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サイド:新しいのが欲しい

「あのう、この刀じゃあ、もの足りないんですけど?」

クレインは、カルディナに聞いた。

「まあそれ、初期装備だからね。」

「そろそろ新しい武器が欲しいです。」

「レベルいくつになった?」

「12です。」

「ランク2の武器は装備できるね。

 じゃあさ、お姉様、何でもしますから買ってくださいって

 言ってみて?」

「へー。」

クレインは、呆れてスカした返事をしただけだった。

カルディナは、アイアンクローが来るかと思い身構えていたが。

「あれ?アイアンクローしないの?」

「ゲームじゃあ痛くないでしょ?」

「ええ、痛くないわね。」

「だから、明日、リアルでまとめてやります。」

「ま、まとめてって何??何回もされるの??」

「明日のお楽しみってことで、えへへ。」

「いや、全然楽しみじゃないし、そこ笑う所でもないでしょっ?」

「アイアンクローは明日に置いといて、カルディナの武器は、

 私のと何か違いますね。お店屋さんに売ってないような

 武器です。」

「お願いだから、リアルでするくらいなら、今してよ・・・。

 私の武器は、人が作った物だからね。NPCのお店には売ってないわ。」

「おおー、私も人が作った物が欲しいです。」

「この流れからすると、私が作る人探して、お金払って作って貰う

 でしょ?」

「そうなりますね。」

「で、アイアンクローをリアルでされるわけ??」

「それはそれ、あれはあれですから。」

「納得がいきませんが・・・。」

「で、作れる人知ってるんですか?」

「・・・。刀なんて作れる人知りませんが・・・。」

「むううう。」

「ランク2なら、店売りのでいいと思うんだけど?」

「人が作った物がいいです。」

「まあいいか。ちょっと聞いてみるね。」

「作れる人ですか?」

「いや、こういうことはね、使えるNPCに聞けばいいのよ。」

「おおー、そんなNPCが居るんですね。」

「ちょっと聞いてみるから待ってね。」

「はい。」


「ランク2の日本刀作れる人居ない?」

藪から棒に個人トークで、要件を言った。

「お前は、挨拶という物を知らんのか?」

「そんなのどうでもいいから。」

ギルバルトは反論しようとしたが、時間の無駄なんで辞めた。

「シンゲンに聞いてみる。」

「よろしこ~。」


暫くして、野武士の人間が来てくれる事になった。


「待たせたな。」

態々、野武士のGMが来てくれた。

「そんなのいいから、ランク2の日本刀は?」

せっつくカルディナ。

「すみません。初めましてクレインといいます。

 この人は気にしないでください。」

「初めまして、シンゲンです。」

いつもの如く、端的に答えるシンゲン。

「私のリアカノだからね。先に言っとくけど。」

シンゲンに念を押すカルディナ。

「カルディナ、アイアンクロー3回ね。」

「3回っ!!! 2回じゃないの??」

「君は武士を目指してるのか?」

シンゲンがクレインに聞いた。

「はい、日本刀が好きなんです。」

「なるほど。初心者用に何本かストックがあるので、一本持って

 きた。君にあげるので、好きに使ってくれ。」

そう言って、ランク2の日本刀をクレインにトレードで渡した。

「いいんですか?お金ならカルディナが払いますよ?」

「構わない。」

クレインは、さっそく装備して、日本刀をキラキラした瞳で、

見つめた。

傍から見ると危ない人に見えてしまう。

さらに鎧武者で、身を固めているから、むしろモンスター扱いされ

そうな雰囲気だ。

「いい物ってのがわかります。大事に使わせて頂きますね。」

「喜んで貰えて何より。カルディナの知り合いにしては、まともな

 人で安心した。」

「ゆってくれるわね、使えるNPCナンバー2の分際で。」

相も変わらず、知り合いの男には、ボロクソ言うカルディナ。

「カルディナ、さっきの使えるNPCって、人だったんですか?」

「ああ、うちのギルドマスターだから気にしないでいいわ。」

「いつか、その人にも謝らないと・・・。」

「クレイン、もしよかったら名刺交換しないか?」

シンゲンが申し出た。

「ちょっと、ふざけないでっ!」

カルディナが激おこプンプン丸になった。

「それをするとどうなるんです?」

「いつでも気軽に、個人トークができるから、わからない事とか

 あったら、教える事が出来る。」

「それは便利ですね。最初にカルディナとやったんで、やり方は、

 覚えました。」

「じゃあよろしく。」

シンゲンが、名刺交換を申し込んだので、クレインは、あっさりと

yesのボタンを押した。

「このクソナンパ野郎っ!速攻で消しなさいっ!」

「何かあったら聞いてくるといい。」

「はい、よろしくお願いしますね。」

二人ともカルディナを無視して話を勧めた。


シンゲンが去り、二人きりになった後、カルディナは徹底的に

クレインに忠告した。

「いい、名刺交換は男としちゃあ駄目よ!」

「何故ですか?」

「あんたアホなの?ゲームの中にもストーカーや危ない奴は、

 一杯いるのよっ!」

「既に目の前に居ますが・・・。」

「私は同じ女性だからいいのよっ!」

「シンゲンさんはいい人のように見受けました。」

「わかんないでしょ?ゲームなんだからっ!」

「でも使えるNPCナンバー2なんでしょ?」

「それが?」

「だったらいい人です。」

「・・・。」

「それに、どんな人でも一度手合せしたら判って貰えますよ。」

カルディナは、体験で戦った事を思い出し、身震いがした。

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