Phase:4
「これは・・・う~ん、武装が無かったのはそういうことか」
「こっちも出力がいっぱいいっぱいですね、伯父さんのよりはありますけど、バンバン撃ってたらすぐエネルギー切れになりそうです」
開発作業は行き詰っていた、まぁそりゃそうだ、いくら案があろうと、いくら強力な武装を開発しようと、動力がなければ使えない、現状僕のBS型の動力炉はポンコツもいいとこ、最初は盾と銃一緒に持てばいいのにと思ったがこれは納得だ、盾を積んだら出力がいっぱいで他の武装が積めなかったってことか
「アルタイル?」
『はい、ラズール様、ご用件はなんでしょうか』
「現在一般公開されている最新型の戦闘用マキナの動力炉の設計図と性能、あと僕とマシロ君のヤツとの性能比較表を見せてくれ」
『はい、ラズール様、こちらになります』
表示された動力炉は僕のを1とするとマシロ君のは1.8で最新型でも2.4と、かなり苦しい、これではいくら武装を積んでも使えるのはわずかだ。
「こりゃあ動力炉の開発から始めないとかもなぁ」
「これじゃあ装備の幅が狭すぎてかなりきついですもんね、でも動力炉自体の開発なんてどうします?」
「そうだなぁ・・・、アルタイル、戦闘用マキナの動力炉の基本的な構造と原理なんかはあるか?」
『こちらになります』
アルタイルが工房備え付けの大型ディスプレイに表示したのは液体燃料を燃焼させることでエネルギーを発生させるエンジンだった・・・、
まぁ使えるエネルギーが積んだ燃料分だけってことだし、要は火力発電ってことならこの出力の悪さも頷けるな、
マキナティクスでは戦闘用マキナの武装や出力ではなく、マキナの大きさが基準となっている、まぁサイズが決まっていればドデカいエンジン積んでビーム撃ち放題!とかはできないしなぁ、
だがこの動力炉問題は早急に解決しないとなぁ、高出力のビーム1発撃ったらエネルギー切れですなんてのはかなり厳しいもんなぁ、
まぁ現実世界と違って大爆発しても地球が滅んだりする訳でもないから実験ならいくらでも出来る。
よし、そうと決まれば動力開発!
「とりあえず僕のほうは動力炉の開発をしていこうと思うんだけど」
「じゃあこちらは武装や装備なんかの開発とかをやっていこうと思います」
さて!実はこのMWでは、体感時間の加速をするシステムが搭載されている、この機能により、現実世界での1時間は5倍に引き伸ばされ、より多くの時間を研究開発に使用することが出来るのだ・・・と言うことでガンガンやっていくぞー!
研究開始から(ゲーム内時間で)一ヶ月、稼動実験場
「出来た・・・え?これマジで出来た!?」
『ラズール様、おめでとうございます、現状この動力炉は安定稼動しています、これならば十二分に実用が期待できます』
「うぉーーーーー!やったぁーーーーー!ついに・・・ついに完成したぞ!」
早速マシロ君に通信を送る
「マシロ君!」
「はい、そっちの進捗はどうですか?」
「完成したよ!新しい動力炉!」
「え!?ホントですか?」
「今稼動実験を終えたところだから工房のほうにもって行くよ」
「了解です!」
工房に着くとマシロ君のほうは装備の開発をしていたようだ、作業用マキナの周りには装甲材や部品が転がっている・・・、
「これが完成品ですか?」
「そうだよ、よし、アルタイル、従来の動力炉と僕の動力炉の性能比較表を出してくれ」
『はい、ラズール様、こちらになります』
工房のディスプレイに表示された性能比較表での出力比はBS-067型に搭載されていた旧式動力炉を1とすると一般公開されている最新の動力炉が2.6となっており、従来の動力炉では燃料が尽きると稼動停止だったのだが、新型は10.4の出力を安定して持続的に供給できるようになっている、従来の実に4倍。
これは新型のエンジンが従来の燃料を消費する方式ではなく、小型の核融合炉によるものだからである、ちなみに外部への放射線漏れには細心の注意を払い、安全のため非常用の停止装置も組み込んである。
尚且つサイズは従来のエンジンと同じにまで小型化できた。
「これでようやく機体の作成に取りかかれるよ」
「ですね、こっちでも武装とか装備はいろいろと開発してたんで、そっちで使えそうなのがあったらドンドン使っちゃってください、ベガ?装備の設計図は共有してある?」
『はい、マシロ様、共有化致しました』
「アルタイル、こっちのもやっておいて」
『はい、完了致しました』
「よし!じゃあお互いに機体が完成したら実際に動かしてみようか」
「ですね!」
よぉーし!やっとこさここまで漕ぎつけたなぁ、まぁここからが本番って感じだけど・・・、
う~ん! どんな機体にするかなぁ・・・、いやーワクワクしてきた!