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レイドボス打ち合わせ

NO HERO,NO HEROINEの方も宜しくお願いします。もしかして繋がりが・・・。

「打ち合わせってだけなのに結構あつまってるわね。」

ヨルムンガンドのGMミズガルドが言った。

今日は、レイドボス戦の日。

事前情報は、水系のブレス以外、何もなく打ち合わせは、

単なる顔合わせという感じだった。

スケジュール的には、打ち合わせ後、釣り仙人が釣り開始。

その間全員ログアウト。

ヒットのメールが一斉送信された後30分後に集合。

という事になっている。

「それにしても広いわね。ここのギルドルーム。半端ないわ。」

ミズガルドは、ギルド「バラサン」のギルドルーム内を見渡した。

「ちょっと、あんたも何か喋りなさいよ。」

先ほどから隣に居て、何も喋らないカルディナをせっついた。

「いや・・・あの・・・。」

「何処見てんのよ。あんた?」

そう言って、ミズガルドは、カルディナの視線の先を追った。

そこには、太陽のプリエステスことサーラントの姿があった。

どうもご立腹らしく、どす黒いオーラを纏っていた。

「あらら、βの頃の氷の女王が丸出しじゃない。」

ミズガルドが言った。

「何それ?」

「あんた知らないの?」

「知らないわよ・・・。」

普段なら即飛んでいきそうなカルディナだが、遠くから見てるだけの状態で。

「これぐらい大人しいと楽だな。」

近くに居たガルフが言った。

「なにーーーっ!」

カルディナは牙をむき出して睨んだが、ガルフは動じない。

今回、カルディナはガルフの隊に配属となっていた。

ガルフの隊には、最強の魔術師ミズガルドも居た。

「ねえ、ベル様は居ないの?」

ミズガルドが、カルディナに聞いた。

「ベル様は、仕事で、打ち合わせは欠席よ。」

「なるほど、それじゃあ氷の女王が降臨するわけだわ。」


サーラントは自分が居る隊の人間に指示を出していた。

普段通り優しい口調だが、纏ってるオーラはどす黒かった。

指示を出していると言っても、サーラントが隊長なわけではない。


「氷の女王が動いたわ。あんたも行って来れば?w」

本来なら、ミズガルドはカルディナのお目付け役なのだが、完全に煽っていた。

「え、遠慮しときます・・・。」

「あんたベル様とプリエステスに挟まれたかったんじゃないの?」

「・・・。」


サーラントは、打ち合わせが終わると直ぐにギルバルトの所へ行った。

「ギルバルトさん、ベルはどうしましたの?」

「・・・。す、既に伝えておいたと思うが、打ち合わせは欠席だ。

 隊の打ち合わせは、サーラントに頼むとお願いしていたが?」

「それは、もう終わりましたの。」

優しい口調ではあるが、オーラが・・・。

「こういったボス戦の前の打ち合わせは、疎かにしてもらっては、士気に影響が

 あると思いますの。」

【お前が言うか・・・お前が・・・。】

β時代、一切の打ち合わせに来なかった人間の言葉とは思えなかったが、

ギルバルトは、ぐっと言葉を飲み込んだ。

「それは申し訳ないと思う。しかし、リアルは犠牲にできないだろ?」

「それはそうですが・・・。」

「ちゃんと戦闘には間に合うとの事だから、それまでは、隊の隊長代理で、

 よろしく頼む。」

「はあ・・・。」

納得がいかないような口調で、サーラントは自分の隊へと戻っていった。

【打ち合わせに参加しないだけで、これか・・・。戦闘不参加だったら、

 どうなっていた事やら・・・。】

考えただけで、ギルバルトは身震いした。


「納得がいきません。」

こちらでも小さいトラブルが発生していた。

小さいから小さいトラブルというわけではないのだが・・・。

「何か問題でも?クレイン。」

グランマが、クレインに問いかけた。

「何故におばあ様がこの隊の隊長なんですか?経験から言っても私なのでは?」

「それを言ったら、俺の方が経験あるんだけど。」

ボソっと同じ隊のビショップが言った。

「そこは年の功ですよ。それにビショップさんだとクレインを止めれないでしょ?」

「はい・・・。申し訳ないです。」

嫁の祖母に言われ、何も言えないビショップ。

「私を止める?何の事です?」

「あなた、戦闘になると周りの事が目に入らないでしょ?」

「確かに、昔はそうでしたが、今では違いますよ。ねえビショップさん?」

「え、えーと・・・。」

答えに困るビショップ。

「まあ、総隊長であるギルバルトさんが決めた事ですから。」

そう言って、グランマはクレインに言い聞かせた。

【後で、ギルバルトさんに問いたださないとっ!】

クレインは心の中でそう決めた。

「そんな事より、今日の主役の登場ですよ。」

グランマがそういうと、バラサンのギルドルームに釣り仙人が現れた。

相も変わらず、ローラをエスコートしてる為、ローラの方が目立ってた。


ミズガルドとガルフは、カルディナが暴走しないよう身構えたが、カルディナが

動く気配は無かった。

「あんた、人気ナンバー1に興味ないわけ?」

ミズガルドが聞いてみた。

「何かオーラが違うし・・・それに・・・。」

ローラの纏う只ならぬオーラにカルディナは、臆してはいたが、理由はそれだけでは

なかった。


「今回は、ギルドルームをお貸し頂きありがとうございます。」

ギルバルトがローラに挨拶した。

「いえ、とんでもないです。」

「タイマーさんもご協力ありがとうございます。」

とギルバルトが挨拶したが、既にタイマーはそこには居なかった。


「ほうほう、やっぱりこのゲームやってたんだね。クレインちゃんもやってるし。」

そう言って、タイマーはカルディナの頭を撫でた。

「くっ!なでないでくださいっ!」

そう言って、カルディナは手を跳ね除けた。

前々から釣り仙人の正体は、世界中探しても一人しか居ないと思ってたカルディナ。

「これは失礼。」

そう言って、タイマーは今度は膝をつき、カルディナの手をとり軽く口づけした。

「・・・。」

【この無職野郎は・・・、まったく・・・。】

昔からのお店の常連でもあり、何せ世話にもなってるカルディナ。

無下にあしらう事ができない。

「何、あんた、伯爵と知り合いなの?」

「一応・・・。」

「どうも、初めましてタイマーです。」

そう言って、今度はミズガルドの手の甲に口づけするタイマー。

「見境ないですね。タイマーさん。」

タイマーの背後から怒りの声が聞こえた。

「パルコさん、どうかしました?」

何事もなかったように答えるタイマー。

「あっちで打ち合わせでしょ。まったく。」

そう言って、パルコに引っ張って連れていかれた。


そんな状況を遠くから見ていたルビアは、恐ろしさを感じた。

「アレが、伯爵・・・。」

確かにカルディナの比ではない。

あんな人間居たら、教会がハーレム化、もしくは内部崩壊するのもうなづける。

「わ、私がサーラさんを守らなきゃっ!」

そう心に誓うルビアだった。


「ちょっ・・・手の甲にキスされたの初めてなんだけど・・・。」

ミズガルドは、まだ少しドキドキしていた。

普通に日本に住んでて、普通に暮らしてたら手の甲にキスされる事はない。

「あんた慣れてるの?」

「まあ、知り合いだから・・・。」

「伯爵ってリアルでも、あんな事すんの?」

「まあね・・・。」

「日本人なわけ?」

「普通の日本人よ。」

「普通じゃないわよ。」

「俺はてっきり英国紳士なのかと思った。」

ずっとあっけにとられてたガルフが言った。

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