、別に運転をするわけでもなし、誰にも咎められない。
まさに至れり尽くせり、夢のような車だが、ただ一つ難点を挙げるとすれば、手のひらほどの大きさで誰も乗る事が出来ない。