ゲーム過去編「定例会議」
「薄い本についてだが、個人のキャラ名が特定できるような物は、宜しくないと思うのだが?」
ベルラインが議題として、薄い本を取り上げた。
「心配するな、手は打ってある。」
ギルバルトが答えた。
「ほう、普段は悪乗りしそうな貴様が、どういう手を打ったんだ?」
「特定できるような本を購入し、運営に送った。
即座に取り締まってくれるそうだ。」
「随分と手際が速いじゃないか。」
「ああいったものは、無くなればいい。」
「・・・。貴様、頭でも打ったのか?」
「ギルドマスターとして、当然の事をしただけだ。」
「・・・」
ベルラインは困惑した。
「ちなみにどんな本を送ったんだ?」
「個人の事もあるので言えない。」
「私の事ならかまわん。気にしてないからな。
ベルサラ本とかも送ったのか?」
「いや、送ってない。」
「そうか、私の本は送ってないのか、特に構わなかったのだがな。
事前に相談してくれればいいものを。」
「ベルの本は送ってある。」
「ほう・・・、相手は誰だ。」
「言いたくない。」
「貴様が言いたくない相手だと?貴様が熱をあげてるローラとかいう奴か?」
「違うっ!ローラたんの本は、ほ・・・。」
「ほう、保存してあるんだな。安心したぞ、いつものギルバルトだ。」
「・・・」
「団長、まさかギルベル本を送られたのでは?」
幹部の一人が言った。
ギクっ!
「き、貴様、そのような物を買ったというのかっ!」
「お、落ち着けベル。確認の為だ。」
「何の確認だというのだ!」
「ベル、お前の本の8割が受けらしいな。」
「それがどうした!」
「俺の本は10割が、俺が受けだっ!」
「・・・。」
「最初は、俺とシンゲンがカッコよく表紙になってる同人誌を見つけ、
何気なく買ったのが始まりだった。」
それが、ギルバルトの不幸の始まりだった。
「家に帰って読んで、びっくりした、というか冷汗がでた・・・。」
「・・・。」
「それから色々、同人誌の販売会にも顔を出し、作者とかいう奴と
話をしてみたが、俺は受け確定なのだとか。
更に聞いてみると女性では、ベルが受けという立場にあるのを聞いた。
俺は、どうしても確かめたくなって、ギルベル本に手を出してしまったのだ。」
「なるほどな。それでも貴様が受けだったと言う訳か?」
「ベル、お前の通り名は、頑強らしいな。」
「興味はないが、そう言われてるらしい。」
「俺の通り名は、総受けだっ。」
「「「・・・・」」」」
こうして、しょうもない定例会議は終わった。




