Phase:10
『こちら、開始直後にラズール選手とマシロ選手の2機が飛び出していくシーンですが・・・速い! 非常に速いです! 初戦ではこれほどまでの速度は出ていませんでした、南沢さん!これは実力を隠していた・・・という事でしょうか?』
『恐らくそうでしょうね、換装した筈のラズール選手の機体のほうが遅れていることからもそれが伺えます』
『なるほど、しかし注目はこの後のシーンです』
『マシロ選手が接敵しようとした瞬間ですね』
『ここです!遠距離から狙撃で援護をしようとしていた社畜戦士水原選手の機体が遥か後方にいたラズール選手による超長距離射撃により一撃で撃墜、味方機に気を取られた一瞬の隙にマシロ選手によるオールレンジからの射撃で無力化・・・戦闘時間は歴代大会の中でも最短記録である2分18秒と、驚異的な成績を叩き出しています』
『彼らの機体は企業で一般公開されていた機体に見た目こそ似ていましたが恐らく中身はまったくの別物であると言えるでしょう』
『そして戦闘終了時のあのアピールです』
『口ぶりからするとラズール選手にとってあの機体はかなり思い入れのある機体だったのではないでしょうか、だとすると今回急に実力を誇示したことにも納得がいきます』
『なるほど、当初の予定では全力を出すのはもう少し後だったのかもしれませんね』
『そうですね・・・
解説のふたりは先ほどの試合について興奮気味に話している
まぁこちらの手札は全部出してるわけじゃない、相手に余計な警戒をさせることが出来れば、全力を出したのは悪いことじゃないだろう
「あぁ、そうだ、次の相手の確認をしておこう」
トーナメント表を見る、次はDブロック決勝戦だ、さっきのヤツより強いだろうし確認しておいたほうが良いだろう、
相手選手の名前は・・・ Tungsten & SteelSmith なるほど、選手の情報を検索すると恐らくアメリカ系の人物であると思われる、何でかって?だって機体にでっかく星条旗のプリントがしてあるんだもの
トリコロールカラーでヒロイックなデザインもそれっぽい、まぁ役作りなのかもしれないが・・・
相手側はTungsten選手の機体はごっつい人型?のようなフォルムで腕のような部分が非常に大きな造りになっている、動画をみると腕の部分にはビームガンが内蔵されているほかにも装甲自体に特殊な加工がしてあるようで低出力のビームでは効いていないようだ、攻撃手段は両腕によるパンチという物理攻撃とビームが主な武装のようで、速度もそれなりに出ているしかなり強そうだ、
SteelSmith選手の方は見た目こそあまり変わらないが腕のビームが大型で、Tungsten選手と違い中距離タイプといったところか・・・もちろんパンチも出来るようだが、Tungsten選手ほどの速度は出ていない。
なるほど、戦闘時間も毎回短めに抑えられており、大会でも好成績を残している・・・
「マシロ君、次の相手、マシロ君ならどうみる?」
「はい、相手の機体は基本的には近接型と中距離型ですから、遠距離から相手取るのが良さそうですね」
「そうか、マシロ君も換装しておくかい?」
「いえ、ブリューナク装備は調整がまだ済んでいませんし、あれはまだ試験中です、まぁこちらは何とかします、伯父さんの方はどうするんですか?」
「そうだなぁ、まぁ相性も良さそうだしこのままにしておくよ」
「了解です、あとはDブロック決勝が終われば本戦までは時間がありますし、気合入れていきましょう」
「オッケー」
うん、一応決勝だけあって強そうな選手が回ってきたか・・・
戦いがいがありそうだな、圧勝するのも悪くはないが、手に汗握るような接戦もいいからな
願わくば次の相手が頑張ってくれることを祈ろう、敵の応援をするのはどうかとは思うがね
今日はちょっと短め・・・次話を長くする予定なんです!許してください!