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SS

「全然駄目ね、あんた才能ないんじゃない?」

ヨルムンガンドのギルドルームで、カルディナは、ミズガルドに

駄目出しをされた。

「しょうがないじゃないっ。普段からSSなんて撮らないし。」

「ベル様と一緒のギルドという最高の環境に居るというのに・・・。」

ミズガルドは、カルディナに撮ってきてもらったSSを見ながら、

心底がっかりした。

「まったく、本当に仲がいいのね。あなた達。」

「むっ、ターヤ、ちょっとこれ見てよ。」

ミズガルドは、カルディナが撮ってきたSSをスクリーンで見せた。

「あらまあ、素材は最高なのに・・・。」

「私は、普段、SSなんて撮りませんからっ。」

カルディナが言った。

「それにしても、ミズガルド。カルディナさんに頼まなくても、

 他の聖騎士団のメンバーに頼めばいいでしょうに?」

「そうだ、そうだ。」

ターヤの意見に賛同するカルディナ。

「あの子たちが撮ってくるのって意外性がないのよねえ。

 真正直と言うか、ベル様も余所行きの顔してるし。」

「まあ、それは言えますね。SSに関しては、教会の方々の方が、

 技術は上ですね。」

ベルサラ究極の一枚を撮ったのは、教会の人間だった。

「あんた、ベル様の近くに居るんだから、もっと普段見せないような、

 意外性のある一枚撮ってきてよ。」

「面倒くさいから、パスっ!」

カルディナは、拒否した。

「そうよ、ミズガルド。これを見れば、カルディナさんは全く才能が

 無いってわかるでしょ?」

「むむむ・・・っ」

何でも卒にこなせるカルディナのプライドが少し傷ついた。

「そうね。才能の欠片も無いようだし、諦めるかあ。」

「くっ!撮ってくりゃいいんでしょうっ!意外性のある奴をっ!」

「出来るの?あんたに?」

「SSくらい撮ってくるわよっ!」


カルディナは意外性のある一枚を求め自分のギルドルームに帰って行った。

ギルドルームに着くと、ちょうどベルラインが居た。

カルディナは、結構近づいた後、SSを撮る準備をした。

「貴様、何をしてるっ!」

ベルラインにバレた。

「えっと、その・・・SSを撮ろうかと思いまして・・・。」

無言で、睨み付けるベルライン。

その圧力に屈し、SSを仕舞ったカルディナ。


すると、少し離れたところで、カルディナを手招きしてる女性が居た。

カルディナは、直ぐに気が付き、そちらへ飛んで行った。

「何やってるんですか、カルディナさん!」

「い、いや、SSを撮ろうとしたんだけど・・・。」

「近づきすぎでしょっ!」

ギルメンに怒られるカルディナ。

「だって、アップとか撮りたかったし・・・。」

「そんなもの遠くに離れてても撮れるんですよ。」

「そ、そうなの?」

それから、カルディナは、女性団員にSSの撮り方を教えて貰った。

そして、カルディナは、SSに嵌ってしまった。

意外性な一枚を撮る目的が、いつのまにかベルサラ究極の一枚を

超えるものを撮る目的に変わってしまうのに時間は、そう掛からなかった。

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