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ギルド定例会議2

「皆すまないな、私の仕事の都合で定例会議の時間を

 遅くしてしまって。」

ベルラインが、会議出席者に謝った。

「いえ、我々も残業とかありますんで、遅くしてくれた方が

 助かります。なあ?」

幹部たちが、頷く。

「俺は、いつでも構わんから気にするな。」

ギルバルトが言う。

「前から思ってたのだが、ギルバルト、貴様は働いてるのか?」

「働いてるよっ!昼間居ないだろっ・・・。」

「昼間など、ONしてないから、私にはわからんっ!」

「・・・。」

無職の疑いを掛けれたギルバルトだった。

「えー・・、気を取り直して・・・。

 まずはクレインの事からだが、あれ以来ON率が低下している。」

「そのようだな。」

「やはりカラットに負けたのが原因だろうか?」

「違うな。」

「じゃあ、アレか?」

「アレだろう。」

「俺たちが口を挟む事じゃあないのは重々承知だが、クレインがONしないと

 聖騎士団にとってもあまり良くない状況に・・・。」

言葉を濁す、ギルバルト。

「今は、カルディナは居ないようだ。はっきり言ったらどうだ?」

「カルディナの暴走を止める奴がおらん・・・。」

「貴様、団長だろっ!何とかしろっ!」

「もちろん、自重するように注意はした。」

「何て言われた?」

「(黙れ屑っ、お前は使えるNPCなんだから、こっちが話掛けない時は、

  話しかけて来るなっ!)と言われますた(涙)」

「「「・・・」」」

「ここは一つ、副団長から一言言って貰えないでしょうか?」

幹部の一人が提案した。

「わ、私がかっ・・・。」

焦るベルライン。

「ベルを餌食にしたいのか、お前は・・・。」

「しかし、副団長の言う事なら素直に?」

「聞いてたら暴走なんてしないだろ。」

ギルバルトが諦めたように言う。

「とりあえず、クレインちゃんには、私からメールを送っておこう。

 スマホと連動してるはずだから、ONしなくても内容は見てもらえる

 だろう。」

「頼む。」

「ビショップさんとも、よく冒険に行くようですし、そちらからも?」

幹部の一人が言った。

「ビショップには、既に言ってもらった。酷い事を言われたようだが・・・。」

「どうにもなりませんな、百合姫は・・・。」

百合姫、それが聖騎士団でのカルディナの通り名だった。


カルディナがギルドルームに入室してきた。

全員が、それを確認し、定例会議を終了させた。


「ねえ、誰か私と遊びません?リアルでもいいけどw」

他の女子団員に話しかけるカルディナ。

「い、いえ間に合ってます。」

「そんなつれなくしなくても、ねえ?」

やり取りを聞いていた男子団員が、全員、団長の方を見る。

【・・・。】

ギルバルトは、しかたなくカルディナに声を掛ける。

「カルディナ、団員が嫌がるような・・・。」

「黙れっ、屑。誰が喋っていいと言った?」

途中で言葉を斬られてしまった。

隅っこで蹲るギルバルト。


カルディナは外面は、ぴか一という程いい。

男性に対しても丁寧な言葉づかいで、コミュ障ってわけでもない。

が、慣れてくると、男性は、全員ゴミ扱いする。

過去に男性に何かあった訳ではなく、根っからの百合なのだ。


「いい加減にしろっ!団長に対して何て言い草だっ!」

ベルラインが怒った。

「ベル様っ!居たんですか?」

とすり寄っていく、カルディナ。

自称ベルライン親衛隊は伊達じゃない。

「ち、ちち、近寄るなというに。」

「そんなあ、サーラントさんには許してるじゃあないですかあ。」

あまったるい声を出して、ピッタリとくっついた。

「あ、あれは・・・。」

「あれは?」

強気で攻めるカルディナ。

「ねえ、ベル様あ、ふごがぼっっ・・・・。」


ボコっ・・・!


カルディナが吹っ飛んでいった。

「いきなり蹴るなんて、酷いですねえ。先輩。」

「たくっ、クレインからメール貰って来てみれば・・・。

 このガチ百合がっ!」

黒き戦士たちのカザミが言った。

「カザミ、カルディナと知り合いだったのか?」

復活したギルバルトが聞いた。

「知り合いたくは、なかったけどね・・・。」

「あら、そんな言い方しなくても。」

薄ら笑いを浮かべるカルディナ。

「ギルバルト、こいつ連れてくから。」

「すまん、よろしく頼む。」

「ちょっ、先輩。アスナさんは居るんでしょうね?」

「居ねえよ。」

「男だらけじゃないですかっ!」

「安心しろ、ボルヴィス居るからw」

「ネカマ野郎に用はないですっ!」

首根っこを引っ掴まれ、連れていかれるカルディナは暴れていた。

「それよりも、リアルで心配しろよ?」

「何がです?」

「クレインが半殺しにするって言ってたぞ?」

「う・・・。」

カルディナは大人しくなり、そのまま連れていかれた。

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