Phase:16
なんか納得いかずに書いては消ししてたら遅れました、大変お待たせいたしました!
すみませぬ。
朝、時刻は午前6:00
普段から生活時間の管理だけは怠らないようにしているため、朝は必ず6時に起きる、昼夜逆転生活は若いうちでないと出来ないと気づいたのはいつからだったか・・・。
とりあえず日程の確認、枕元の机にはいつでもメモが出来るようにノートとメモが置いてある、一応急に湧いたアイデアなんかを忘れないように書き留めておくためのものなのだが、日程やちょっとした予定などの走り書きも多く、後から見直すとよくわからないものも散見される。
ノートの端にはこう書いてある。
3月28日(土)、MW大会決勝戦作戦立案&期待調整
3月29日(日)、昼過ぎに担当来る、原稿渡すこと、夜は大会決勝戦、遅れるべからず。
明日の昼は担当に原稿か、今日は自由行動出来るし、午前中に用事を済ませておこう。
近場のスーパーで食料や日用品などの買い物を済まして帰ってくると時刻は午前11時、ついでに昼食を済ませるとログイン。
マシロ君はまだ入ってきていないみたいだな、工房に入るとジャンクパーツなんかを弄り回したり新しく構想している新型デバイスの開発をしながら決勝の作戦案を練る、
相手は恐らくロマン装備がアタッカー、カスタムタイプがサポートでくる筈だ、ここまでの試合データをみても決まった戦術といったものは無いようで、ロマンが突っ込み、カスタムはロマンの援護に徹しているようだ、まぁ決勝で作戦を変えることは別段おかしくはないし、警戒はしておくに越したことはない。
マシロ君は装備の変更はしないようだが、こっちは少し変えたほうがいいかもしれないな。
「アルタイル、ジェミナスの1,3,5番アームの武装をハーフバスター装備にしておいてくれ」
『了解です、作業時間は10分程度かかると思われます』
ハーフバスター装備はバスター装備の小型版といったもので、アーム一本につき2枚のハーフバスターパネルが付いている、威力、有効射程共にバスターライフルには及ばないが、燃費や取り回しに優れ、機動力の低下も抑えられているし、フルパネル射撃の隙も殆ど無い、それにアーム1枚が独立して射撃を行えるためにバスター装備より操作難易度も低い。
ハーフバスター装備を選択した理由だが、決勝の相手は恐らくかなり強い、機動力の落ちるバスター装備では不利な状況に追い込まれるかもしれない、ノーマルのシールドライフルでも悪くはないがガンビットの数が増えるほどアルタイルの処理に負荷が掛かる、ということで、アルタイルにはある程度自由な処理領域を持たせるためにも今回はハーフバスター装備を選択した。
しばらくパーツ弄りをしているとマシロ君もログインしてきた。
二人で作戦のの立案と確認、大まかな行動パターンや予想される敵の動きに対する対応等を話し合いながら煮詰める。
最終的に話し合った作戦は、
交戦区域は遮蔽物の多い廃プラント周辺、ロマンはマシロ君担当、カスタムは僕の担当、出来るだけ1対1同士で戦い、乱戦になった場合は回避や防御を優先、二人でカスタムに張り付くことでロマンの射撃を抑制したり、逆に危険度は高いがロマンに張り付いてエネルギー消費を高めさせる持久戦に持ち込んだり、相手流の戦い方をさせないことに重きを置いた作戦とした。
作戦を立て、パーツ弄りを終えるとログアウト。
―翌日―
昼過ぎにやってきた新しい担当に原稿を渡し終えるとログイン
ゲーム内時間では明日の夜が大会決勝戦だ、、機体の最終チェックや操作の確認、慣らし運転などに時間を割くとあっという間に大会予定時間が迫ってくる。
『ラズール様、大会予定時刻まで残り2時間ほどとなっております、そろそろ会場に移動した方が宜しいかと』
「わかった、マシロ君はどう?」
「了解です、決勝、勝てるといいですね」
そういうマシロ君の表情は少し硬い、緊張しているようだが・・・ガッチガチになっているわけでもないし、大丈夫だろう。
会場に着くと試合開始までは残り1時間弱、相変わらず解説の二人は盛り上がっているようで、選手や機体の解説をしたり、これまでの試合のハイライトにコメントをしたりと急がしそうだ、
会場に設置されたひときわ大きなディスプレイにはトーナメント表と選手名が書かれており、
そこには大きな文字で
マキナティクスタッグバトルトーナメント決勝戦!
ラズール選手&マシロ選手VSリッカ選手&トーコ選手
と、書かれていた。
決勝戦、勝てれば優勝だ。
必要なのは冷静さと注意深さと適切な判断。
反射の領域はアルタイルがやってくれる、僕の役割は思考の領域だ、機械に無いものを僕が、僕に無いものを機械が、互いに補い合うことで僕のジェミナスは力を発揮してくれる。
掴むのは勝利、僕とマシロ君とジェミナスでならきっと勝てる。
「勝とう、マシロ君、ここにはアルタイルもベガも、僕もいる、ジェミナスでならきっと勝てる」
「そうですね、勝ちましょう」
試合開始を待つ2人は静かに闘志を燃やす。