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よからぬ連中

人間というのは、自分勝手である。

大小様々とはいえ、誰にしも自分勝手は存在する。

動物としては、当たり前の事だが。

その自分勝手が更に膨張するのがゲームである。

欲望むき出しだから、仕方ないと言えば仕方がないが。


だからといって、親切な人が居ないわけではないが、

親切なのは、自分がある程度、終わってる

若しくは、手に入れてるからであって、

無自の親切心ではない。



VFGXのとあるギルドで、何人かが集まって、

よからぬ話をしてた。

「一部のギルドだけで、仙人独占っておかしくないか?」

「そうだな。」

「でも、俺らじゃ討伐隊なんて組織出きないだろ?」

「リストくらい埋めたいだろ。」

「魚リストをか?」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

「ま、まあ、でもな。」

「う、うん・・・。」

「さ、魚リストでもいいよな?」

「だ、だな・・・。」

「そういや、ナイバスのリュウジが話つけるって、

 言ってなかったか?」

「ああ、言ってた。」

「呼んでみようか?」

「ちょと、呼んでみて。」


そう言って、とあるギルドにリュウジが呼ばれた。

「何か用か?」

「仙人に話つけるって、言ってたよな?」

「ああ、その事か。」

「おう。」

「魚リストでもいいのか?お前ら?」

「い、いいよ。」

「う、うん。」

「いつでも頼めるように名刺交換も終わってる。」

「すげえな、リュウジ。」

「度胸あるな。」

「とりあえず、全員魚リスト埋めてくれ。」

「「「「はっ?」」」」

「そりゃ、そうだろ?魚リストも埋まってないのに、

 レイドボス表示させても意味ないだろ。」

「そりゃあ・・・。」

「そうだけど・・・。」

ぶっちゃけ、誰も魚リストに興味はなかった。

「そうすれば、俺が師匠に言って釣って貰うから。」

【【【【!!!コイツ弟子入りしてやがる!!!】】】】


こういう事があちらこちらであり、大きな火種に

なる事は、一切なかった。

チャンチャンっ。




「しかし、驚いたね。まさかアシカたんが、

 釣られるとは。」

タウントカンパニーの運営ルームで、開発室長の陶山は

驚いていた。

アシカたんは、レアボスとして、実装はしていたが、

釣られるとは思ってもいなかった。

条件が、ギルドルーム内に100人以上となっており、

条件クリアが、不可能だろうと室長は予測していた。

「何で、うちのゲームって釣りギルドが最大ギルド

 なんだろうね・・・。」

室長は、素朴な疑問を呟いてみた。

確かに多少は釣りに凝ったゲームにはしているが、別段

釣りだけが特別と言う訳でもなかった。

隣にいる運営チーフの緑川はあきれ顔だった。

「室長が釣られることはないって言うから、私の可愛い

 アシカたんを提供したんですよ。

 まさか、倒されることは無いでしょうね?」

チーフは、ギロッと室長を睨んだ。

「そ、それは、大丈夫。生半可な強さじゃないから。」

釣れる条件がギルドルーム内に100名以上とあって、

強さもそれなりに設定してあった。

多少、強くし過ぎた感はあるが、隠しボスというか、

表に出る事は無いと思ってたので・・・。

「なら、問題ありません。」

チーフのデスク周りは、アシカの人形が一杯で、

自他ともに認めるアシカ好きである。

新マップ開発当時、疲れきってた室長が、

チーフのデスクを見て思い付き、お遊びで作ったのが

アシカたんであった。

『200名以上にしとくべきだったかな・・・。』

まさか、あの人達、挑戦しないよね?と不安に思った

室長は、設定を間違ったかなあと思うのであった。


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