Phase:5
「アルタイル、現時点で作成可能な装備を表示してくれ」
『一覧としてはこちらになります、マシロ様が設計された装備は別枠で表示することも可能ですが、いかが致しますか?』
「頼む」
『了解いたしました』
マシロ君のほうもいろいろ作ってたみたいだな、設計段階のも多くあるが、長距離の狙撃が可能なビーム兵器や積層装甲、索敵範囲を広げるアンテナのようなものも・・・、どれも消費はそれなりに多いが新型動力炉の出力なら詰め込み過ぎなければ問題なく扱えるだろう。
マシロ君の方は素体が悪くないからこっちと違ってまるっと作り変えるまではしなくてもいいだろうし。
「アルタイル、とりあえずコイツをパーツごとに分解できるか?」
『問題なく行えます、こちらでやっておきましょうか?』
「あぁ、頼んだ」
アルタイルの操作により作業用マキナがBSの分解作業に入る、動力炉は取り替えるとして・・・
「アルタイル・・・、そうだな、タイプはBM型をベースに改造していくつもりだから・・・、BMの最新機を参考に内部フレームはクロモリで設計してみてくれ」
『操作方法はどのタイプをお考えですか?』
そうだな・・・AIを乗せるのもありなんだが・・・AIの場合想定外の自体には弱いしなぁ・・・
「基本的な操作自体はこちらでコクピットによる遠隔操作にして、AIによる補助を入れるようにしたいんだが、出来るか?」
『可能です』
工房のディスプレイにマキナの内部フレームと操作ブロックが表示される、360度の視界確保のために高解像度のカメラアイも付けたいから・・・、そうだな、
「操作関連のパーツは機体下部にしてくれ」
『了解致しました』
その後もアルタイルと設計と構想を繰り返していく、
結局、基本的なパーツの骨組みは出来たのだが積み込む武装で行き詰った
こんなときは一人で考えてもいい案は浮かばないだろうと、マシロ君に通信をかける
「マシロ君?そっちはどうだい?」
「あ、伯父さん、こっちは結構行き詰ってます・・・、そっちはどうですか?」
「骨組みは出来たんだけどね、装備のほうが迷っちゃって・・・」
「一回休憩しますか?」
「そうだね、根をつめすぎるのも良くないだろうし」
一度ログアウトしてリフレッシュすることに・・・、
まぁリフレッシュと言っても近場のファストフード店なんか軽くつまむ程度だ、
ふたりで雑談をしながら過ごしていると隣の席で言い争っているような声が聞こえてくる、まぁ隣の席だからこそ聞こえる声量ではあったのだが・・・、
「だからー!あの出力だと積める武器なんてたかが知れてるんだから火力に特化させたほうがいいって!」
「いやそれ1発かわされたらオシマイでしょ?小型のビームとスラスターのほうが絶対いいよ」
「それ相手が盾持ちだったら抜けないじゃん!」
「伯父さん・・・あのひと達って・・・」
「うん、多分あのひと達もやってるんじゃないかな、マキナ」
「意外といるんですね、プレイヤー」
「珍しいね」
マキナについて口論していたのは大学生ぐらい?と思われる双子の姉妹・・・なのかな、ソックリだし。
と、マシロ君の視線に気づいたのか片方がこっちに向かってきた
「なによアンタ!今こっちみてたでしょ!」
「す、すいません!お姉ちゃん!変な言いがかりつけるのやめなよ!」
「いえ、大丈夫ですよ、あはは・・・」
「絶対みてたもん!」
「荒れてるのは分かるけど八つ当たりはやめなって!」
「ぬー!」
「ホントにすいません!ほら行くよ!」
結局妹のほうに引きづられるようにして双子の姉妹は去っていった、
「大変だったね」
「いえ、大丈夫です」
結局リフレッシュといいつつもあんまり気分転換にはならなかったかもなぁ・・・
マシロ君はなんか絡まれちゃってたし・・・
「双子ねぇ・・・」
「あっ!そうだ!」
「うん?なんか思いついた?」
「いや、今まで役割を別でそれぞれに作ってたじゃないですか」
「うん、そうだね」
「下手に役割とか考えて作るよりは汎用機ふたつ作っちゃってもいいのかなって」
「あー!なるほどね、まぁ最初から特化型でいかないってもの確かに大事だな」
「対戦してるうちにいろいろ思いついたらそれはそれで作ってもいいですし」
「そうだね、だとすると手軽に換装が出来るようにしておくのもいいかもね」
「ですね、おぉ!いろいろアイデア沸いてきました!帰ったら早速作ってみましょう!」
こっちもいろいろ沸いてきた!思ったよりリフレッシュになったし!あの双子には感謝だな・・・