Phase:15
めっさ遅れました、待ってた皆さんごめんなさい
「え?棄権?」
『はい、準決勝の対戦相手は棄権の届出をしたようです。』
棄権とは・・・、観客からしたらブーイングモノかもな、こっちとしては優勝が近くなったのは喜ぶべきこと?だが、戦闘テストやデータ収集の面もあることを考えると少し残念でもあるな。
「何か理由があったんですかね?」
『棄権理由については不明です』
「なるほど、あ、じゃあ試合日程はどうなるんだ?前倒し?」
『いえ、当初の予定通り決勝戦の試合開始は10日後(ゲーム内時間で)です』
そこは変わらないのか、まぁリアルタイムでみたいと思ってたら終わってましたなんてなったら悲しいからな。
「了解、じゃあどうしようか、相手の戦績とか動画とかみて研究でもするかな・・・」
「ベガ、決勝戦の対戦相手に関する情報を集めておいてくれるかな?」
『了解しました』
「じゃあこっちはカタログスペックの方を見ておくよ、マシロ君は動画の方を頼む」
「わかりました」
「なるほど、相手はどちらも射撃タイプだが・・・、これまた両極端だな」
データパッドで対戦相手の機体情報についての予想スペック表をみながら思う。
機種:BC-400系カスタム(人型、大出力ビーム、バスターカノン搭載機、燃費に難有だが火力は高い)
装備:大口径バスターカノンc400系(BC系の由来にもなるバスターカノン、高威力だが燃費に難有)
:高出力パルスセンサー300系
(かなり広範囲を詳細にスキャンできるが相手機体にパルス受信可能な装備が搭載されていた場合位置がばれ易いという欠点有、アクティブセンサーのため囮にも使われることがしばしば、よほど自信家か、もしくは罠、そうでなければ馬鹿に使われる)
:サテライトブースターf300系
(機体周囲に展開する円形のレールに沿って3機のブースターが設置されているもの、レールは機体を中心に回転し、ブースターもレールに乗って移動させられる、レールに乗ってブースターが回転する様からサテライト(衛星)と名づけられた)
:七式軽量装甲
(通称:紙装甲、その軽さと引き換えに装甲としての能力はほとんど無いといっても過言ではない、機体の機動力は大幅に上昇するが、低威力のビームでも易々貫通するためあまり好まれない、上級者向けの装備と言える)
片方はトコトン火力特化だな、ロマン装備で燃費は極悪だが嵌れば強い、パイロットのセンスが非常に問われるタイプの機体だ、大会決勝まで駒を進めるくらいだから強いんだろうし、かなり注意が必要だな。
で、もう片方はっと・・・
機種:AA-400系カスタム
(人型、突撃や迎撃を得意とする機体、大幅なカスタマイズがされており、原型はあまり残っていない)
装備:詳細不明ライフル
(外見からの推測では実弾タイプともビームタイプともいえない、マガジンが装着されているようではあるがバッテリーも装着されている、銃口は二つ、恐らく実弾とビーム、どちらの射撃も出来るように設計されている、一般公開、企業公開、プレイヤーメイドのデータベースには該当する装備は発見できず、詳細不明のため要注意)
:カメラセンサー+熱感知センサー
(解像度やセンサー強度については不明、外見はカスタムされているようで、一見して性能が分かりにくくなっている、恐らくs2センサー系のカスタム品だと思われる)
:ラフレシアブースター300系カスタム
(名前の通り五枚の花びらのような形のスラスターユニットと中央の円形ブースターが組み合わさっているもので、機体後部からみるとラフレシアのように見えることから命名された、カスタムされた形跡がみられており、見た目と性能には違いがあると思われる)
:アサルトアーマー400系カスタム
(強襲や突撃など、ある程度の被弾を想定して作られているため、厚さと強度に優れた装甲、重量のため機動力は落ちるが、一般的には機動力も上げて対応することが多い、カスタムされた形跡がみられるため、装甲の強度や重量については一般的なものとは性能に違いがあると思われる)
なるほど、片方は市販品の組み合わせでロマン装備、片方はオリジナルのカスタムタイプ、一見すればロマン装備のほうが強力かと思うがカスタムタイプのほうはスペックが掴めないだけに楽観視は危険だろう、あのライフルも恐らく状況によって使い分けられるようになっている筈だ、両方の機体がそれぞれに強力だが方向性が違うために片方に対する対応に気を取られるともう片方に手痛い攻撃を受けることになるだろう、流石に決勝まであがってくるだけあって強力だ、隙があるとすればロマン装備の燃費の悪さだ、持久戦に持ち込めればかなり有利に戦えるだろう、そのためにはプラント周辺を戦場にするのが効果的か?
「マシロ君、動画を見た感じではどう?」
「動きはBC型の方が格段にいいですね、機動力と火力に特化させただけあります、今までの戦術としてはBC型がかく乱して、AA型が乱入、混戦に持ち込んで相手の土俵に立たないようにしているみたいです」
「なるほど、まぁ2対2になればあっちとしては戦いやすいだろうしな、こっちとしては相手に合わせる必要はないが、無理に合わせないようにしてこっちのペースが乱れては意味がないし、どうしたものかね」
結局その日は相手の戦力分析だけで終わってしまい、ログアウト
ふー、 決勝戦には間に合わせたいんだがな・・・
決勝の試合は多分次の次ぐらいからになると思います。